松岡 浩 氏 書籍『ゴキブリだんごの秘密~なぜ売れるのか、なぜ高収益か』(PHP研究所 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『ゴキブリだんごの秘密~なぜ売れるのか、なぜ高収益か』(松岡 浩 著、PHP研究所 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・ただ利潤を追求するのだけでなく、縁あって一つの場所に集まった人々が、助け合い磨き合って、人間としての向上を目指そうとする人生道場となっているところに、この会社のすぐれた特長があるのです。
(株)イエローハット 鍵山秀三郎
・ゴキブリは玉ねぎの臭いに強く引きつけられるということです。そこから生まれたのが、玉ねぎとホウ酸に混ぜてつくるゴキブリだんごです。
・サンプルを訪問先に置いてくるというものでした。「田舎のじいちゃん、ばあちゃん、こんなだんごをつくったんです。とにかく使ってみてください」と置いてくるのです。「買ってくれ」といえば慎重になる訪問先も、「タダで使ってください」といえば、まず断りません。(中略)
相手の知らない商品を説明するのは、下を向いたコップに水を注ぐようなものだと私は思っています。下を向いたコップに水を注いでも水をためることができないように、相手の知らない商品は、いくら効能を説明しても耳に入っていきません。大事なのは、まず、コップを上に向かせること、つまり興味をもってもらうことです。
・薬局でなく、燃料店さん、米屋さん、酒屋さんで売る(中略)
薬局を避けたのは、創業期の方針です。当時、薬局は「売れたら払う」という委託販売が中心で、商品を置いてもらっても、お金が入るとは限らなかったからです。
・ちょっとした仕掛け(中略)
きっかけは『朝日新聞』の「声」欄に、「新幹線、東京~大阪間。タダ乗りゴキブリ数百万匹」という記事が載ったことです。「これはチャンスだ」と思い、「新幹線のゴキブリぐらい簡単に退治できます。それは池田町のゴキブリだんごで大丈夫です」といった内容のものを商品宣伝と受けとらないよう、タニサケの名前は出さず商工会の指導員に投書してもらいました。(中略)
やがてJRから電話がかかってきました。(中略)新幹線の一車両にゴキブリキャップ四十個を置いてもらうことにして、合計で五百万円の売り上げとなりました。投書作戦の成功です。
・マスコミに紹介されると、商品の信用力も高まります。新聞の切り抜きを見せると、最初は疑いの目で見ていたお客様も、とたんに信用するようになります。
・取材では「社会正義」をアピール(中略)商品をアピールするだけでは、大きく取り上げてもらえない(中略)
「ゴキブリキャップという商品がゴキブリ退治によく効く」というのでは、おもしろくも何ともありません。そこで、こう説明しました。「池田町からゴキブリが消えました」
・「製造の公開」こそ最高の宣伝と信頼(中略)ゴキブリだんごの原料は、ホウ酸をはじめ簡単に手に入るものばかりです。(中略)ただ個人でゴキブリだんごをつくる場合、面倒なこともたしかです。玉ねぎで目が痛くなりますし、カラカラに乾くまで一週間から十日も天日干ししなければなりません。(中略)「買ったほうがいい」となるのです。
・ハガキの枚数と売り上げは比例する(中略)わが社では営業マンに、売り上げのノルマを課していません。それなのにハガキのノルマを課すのは、ハガキを出すことが最終的に売り上げに結びつくからです。(中略)一日三枚のハガキ
・教育者・東井義雄先生の「本物は続く・続けると本物になる」という言葉
・相手の心をつかむ文面(中略)社員によくいうのは「三感」を入れるということです。三感とは「感謝」「感心」「感動」の三つです。
・ちょっとした気遣い(中略)小冊子をお渡しするときに、必ず読みどころに付箋を貼っておくということです。これだけで小冊子は「命」が吹き込まれ、ひじょうに有用なものになります。
・名前を覚えるというのは一見地味な行為ですが、これでチャンスをつかんだ人は少なくありません。(中略)名前を覚えることは、直接仕事には関係ないかもしれませんが、誠意の表れであることは間違いありません。そこを人は見ていて、「こいつは信用できる」と評価してくれるのです。
・クルマで訪問するときは、駐車場のなかでも、玄関からできるだけ遠い場所に停めることにしています。あるいは出入りに不便だったり、駐車が大変な場所に停めます。間違っても玄関先など、便利な場所には駐車しません。(中略)
百回に一回が大きな信用を生みます。「こいつは、わが社にここまで気を遣っているのか」と
・天候や交通事情等で「今日は行けないのではないか」「とても時間を守れそうにない」と思ったときこそ、約束どおりに行くことです。(中略)大きな信頼を得ることができるのです。
・サンプルを送る約束をしたら、その場でメモし、訪問先の会社を出てすぐ携帯電話で会社に「明日までにサンプルを届けてほしい」と連絡します。これでお客様の手元には、翌日の午前中にサンプルが届きます。
・お客様の期待にはすぐ応える。それも予想を超えるスピードで応える。それがお客様の感動を呼び、信頼も生みます。
・最初からお金の話ばかりする相手とも、基本的には取引しません。(中略)こういう相手と無理に取引を始めても、まずいいことはありません。
・明るく、前向きな心でいる人のところへは、しぜんに人も寄ってくるものです。
・非凡を実現するために行っているのが、「改善提案制度」です。社内に「提案箱」を設け、浮かんだ改善案を「改善提案書」に書いて出してもらうというものです。(中略)
そして一行でも書いてあれば、提案料を払います。提案料は一件につき三百円です。(中略)さらに、採用された案には等級を付け、千八百円から二万円までの報酬金を支払っています。改善案だけで毎月四万円稼ぐ社員もいます。
・タニサケを見学に来られたお客様は一様に、社員の顔を見て驚かれます。どの社員もみなイキイキと、いい顔をしているというのです。これは社員がみな、仕事で実績を残しているからです。
・どんな案も絶対肯定
改善提案で大切なのは「やり続ける」ことです。(中略)社員は敏感です。せっかく出した案に「ちょっとこれは・・・・・・」と否定的な態度をされると、「まだ出そう」という気持ちが薄れます。出すにしても、おざなりなものになります。少々おかなし案でも、できるかぎりかなえる。
・管理部門はアウトソーシングに(中略)たとえば給与計算はすべて税理士さんにお任せいます。社員一人につき、八百円でやってもらっています。三十六人なら、二万八千八百円です。(中略)
目的は省力化ですから、人が減っていなければコストがかかるぶん、逆に損したことにもなります。
・「朝、新聞を読むと、三面記事には汚職とか強盗とか、じつに暗いニュースばかりです。それを読んでから出勤しては、気持ちまで暗くなる。せめて当社の社内報だけは、明るく楽しいものをつくろう」
・社内の雰囲気をよくする一環として「ありがとうカード」も発行しています。社内の誰かに親切にしてもらったとき、お礼の気持ちを込めてカードを贈るのです。(中略)
カードには、感謝する相手の名前のほど「いつ」「どこで」「何を」「感想」を書く欄が設けてあります。ただし、気軽に書けるようにするため、「感想」は書かなくてもよいことにしています。(中略)
工夫の一つに、書いた人の名前を相手に伝えないことがあげられます。これは「褒め返し」を避けるためです。(中略)「お礼に山田さんにもカードを出さなければ」となるかもしれません。(中略)
そこで、二枚重ねのうち、二枚めは名前が写らないようにしました。こちらを渡すことで、受け取ったほうは誰からもらったからわからず、お礼を心配せずにすみます。
・「いいとこ探しゲーム」でもあります。どんなところでもいいから相手の長所を探して書く。仕事でうれしかったことを書く。これを続けていると、会社の雰囲気がよくなります。(中略)発想が自己中心(ジコチュー)から他社中心に変わっていくのです。
・毎年四月は親孝行月間で「親孝行手当」を一万ずつ支給しています。
・いろいろな講演テープを探してきては、毎月一本、貸し出しています。これを聞いて、人生を少しでもよく生きるヒントを得てほしいと願っています。
・講演テープの感想(中略)「書かなくてもよい」と書くと、たいてい何か書きたくなるようです。
・人間も原木も生まれたときは無垢
・そんな人たちを動かすには、経営者自ら動くことが重要です。それも一緒に動くのではなく、社員以上に動く。そうして初めて、ついてきてきくれます。その実践として私が心掛けているのが、いちばん早い出社と、いちばん汚い場所であるトイレの掃除です。
・掃除の広さと人物の大きさは比例する
・「凡事徹底」(中略)平凡なことを徹底的にやり続けること
(株)イエローハット 鍵山秀三郎さんの言葉
・掃除には「やらされる掃除」と「やる掃除」があります。やらされる掃除は決まられた範囲をやっただけで終わりです。やる掃除は、それ以上の掃除をします。仕事でも同じです。やらされる仕事は、決められた以上のことはしません。
・「自分は一所懸命やっているのに、周りが認めてくれない」(中略)しかし「一所懸命」というのは、他人が認めてくれて初めて「一所懸命」になります。
・社内報(中略)
発行部数も社員三十六名に対し約三千部で、大半は社外の人にお配りするものです。社員数の百倍近くも社内報を発行する会社は、日本にはおそらくないでしょう。
・タニサケ塾
タニサケ塾は月に一回、日曜から月曜にかけて行っています。
※参考http://www.tanisake.co.jp/juku.html
・感動を与えたいとき、大切なのは「相手の予想を超える」ことです。(中略)「ここまでやるのか」(中略)と思わせて初めて、感動してもらうことができます。
●書籍『ゴキブリだんごの秘密~なぜ売れるのか、なぜ高収益か』より
松岡 浩 著
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