新居 弘章 氏 書籍『顎位異常症 第二巻~脳外科医が体験した究極の咬合診療と線維筋痛症の正体』(MUSIC CAP TOKYO 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『顎位異常症 第二巻~脳外科医が体験した究極の咬合診療と線維筋痛症の正体』(新居 弘章 著、MUSIC CAP TOKYO 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・『線維筋痛症』とう病名をご存知でしょうか? 『体中の筋肉があちこち痛くなる原因不明の病気』といった程度の、非常に薄っぺらい知識しかありませんでした。
・『線維筋痛症』(中略)厚生労働省の調査によれば、日本では人口の約一・七パーセントに存在すると推計されています、つまり日本国内だけで、二〇〇万人もの患者がいるということです。
・線維筋痛症のガイドライン(中略)
この病気を扱う線維筋痛症学会が二〇〇九年の四月に発足したばかり
・発祥要因、つまりどんなことが発病の引き金になるか、ということについてです。ガイドラインによると、外因性の要因と内因性の要因の両方が、指摘されているようです。外因性の要因では、抜歯などの歯科処置や脊椎の手術・むちうち症などが、発祥の引き金になった患者さんも、数多くいらっしゃるのだそうです。内因性の要因では、経済的困窮や生活環境におけるストレスなどが、指摘されておりました。
・『線維筋痛症』に特徴的なことは、主症状であり診断基準でもある筋肉痛・関節痛などの『慢性疼痛』の症状以外にも、非常に多彩な随伴症状を呈することです。
・このようにほんのちょっと歯牙の形態を変えただけで激しく症状が変動するからには、原因は間違いなく歯にあるにちがいないと・・・ここにいたり、はじめて私は確信したのだでした。
・妻は奥歯を抜いてから筋肉痛が始まっており、奥歯を戻すことによって劇的に症状が改善しているのです。
・頭部の前後屈でも、側屈でも、回旋運動でも、頭蓋骨の頭位変換運動は、いずれも頸部の筋緊張のバランスの変化によって、実行されるものです。例えば上を向くという運動は、後頸部の筋肉が収縮し前頸部の筋肉の緊張が緩和することによって、実現される頸椎の運動なのです。
・下顎骨が何らかの原因によって本来あるべき正常な位置からずれて存在してしまった場合、頸部の筋肉のみならず全身の筋肉のバランスに、変化を生じさせる原因になり得るのではないかということです。
・ほんのわずかな下顎骨の位置の異常により、全身の筋肉のバランス障害が極端に進行した状態が、『線維筋痛症』の正体ではないかと考えれるわけです。
・筆者が『線維筋痛症』の真の病体は『顎位異常症』である
・『線維筋痛症』では、このように多様な症状が出現しうるのでしょうか・・・
私は、これらのたくさんの症状は、大きく三つに分類することができるのではないかと思います。
一つ目は筋肉のバランス障害による症状で、主症状である『慢性疼痛』も含みます。二つ目が自律神経系の異状による症状で、三つ目が精神症状です。
・胃腸の動きを制御しているのも自律神経で、副交感神経が優位に働いているときには、胃腸もよく動きます、逆に運動や興奮・緊張しているときには交感神経が優勢になり、胃腸の働きも悪くなるわけです。激しい運動をしながら食事をしたら・・・胃腸が動かないかた気持ちが悪くなって吐いてしまいます。それはこのような仕組みで、自律神経が大きく関与しているからなのです。
・耳鳴・難聴などの聴覚障害も、実は筋肉の硬直によって起こると考えることができるのです。
・『線維筋痛症』の病体に関する筆者の仮説
・歯科医には独自に発展させてきた歯学はあっても、一般的な医師と同等の医学的な知識は、持ち合わせていないのです。(中略)
このため今までの歯科診療が、『線維筋痛症』の発症の原因になることはあっても、発症した患者を治す・・・ということができずにいたのです。
●書籍『顎位異常症 第二巻~脳外科医が体験した究極の咬合診療と線維筋痛症の正体』より
新居 弘章 著
(株)MUSIC CAP TOKYO (2015年7月初版)
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