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出版不況の原因はどこにある 寄稿:冬狐洞 隆也 氏
業界3者、つまり、出版社や取次、書店の不満点19個から出版不況の原因を探りたい。
1、 出版点数の多さと、生産年齢人口の減少でも出版社の過剰供給は直らない。
2、 書店の過剰注文の多さが返品率の高止まりになっている
(委託販売の限界)。
3、 取次の配本のままで売り場作りをする書店に問題はないか。
4、 中小書店が注文しても商品が届かないのは流通の問題か。
5、 良い本は作っても、売れる本を作らない出版社に問題があるか。
6、 大手書店ばかり優遇する取次が元凶なのか。
7、 売る知恵を持たない書店が情けないのか。
8、 商品を安く提供する中古本市場が問題なのか。
9、 出版業界は再販売価格維持制度に守られているのか、縛られているのか。
10、 委託販売制度という小売業には珍しい制度が原因なのか。
11、 取次のパターン配本が悪いのか。
12、 出版社の指定配本が悪いのか。
13、売れもしない出版社目線の(常備・延勘セット)商品に問題はないのか。
14、似たような企画しか出せない企画の貧困な出版社に問題はないのか。
15、ネット書店(書籍売上2,400億円超え)に客を奪われている書店に
問題はないのか。
16、インターネットに情報を奪われている雑誌に問題はないのか。
17、出版社は雑誌の売上減をムックの乱発によってカバーしょうと
していないか。
18、取次依存症が直らない出版社・書店に問題はないのか。
19、なぜ、ロングセラーは新刊書店からなくなったのか。
新刊をトコロテンのように押し出すだけの書店に問題はないのか。
ロングセラーはネット書店・新古書店・図書館の専売特許なのか。
以上業界3者の不満を並べた。出版社・取次・書店とも各々勝手なことを言い合っている。しかし、出版業界が、構造不況業種になったとは認識していないだろう。2012年の書店数は、13,321店(日販調べ)。383社・4137店で、売上 12,123億円となり、全書店の 69.6%のシェアを持っている。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏