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出版物販売額10年間の推移 2008年~2017年 寄稿:冬狐洞 隆也 氏
2017年の出版物販売額10年間の推移を紹介したい。
年 |
出版物 売上 |
前年比 |
書籍 |
前年比 |
雑誌 |
前年比 |
2008年 |
20,177 |
▲3.2 |
8,878 |
▲1.6 |
11,299 |
▲4.5 |
2009年 |
19,356 |
▲4.1 |
8,492 |
▲4.4 |
10,864 |
▲3.9 |
2010年 |
18,748 |
▲3.1 |
8,213 |
▲3.3 |
10,536 |
▲3.0 |
2011年 |
18,042 |
▲3.8 |
8,199 |
▲0.2 |
9,844 |
▲6.6 |
2012年 |
17,398 |
▲3.6 |
8,013 |
▲2.3 |
9,385 |
▲4.7 |
2013年 |
16,823 |
▲3.3 |
7,851 |
▲2.0 |
8,972 |
▲4.4 |
2014年 |
16,065 |
▲4.5 |
7,544 |
▲4.0 |
8,520 |
▲5.0 |
2015年 |
15,220 |
▲5.3 |
7,419 |
▲1.7 |
7,801 |
▲8.4 |
2016年 |
14,709 |
▲3.4 |
7,370 |
▲0.7 |
7,339 |
▲5.9 |
2017年 |
13,701 |
▲6.9 |
7,152 |
▲3.0 |
6,548 |
▲10.8 |
※単位億円
前年割れは13年連続で市場のピークの半分に縮む
2017年出版市場の売上が前年比6.9%減の1兆3701億円となった。前年割れは13年連続で市場のピークの半分に縮む。過去20年間、最大の落ち込みで2016年に比して1000億円のマイナス。この数字を見ると2018年には確実に1兆3000億円を割り込むと予想する。
これは目新しくもなんでもなく生産年齢人口の大幅な減少と年少人口の縮小によるもので、団塊の世代が後期高齢者になるまで続くと推測。出版社・取次・書店という流通システムが解体していきながら出版業界の成長は縮小が続くと見る。
出版社は取次・書店ルートで80%近く稼いでいるが、年々売上が下がると今以上に直販ルートを重視せざるを得ない。版元直販もアマゾン・楽天の通販も商品の質の問題が出てくるだろう。ウェブサイトに掲載しても読者が読みたいと思わなければ、商品は売れない。
今までは書店に頼んで陳列さえしてもらえればそこそこの売上は有ったが、通販ともなると読者の商品選択がシビアとなる。商品の見せ方の問題になるだろう。
電子出版の話はまた別に行うが、市場規模は2215億円でコミック・書籍・雑誌とも前年比も伸びが鈍化してきた。電子出版の内、コミックの占有率が77.2%となり書籍も雑誌も売上的にはそれ程の占有率ではない。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏