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堀川 貴司 氏 書籍『書誌学入門~古典籍を見る・知る・読む』(勉誠出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『書誌学入門~古典籍を見る・知る・読む』(堀川 貴司 著、勉誠出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・書誌学の目的

以上述べてきたように、書物にはモノとしての価値と情報としての側面があること、制作の過程のみならず、その後どのように読まれてきたか、という享受の側面も重要であること、がおわかり頂けたと思います。


・装訂の歴史的変遷(巻子本、折本から粘葉装・列帖装へ、さらに袋綴へ)は、扱いやすさ(読むときの利便性)、丈夫さ、経済性などを追求した結果であり、結果的には江戸時代に入ってほとんどの袋綴(およびその類似形)になりますが、古い装訂にも捨てがたい利点や歴史的権威があるため、一部の書物ではそのまま使い続けられました。


・唐本の表紙は一般的に薄く、朝鮮本はそれより厚く、和本は更に厚いものが多いですが、ただし、厚くなったのは江戸前期からで、室町までの紙表紙は唐本とそれほど変わりません。


・*題詞(中略)

多くは編著者が、著名人や自分の師匠・先輩などに依頼して、その書物への賛辞となるような文言を揮毫してもらい(あるいは書家の代筆)、それを版下にして刷ったもの。現代の書物で言えば帯に書かれてる宣伝文句や推薦文のようなものでしょう。


・広告は、出版者がどのような意図でその書物を売ろうとしていたか、どういう特徴のある書物だと考えていたか、ということが端的にわかるので、宣伝文句も注意して読む必要があります。


・刊記とは文字通り、刊行についての記述です。詳しいものだと、いつ、どこで、誰が、何のために刊行したのかが文章で記してあり、この場合は刊語といいますが、通常は刊行の年月と刊行者の住所氏名の組み合わせです(どちらかのみの場合もあります)。


・三大書誌データベース

まずは、伝本と所在と大まかな書誌について知るためのものです。

*日本古典籍総合目録データベース 
参考:http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/(中略)

*国立国会図書館NDL-OPAC
参考:https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/(中略)

*全国漢籍データベース 
参考:http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/kanseki


・古典籍のついてより深く理解するためには、日本の書物の歴史とその特徴について知ることが大事です。


・すでに七世紀、中国・朝鮮に倣い、国史編纂事業のため、さまざまな資料が集められました。律令制の整備と共にこれらを管理あるいは書写し、国史編纂を行う図書寮が置かれます。その成果が『古事記』『風土記』『日本書紀』です。


・ 古活字版の技術を持っていた人々が多くキリシタンであり、その弾圧が激しくなると共に京都から姿を消し、自然と整版に移っていった、という説が最近提唱されました。


・矢島玄亮『徳川時代出版者出版物集覧』(正続二冊、萬葉堂書店、一九七六)


・長友 千代治『江戸時代の図書流通』(思文閣出版、二〇〇二)


●書籍『書誌学入門~古典籍を見る・知る・読む』より
堀川 貴司 (著)
出版社: 勉誠出版 (2010/4/4)
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