山本 由樹 氏 書籍『欲望のマーケティング』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 刊)より
このページは、書籍『欲望のマーケティング』(山本 由樹 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・「絞り込む(ターゲティング)+巻き込む(エンクロージング)+揺り動かす(シェイキング)」
・美魔女とは、40代を中心にした、「年齢を超越した若さと美しさ」を持つミドルエイジの女性たちのこと
・若く美しくあろうと努力している妻たちは、ずっと「現役の女性」でありたいという欲望を持つ一方、その努力は夫の前では無力だったというわけです。
・雑誌をつくっているとよくわかるのですが、世代の感性は5歳刻みで変わってきます。35歳~39歳までと40歳~44歳までとでは、まったく違う人種と言っていいほどです。
・人間を突き動かすのは「欲望」です。その欲望を聞きとらないかぎり、その人の本質は理解できません。そして顕在化されていない個人の欲望がその他大多数の「潜在的な欲望」を代弁するとき、そこには新しいマーケットが生まれると思っています。
・成城在住の専業主婦の方がこんなことを言いました。「最近はファッションより美容にかけるお金が増えてきました」(中略)
このひと言が「黄金のひと言」でした。
ファッションで若返らせることばかり考えていた私に、「ファッションでは若返れない」と彼女は言うのです。このひと言から得た私の認識はこうです。「45歳から若くなりたいと思ったら、ファッションよりも美容なんだ」と。
・インタビューは駆け引きです。どう本音を引き出すかは相手との関係構築にかかっています。関係構築のためのキーワードは次の3つです。
①共感
②共有
③告白(中略)
告白がはじまったら必要以上に「驚かないこと」と「意見を言わないこと」です。(中略)ここでも共感や共有をしながら、会話を盛り立てます。
・女性週刊誌は主にスターや有名人の私生活を記事にすることでなりたっていますが、言いたくないことを話させることほど難しいインタビューはありません。(中略)
あるベテランライターがこんなことを教えてくれました。「こいつはバカだと思われれば勝ちですよ。わからないなら教えてやろうかってことになりますから。自分より偉そうだったり頭がよさそうな奴には、親切にしてくれませんから」(中略)
「ぜんぜん知らなかったあー。勉強になります」(中略)ホントは知っていても、そんのおくびにも出しません。ただそれで終わらないのです。やはり唐突に、ちらりとナイフを覗かせるような鋭い質問が投げかけられるのです。
・女子会での話題で一番盛り上がるのは新しくできた恋人の話ばかり。(中略)もう一度女としての幸福を実感したい、という妻たちの切実な欲望に答えるソリューションとは何か?(中略)
実はその結果うまれたのが「美魔女」というコンテンツでした。(中略)
「この年齢でこの若さって、魔法を使っているとしか思えないよな。美しい魔女だから、美魔女って呼ぼう」
私の中では実に単純な発想でした。「年齢を超越した女性」を美魔女と呼ぶことで、読者との間のスペシャルなコンテンツにしようと思ったのです。
・この美魔女コンテストには裏テーマがありました。それは「人妻再評価コンテスト」とも言うべきテーマです。
・「マーケット」とか「ターゲット」などと、客観視したり分析したりしている限りは、見えてこないものがあるのです。自分から海に入って魚の環境を「自分ごと化」して初めて、「魚の気持ち」がわかります。
●書籍『欲望のマーケティング~絞り込む、巻き込む、揺り動かす』より
山本 由樹 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2012年10月初版)
※amazonで詳細を見る