書籍『読書世論調査 2017年版』(毎日新聞社 調査、毎日新聞東京本社 広告局 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『読書世論調査 2017年版』(毎日新聞社 調査、毎日新聞東京本社 広告局 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・読書の目的は「教養」を得ることから、高度成長期には「娯楽」へと変わり、現代は実生活に役立つ「実務」志向へと変化したことがわかった。
・70回分の調査結果を分析すると、日本人の読書の目的が戦後、時代とともに変化してきたことが読み取れる。戦後間もなく「教養」だった読書の目的は、社会の成熟化に伴い、より楽しむための「娯楽」へと変わり、現代は実生活に役立つ「実務」へと変わってきた。
・2015年の芥川賞受賞作品「火花」(又吉直樹)は、(中略)著者は人気お笑い芸人で、テレビなどへの露出も多い。しかし、「読んだことはないが、書名だけは知っている」人が79%と、知名度は高い一方で、実際に「読んだ」人は10%。普段、書籍を「読まない」人で、「火花」を読んだことのある人は4%にとどまり、「読書好き」に支持が中心といえそうだ。
・読む本のジャンル(複数回答、数字は%、無回答は省略)
男性
趣味・スポーツ 50
日本の小説 40
歴史・地理 28
経済・産業・マネー 26
健康・医療・福祉 24
女性
暮らし・料理・育児 55
日本の小説 48
健康・医療・福祉 38
趣味・スポーツ 33
児童書・絵本 18
エッセー・詩・短歌・俳句 18
※数字の高いもの5つ目までを抜粋。高い順に並び替えた。
・どんな本を読みたいかを複数回答で尋ねると(中略)
内容の面白い本 男性 60
女性 61
内容のわかりやすい本 男性 39
女性 45
人気のある人が書いた本 男性 17
女性 21
・本を読みたくなる気分(数字は%、無回答は省略)
平穏な時 52
充実した時 14
不安な時 4
たのしい時 3
さびしい時 3
苦しい時 3
むなしい時 1
不満な時 1
その他 14
・本を読みたくなる気分 自由記述一覧(抜粋)
●気分
泣きたい時
きゅんきゅんした時
独りの世界に入りたい時
育児に疲れた時
仕事の後、疲れた時
現実から逃げたい時
仕事で落ち込んだ時や、どうしようもないくらい大変な時
何もかもが嫌になるとき、だれにも相談できずにいる時
知識が欲しい時
アドバイス的なものが欲しい時
向上心が沸き立つ時。その時の感情よりもっと自分が大きくなるために見聞を広めたいという気持ちが強くなった時
●時間
ヒマな時
忙しい時
通勤時の移動時間
昼食時
夜、就寝時
眠れない時
おトイレの時
病院で待っている時
旅行等の移動時間や旅先で
常に
毎日読んでいるからどんな時といわれても
●環境
気分に関わらず、雨が降っている時
秋になるとそんな感じになる
時々の社会事象が発生した時
・購入費
本は買わない 13
1000円未満 37
1000~2000円未満 27
2000~3000円未満 12
3000~4000円未満 4
4000~5000円未満 3
5000円以上 2
●第62回学校読書調査
・どんな本を読みたいと思うか(中略)
全校種共通で「内容のおもしろい本」「アニメやドラマ、映画の原作本」の2点が過半数で圧倒的だった。特に「内容のおもしろい本」は他の選択肢が進学するにしたがって割合を減らしていく中、6割以上を保っている。
「内容のおもしろい本」が支持される傾向について、全国学校図書館協議会の千葉尊子氏は「児童・生徒は、読書することに面白さ・楽しさを求めていることがうかがえる。日常読書の選書においては、娯楽的要素が強いのではないか」とみている。
●書籍『読書世論調査 2017年版~第70回読書世論調査 第62回学校読書調査』より
発行: 毎日新聞東京本社広告局 刊
発行年月:2017年4月初版
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