森永 宏喜 氏 書籍『全ての病気は「口の中」から!~歯が痛くなる前に絶対読む本』(さくら舎 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『全ての病気は「口の中」から!~歯が痛くなる前に絶対読む本』(森永 宏喜 著、さくら舎 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・歯の病気、とりわけ歯周病は「もの言わぬ病」といわれます。初期の段階では、自分で見てもわかりにくく、自覚症状もほとんどありません。
・歯周病は歯肉と歯と根の部分(歯根)の間にある歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまい、最終的に歯が抜けてしまう「歯肉と骨の感染症」です。
・歯周病は、今や成人の約8割がかかっているとされる「国民病」なのです。
・歯周病は自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくいと前に書きましたが、最もわかりやすい兆候は、歯ぐきからの出血です。歯を磨いたとき、食事のときなど、出血するようでしたら歯周病が現在進行形と考えられます。
その進行度合いを診るのに、歯周ポケットの深さがひとつの目安になります
・「健康」の後悔トップ20
①歯の定期検診を受ければよかった 283pt
②スポーツなどで体を鍛えればよかった 244pt
③日頃からよく歩けばよかった 234pt
・患者さんの口の中を見ると、どのくらいの年齢で歯を喪失したか、その原因は虫歯なのか、歯周病なのか、そして、これまでどんな治療を受けてきたのか……歯科医は、たくさんの情報を得ることができます。(中略)
さらに、たとえば上顎前歯に虫歯が多数できていたら、この人は清涼飲料水など甘いドリンク類を好んで飲む傾向があるようだ……など、虫歯の位置によって、食べ物や飲み物の嗜好についての簡単な推察も可能です。
・あらゆる病気は口から侵入します! (中略)
口腔粘膜の特徴は、表面を粘液(唾液)でカバーされていること。そこが、乾燥している皮膚とは決定的に違うところです。このネバネバの粘液が、病原体をブロックする働きをしているのです。
この粘液がきちんと分泌されているかどうかで、病原体を防ぐ力が強くも弱くもなります。
・歯がよいと医療費がかからない(中略)
残存歯数と医科医療費の関係について同歯科医師会が調査したところ、残存歯数が20本以上ある人の年間医科医療費が35万5688円だったのに対し、4本以下の人は60万8740円と1.・7倍になることがわかりました。
そして、もう1つは、北海道国民健康保険団体連合会よる調査です。2007年の調査ということですが、20本以上歯が残っている70歳以上の高齢者は、4本以下の人に比べて、全身の病気に関係した診療費が37%も少ないという結果が出ています。
・特に、内臓脂肪型肥満は、歯周病と強く関連しているという報告があります。
・つまり、口腔の環境が悪化すると、腸内細菌のバランスが乱れ、腸内環境も悪くなるということになります。この腸内細菌は、ある種類のリンパ球の発達にかかわっているため、腸内環境が悪化すると、免疫機能の調節が難しくなります。
・順天堂大学の天野淳教授です。(中略)
天野先生は「口腔内の細菌は血管内に侵入しやすい」ということを、「医学の教科書には書かれていません。7200例以上の心臓手術をしてきた外科医の実感であり発見」だと書かれているのです。
・口の中が乾燥するとカビの一種をカンジタ菌(真菌)が増加しやすく、口腔カンジタ症を起こすことが多くありますが、それは味覚障害や粘膜炎を引き起こす原因になります。
・「食後高血糖」は糖尿病のサインです
糖代謝がスムーズにいかなくなると「食後高血糖」が見られるようになります。これは、糖尿病の初期症状のサインなので注意が必要です。
・100兆個、1000種類、1・5キロ……一体、何の数字だと思いますか。これは、私たちの腸内にいる細菌の多さを表しています。こんな膨大な数、種類、重さの細菌がお腹の中にいると思うと、ちょっと妙な気がしますね。
・人の体は37兆個の細胞からできているともいわれますが、この細胞のモトになっているのがタンパク質などの分子(栄養)で、これが体内に十分存在し、正しく働いているのか健康な状態です。一方、病気の状態では、分子が不足したり、正しく働いていなかったりしていることになります。
・市販のサプリメントの多くはその基準に従っています。つまり製造工程での加熱などで栄養が失われても、それを表示する義務はありません。つまり、表示されている栄養素が本当に含まれているとは限らないのです。
一方、メディカルサプリメントは医薬品製造の基準である「医薬品GMP」と同等の基準に従って、でき上がった製品に含まれる栄養素を表示しています。
・健康長寿は歯の病気の予防から(中略)
予防こそ歯の健康を守る最高の対策なのです。(中略)
特に、寝る前の歯のケアは欠かさないようにしましょう。口の中の細菌は、唾液の分泌が減る就寝中に盛んに活動します。菌のエサになる食べカスや菌の棲家である歯垢は、就寝前にしっかり除いておきましょう。
また、デンタルフロス(歯と歯の間の歯垢を除去する糸状の清掃用具)を使うことをお勧めです。
・健康長寿は歯の病気の予防から(中略)
5611人の高齢者を平均9年間にわたって調査した結果ですが、これによれば、就寝前に歯磨きをする人に比べ、全くしない人は20~35%の死亡リスクが上昇したといいます。また、デンタルフロスを毎日使う人と比べて、全く使わない人は30%の死亡率が高くなったそうです。
さらに、2~3か月に一度歯科を受診する人と比較して、全く受信しない人は30~50%も死亡リスクが高くなったということです。
・歯のすり減りは、歯ぎしりが原因のことが多く、それはストレス、遺伝、喫煙、飲酒そのほかさまざまなことが引き金になって起こるといわれますが、私たち栄養療法に取り組む歯科医師の間では、「夜間低血糖によるホルモン分泌障害」の可能性も考えられています。
・歯周病(中略)薬物療法には、薬を飲んで効果を発揮させる内服療法と、口の中の患部に直接作用させる局所療法の2つがあります。(中略)
この弱点を解消したのが、鶴見大学歯学部の花田信弘教授の3DSトレーを使った除菌法です。3DSとは“Dental Drug Delivery System”のことで、直訳すれば「歯に薬を直接届ける治療システム」とでもいいましょうか。(中略)
この除菌法は、基本は1回10分、1日2回ほど行えばよく、患者さんにとっても長時間拘束されることもなく、メリットの多い除菌法だと思われます。
・就寝前の歯磨き、デンタルフロス、定期受診を! (中略)そのポイントは3つ。
・厚労省と日本歯科医師会は「8020運動」に加えて、「オーラル・フレイルの予防」という新たな考え方を示しています。
オーラル・フレイル、つまり歯科口腔機能の低下はサルコペニア(加齢性筋肉減弱症)などの前兆とも考えられ、これを予防することは、全身の健康につながるというものです。
●書籍『全ての病気は「口の中」から!~歯が痛くなる前に絶対読む本』より
森永 宏喜 (著)
出版社: さくら舎 (2016年9月初版)
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