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出版社数と書店数・公立図書館数の推移 寄稿:冬狐洞 隆也 氏
2000年から2013年までの図書館数と出版社数、書店数における推移を紹介したい。
年 |
図書館数 |
書店数 |
出版社数 |
2000 |
2,639 |
21,495 |
4,391 |
2001 |
2,681 |
20,939 |
4,424 |
2002 |
2,711 |
19,946 |
4,361 |
2003 |
2,759 |
19,179 |
4,311 |
2004 |
2,825 |
18,156 |
4,260 |
2005 |
2,953 |
17,839 |
4,229 |
2006 |
3,082 |
17,582 |
4,107 |
2007 |
3,111 |
17,098 |
4,055 |
2008 |
3,126 |
16,342 |
3,979 |
2009 |
3,164 |
15,765 |
3,901 |
2010 |
3,188 |
15,314 |
3,817 |
2011 |
3,210 |
15,061 |
3,734 |
2012 |
3,234 |
14,696 |
3,676 |
2013 |
3,248 |
14,241 |
3,588 |
14年間で出版社数は 803社の減少・書店は 7,254店減っている
減少率でいうと、出版社数は▲18.3%・書店は▲33.8%になる。書店の数字の中で店舗在庫の無い店数が 1,200店ほどカウントされている。よって実際の書店店舗数は 13,000店舗前半と推測する。今後も後継者不足・消費者の人口移動で立地条件の悪くなった書店は廃業の道をたどる可能性が出てきている。
地方郊外のショピングセンター内のテナントも都市部回帰が始まっているし、地方では駅前の書店でさえ廃業している現状を見ると政府が地方再生の呪文を唱えても再生は不透明としか言いようがない。
書店や出版社が減る中、図書館だけ微増する理由
書店と出版社が減少して行く中で、公立図書館数だけが増えている。数字でいうと 14年間で 609館の増加だ。これは、少ない地方財政の中で、新館の図書館を予算計上できる地方議員の票に直接反響があるからと推測する。
公立図書館の増加と図書館の貸出冊数が、書店の販売冊数を逆転してきた。それは、買うよりも図書館にて無料で借りられるとの理由で書店の数が減少したとは思えない。書店で本を買う人が少なくなったのは他の理由があるのではないか。
出版社と書店の減少率の違いは、出版社は返品率が高くても取次からの入金を当てにして今まで経過している。対して、書店は店主の高齢化と後継者不足が10年前から顕在化してきたのだ。
出版社の未来
日本の生産年齢人口減少と共に出版活動は縮小していくと予想する。とはいえ、紙の本も電子書籍も自費出版にしても編集力はいずれも必要。出版社が電子書籍の編集プロダクションになる可能性も出てきた。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏