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書店数の推移 2004年~2013年 日販調べ 寄稿:冬狐洞 隆也 氏
2004年~2013年における書店数の推移を紹介したい。
年 |
店舗数 |
前年比増減 |
2004 |
17,175 |
▲1,658 |
2005 |
17,153 |
▲601 |
2006 |
15,823 |
▲1,303 |
2007 |
15,361 |
▲462 |
2008 |
14,821 |
▲540 |
2009 |
14,407 |
▲414 |
2010 |
13,943 |
▲458 |
2011 |
13,603 |
▲346 |
2012 |
13,321 |
▲284 |
2013 |
13,107 |
▲214 |
※日販調べ 毎年3月
※店舗数は新刊書籍・雑誌の売場を持っている店舗のみ集計。
300坪以上の書店には10年間、廃業はない
各所から書店数の推移の数字が出ているが、取次が足で調べた数字が一番信頼がある。過去 10年間で 4,647店減少しているが新規店もあるので実際には1万店以上が廃業していると推測する。坪数別にみると 299坪以下に廃業が見られるが 300坪以上には 10年間廃業は無い。これはランチェスタ―勝者の戦略によるものと考える。
日本の町の中から中小書店が消えていく最大の原因は、生産年齢人口の減少と大手書店チェーンとの地域読者の共食いの結果。とはいえ、今、大手書店チェーンがアマゾンなどによるネット通販と電子書籍の進展によって顧客を奪われようとしているのは流通システムの進化と考える。
ただ、年々廃業店数は減っている。しかし、仮に消費増税が10%になった時にどう影響してくるかは分からない。出版不況は秋になると騒がれる。ただ、新刊書店を経由する出版物が売れなくなったので、騒いでいるだけで消費者は何も困ってはいない。
情報収集手段の多様化で消費者は新刊書店が全てではなくなったのである。消費者の出版物の選択肢は多岐にわたっている。
書店が減り続ける理由4つ
1、インターネットやスマホ、アイフォーンなどの普及
2、図書館・新古書店の利用拡大
3、消費者の時間とお金の使い方の変化
4、読者人口の減少 少子化と生産年齢人口の減少
以上が最大の原因と冷静に受けとめている。出版不況と言われる所以でもあろう。新刊出版物業界ではどうすることも出来ない。電子書籍と電子教科書の影響は未だ数十年先の話であり、このまま出版物の売上は減少し続けていくであろう。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏