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河路 勝 著 氏 書籍『敬語の極意~この三原則が間違いを防ぐ』(祥伝社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『敬語の極意~この三原則が間違いを防ぐ』(河路 勝 著、祥伝社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・敬語を正しく使いこなしていくために、三つの柱を掲げました。一つは、尊敬語と謙譲語を的確に使い分ける、なかでも謙譲語をマスターする。一つは、その場にいない第三者についての敬語を正しく覚える。そして、過剰な敬語を使わずに、簡潔で好感を持たれる表現を磨く


・尊敬語には、次の三種類があります。

●尊敬語 〈相手の動作・状態について直接高める〉(中略)
●謙譲語 〈自分の動作・状態について低めた表現で、間接的に相手を高める〉(中略)
●丁寧語 〈相手を高めるために、より丁寧さを表わす〉


・たとえば、「私の方は何の異存もございません。どうぞ、そちら様のお好きなようなになさって結構です」という言い方では、「異存はない」と言いながら、突き放した冷たい感じがでています。丁寧さが、かえって嫌味になっているのです。


・「確かに承りました」この一言があるだけでも、充分に好感度の高い表現といえます。


・「おる」は「いる」の謙譲語ですから、自分の行為には使えても、相手の行為に使ってはいけません。この場合は「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使い


・尊敬語------自分の行為には使えない
謙譲語------相手の行為には使えない


・おいでになる
お見えになる
お出かけになる(中略)


「お○○になる」は、相手の動作・状態に使う尊敬表現です。『なるは尊敬』と覚えてください。


・「する」は謙譲表現(中略)

おたずねする
お渡しする
ご連絡する


・〔間違った使い方〕   〔正しい使い方〕

●お聞きしてください   お聞きになってください
             お聞きください


・「お○○する」は、自分の動作・状態を低めて表現することによって、結果として相手を高める謙譲表現であり、『するは謙譲』と覚えてください。


・「なる」は尊敬、「する」は謙譲


・よく電話で「○○さんは、おられるますか?」と言っているのを耳にします。いくら「られる」をつけているといっても、「おる」と言う言葉が本来謙譲語ですから、相手の行為に使うのは、やはり失礼というものです。ここは「いらっしゃいますか」といきたいところです。


・敬語の失敗は、謙譲語の誤用にある(中略)

相手の対して尊敬表現するつもりが、謙譲表現を使ってしまうケースが、誤用の典型的なパターンです。


・「持参」は、本来「持って参る」の意味ですから、自分の行為にだけ使える謙譲語です。


・過剰敬語を防ぐには
丁寧さも度を過ぎると逆効果


・過剰敬語には、いくつかのタイプがあります。代表的なのが「お(ご)」の使いすぎです。多くの人が、何にでも「お」をつければ美しい言い方になると錯覚しています。


・「あした、お休みします」は正しいか(中略)

相手に関係のない、自分だけに属する行為、事柄に「お」をつけるのは、間違った使い方です。


・「あした、お休みします」は正しいか(中略)

「休む」のは自分だけの行為ですから、これに「お」をつけると、自分の動作を尊敬表現してしまうことになります。(中略)「休みをいただきます」「休ませていただきます」がいい


・二重敬語に注意する(中略)

「ご新婦さま」------「新婦」自体がすでに敬語化されている言葉。社長や部長、先生と同じで、それに「さま」や「ご」をつけると、うるさくなる。


・知らずに使っている間違い敬語

▼『とんでもございません』は、とんでもない表現(中略)

「ない」は、否定の「ない」ではありません。「とんでもない」------これ自体が一つの言葉です。


・名乗らぬ相手にさわやか応対(中略)


会社の受付で「○○さんをお願いします」と言うと、すかさず「失礼ですがどちらさまですか」と問い返されます。(中略)


たとえば「管理部の○○をお訪ねですね、かしこまりました。たいへん失礼ですがお名前をお聞かせくださいませんか」としたらどうでしょう。


・敬語と言いますと、自分の上下を規定する、封建制の名残りのように思え、堅苦しい言葉遣いという印象を抱きがちです。しかし、私は、人間関係を円滑にするエッセンスと捉えています。


●書籍『敬語の極意~この三原則が間違いを防ぐ』より
河路 勝 著
祥伝社 (199212月初版)
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