吉野 源三郎 氏 書籍『漫画 君たちはどう生きるか』(羽賀 翔一 イラスト、マガジンハウス 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『漫画 君たちはどう生きるか』(吉野 源三郎 著、羽賀 翔一 イラスト、マガジンハウス 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・「死んでしまいたい」と思うほど自分を責めるのは、君が正しい生き方を強く求めているからだ。人間ってものの、あるべき姿を信じているからだ。
・僕たち人間は、自分で自分を決定する力をもっている
・コペルニクスのコペル君
・コペルニクスの地動説を知っているね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人はみんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目で見たままに信じていた。(中略)
この説が唱えはじめられた当初、どうして、どうして、たいへんな騒ぎだった。教会の威張っている頃だっかたら、教会で教えていることをひっかりかえすこの学説は、危険思想と考えられて、この学説に味方する学者が牢屋に入れられたり、その書物が焼かれたり、さんざんな迫害を受けた。
・太陽が地球のまわりを回っているのではない
地球が太陽のまわりを回っているのだ・・・・・・!!
・君は自分が感じたことを心の中で言葉にできる(中略)なかなか立派だと思うぜ
・肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。
・世間には、他人の目に立派に見えるように、見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの目にどう映るかということを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。
・くりかえしていうけれど、君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。
・簡単にいってしまえば、いろいろな経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうと努めなさい
・「あたりまえのこと」っていうものが曲者で・・・・・・
ひとつのわかりきったことを
どこまでもどこまでも
追いかけて考えてゆくと
ものごとの大事な「根っこ」の部分にぶつかることがあるんだ
・君に考えてもらわなければならないのは、本当に人類の役に立ち、万人から尊敬させるだけの発見というものは、どんなものか、ということだ。
・君が生きてゆく上に必要な、いろいろな物をさぐってみると、みんな、そのために数知れないほどたくさんの人が働いていたことがわかる。それでいながら、その人たちは、君から見ると、全く見ず知らずの人ばかりだ。
・人間にが人間同士、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにはありはしない。そして、それが本当に人間らしい人間関係だ
・浦川君は学校でも家でも逃げない・・・・・・!!
どれだけむかい風が吹いたって
一歩一歩すすんでる
・君はある大きなものを日々生み出している(中略)それはなんだと思う?
・人間として、自尊心を傷つけられるほど厭な思いのすることはない。
・人間の本当の値打ちは、いうまでもなく、その人の着物や住居や食物にあるわけじゃない。どんな立派な着物を着、豪勢な邸に住んでみたところで、馬鹿な奴は馬鹿な奴、下等な人間は下等な人間で、人間としての値打ちがそのためにあがりはしないし、高潔な心をもち、立派な見識を持っている人なら、たとえ貧乏していたってやっぱり尊敬すべき偉い人だ。
・「ありがたい」という言葉によく気をつけてみたまえ。この言葉は、「感謝すべきことだ」とか、「お礼をいうだけの値打ちがある」とかという意味で使われているね。しかし、この言葉のもとの意味は、「そうあることがむずかしい」という意味だ。「めったにあることじゃあない」という意味だ。
自分が受けているしあわせが、めったにあることじゃあないと思えばこそ、われわれは、それに感謝する気持ちになる。
・食物とか衣服とか品物(中略)生み出してゆく人は、それを受け取る人々より、はるかに肝心な人なんだ。だから、君は生産する人と消費する人という、この区別の一点を、今後、決して見落とさないようにしてゆきたまえ。
・英雄とか偉人とかいわれている人々の中で、本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ。
もし暇があったら、君は『人類の進歩につくした人々』という本を読んでみたまえ。
※補足:おそらく以下の書籍
書籍『人類の進歩につくした人々』
山本 有三 著
日本少國民文庫
1937年初版
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・苦痛を感じ、それにとってからだの故障を知るというのは、からだが正常の状態にいないということを、苦痛が僕たちに知らせてくれるということだ。
・人間が本来、人間同士調和して生きてゆくべきものでないならば、どうして人間は自分たちの不調和を苦しいものと感じることができよう。お互いに愛し合い、お互いに好意をつくしあって生きてゆくべきものなのに、憎しみあったり、敵対しあったりしなければいられないから、人間はそのことを不幸に感じ、そのために苦しむのだ。
・人間である以上、誰だって自分の才能をのばし、その才能に応じて働いてゆけるのが本当なのに、そうでない場合があるから、人間はそれを苦しいと感じ、やりきれなく思うのだ。
・コペル君、自分が誤っていた場合にそれを男らしく認め、そのために苦しむということは、それこそ、天地の間で、ただ人間だけでできることなんだよ。
人間が、元来、何が正しいかを知り、それに基づいて自分の行動を自分で決定する力を持っているのでなかったら、自分のしてしまったことについて反省し、その誤りを悔いるということは、およそ無意味なことではないか。
・自分の過ちを認めることはつらい。しかし過ちをつらく感じるということの中に、人間の立派さもあるんだ。
・コペル君 いま君は、大きな苦しみを感じている
なぜそれほど苦しまなければならないのか
それはね コペル君
君が正しい道に向かおうとしていているからなんだ(中略)
きっと君は 自分を取り戻せる
僕たち人間は 自分で自分を決定する力をもっているのだから
・誰かのためっていう
小さな意志が
ひとつひとつつながって
僕たちの生きる世界は
動いている
●書籍『漫画 君たちはどう生きるか』より
吉野 源三郎 著
羽賀 翔一 イラスト
マガジンハウス (2017年8月初版)
※amazonで詳細を見る