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井上 眞一 氏 書籍『日本最高峰のバスケ学~桜花流・上達論』(三上 太 構成、東邦出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『日本最高峰のバスケ学~桜花流・上達論』(井上 眞一 著、三上 太 構成、東邦出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・高校バスケット界で日本一を60回以上勝ち取ったコーチ


・私にとってネクタイは、家畜を鎖につなぐための首輪であり、心身の自由を奪うものに思えた。あんな窮屈なものをなぜしなければならないのか。私は今でもネクタイが嫌いだ。


・1度買ったら勝ち続けたいと思うのが勝者のメンタリティー。私はとくにその思いが強いのか、勝ち続けるにはどうしたらいいか、そんなことばかりを考えていた。


・子どもたちを、子どもだからという理由だけで軽く扱かったり、甘く扱かったりすることもない。ある意味でつねに人間と人間として向き合っている。選手の意見でも「なるほど」と思えば取り入れるし、ミニバスケットの指導者でも「おっ⁉︎」と思う練習メニューがあればすぐに取り入れてみる。これは昔から変わらない。


・私は“うまさ“よりも“強さ“を求める。うまさは強さによって開発されるからだ。


・バスケットは「運動」なのである。口だけで「わかった」というのを私は信用をしない。実際にコートでやらせてみないと納得がいかないのである。実際にやって、納得して、それからミーティングとなる。


・とにかく夜、ぐっすり眠るということは、選手にとってもコーチにとっても試合前の最も重要な仕事のひとつだと考えている。


・やったこともない指示は選手には通用しない。私は、勝敗の8割は直前の練習で決まると思っている。


・シーズンオフがないために選手はじっくりと身体をつくれない。この点が高校バスケットの大きな問題点である。これが解消されれば、日本のバスケット界全体がさらにレベルアップし、パワーアップにつながっていくと思う


・昭和学院は高校女子バスケット界の名門である。当時は全国ナンバーワンであり、常時優勝候補の筆頭であった。


・勝ちがはっきりと見えるところまでメンバーを落としてはいけない


・このリードを守りたいという思いが強くなり、コーチも守りに入る。守りに入ると今までの無心が影を潜め、思いきった攻撃をためらうようになる。ためらい始めると、相手は攻め立ててくる。そうして勝てる試合に勝てなくなるのだ。いわば、勝ちを意識する心が「邪神」である。


・最後に、1点勝てばいい。目標を「どう勝つか」という小ざかしいことではなく、「最後に勝つ」に切り替えたのである。「シンプル」は「虚心坦懐」にも通じるが「運」はそこから開かれるものではないだろうか。


・なにかを得ようとすれば、何かを失う。これは生きていくうえでの原理でもある。得ようとするものが大きければ大きいほど、制約し切り捨てていかなければならないものもまた大きい。


・バスケットはいい選手がたくさんいれば勝てるというものではない。組織的な練習を通じたチームづくりが大切であり、戦うシステムができていないと一人ひとりの技量も発揮できない。チームづくりという全体作業はむしろ、技量の高い選手が多いほど難しいのではないかと思うほどだ。


・誰であっても人間と人間が接する時はフィフティー・フィフティーであるべきだ。


・私は負けた直後にミーティングをしない。悔いや罪悪感がいっそう強くなってマイナスの効果しか出ないからである。早くひとりになったほうがいい。ひとりになれば、自分に向き合うしかないから立ち直るのも意外と早い。


・情報収集と創意工夫、これに尽きる。


・スポーツの世界では頭でわかって身体でできるようになることを「覚える」と言うのである。より確実に教えるには、すべてのことが体系的につながっていると理解させなければならない。


・コーチングは人間が人間を教えるわけで、基本的に3つの条件を満たしていないとうまくいかないと思う。その条件とは、「教える事柄そのものが好き」「教えること(行為)が好き」「教える相手が好き」の3つである。


・いい選手になる条件(中略)

人のプレイを見て盗み、人の注意を自分の注意として聞ける選手もまた、いい選手である。


・理論的にわかっている選手が教えた子のグループは、できるようになるのは早い。このようなコーチングのロールプレイングをさせると、教わることより教えることのほうが難しいとわかってくる。理論的にわかっていないと、教えることができない。教えられないのは十分理解していないからだともわかる。


・スポーツ選手としてトップレベルを目指すのであれば、ケガは必ず専門のスポーツドクターに診察・治療してもらったほうがいい。


・何事をもプライマリケア(初期治療)が大切である。心の問題や人間関係のトラブルもそうであるが、最初のケアでその後が決まると言っても過言ではない。


・日本のスポーツ界は栄養学の大切さに気付くのがかなり遅かった。これからは食事・栄養も日々のトレーニングと同じように重要なルーティンワークと考えるべきだ。


・ホテルの朝食はバランスがよいので助かる。昼は果汁100パーセントのジュース、バナナ、おにぎりなどを調達する。消化がよくて、すぐ力になるものでないと試合中の疲労を招く恐れがあるからだ。


・牛乳は完全栄養食のようにいわれているが、乳糖不耐症で牛乳の合わない子もいる。また試合前の神経が過敏になっているときは、普段牛乳がなんともない子であっても調子を崩したりするので、試合前は避けたほうがよいと思っている。


・「自分らしさ」とは、その人の能力や個性を最大限に生かすことである。ない能力を駆使するより、ある能力を活用する方が生産性は上がるし、人も幸せになる。


・子どもにこそ理論が必要(中略)

根本的な問題は、中学校の段階でバスケットを理論的に教わっていないことにあると思う。プレイヤーとして議論を教わることは身体が伴わないといけない。頭と身体に同時に理論を教え込むのである。頭だけでわかっていても、とっさの場面で身体は反応しない。見よう見まねでできても、理論を伴っていなければ、できるのはその局面だけで、ほかの局面では対応できない。


・負けには負けの意味があり、価値もある。「天才バカボン」のパパではないが、「これでいいのだ」


・弱いところにつけ入るのがいじめである。いじめを発展させないためには、最初に反撃することだ。そうすれば、あとはない。いじめっ子に同調する子も、いじめに甘んじる子も、ひとりになるのが怖くて迎合するのである。


・あのな、チーム(TEAM)ていうのはTogether,Everybody,Achievement,Moreでチームなんだ。つまり、みんなで心をひとつにしてこそさらに上へ行けるということなんだぞ。チームは運命共同体なんだ


・ 3年生になると自分のことだけではなくチーム全体のことを考えるようになるが、それは選手間に生まれる先人としての自覚でもある。


・自分ひとりではできないことを協力し、補い合ってやり遂げる。そんな場面が多ければ多いほど、素晴らしいチームであり、素晴らしい学校であり、素晴らしい社会なのだろう。


・学問は人の心を大きく豊かにする


・それこそが桜花学園を63回の全国制覇(2018年9月現在)に導いた最大の要因だと思うが、井上コーチはつねに前進し続けている。


・著者紹介
井上 眞一(いのうえ・しんいち)(中略)

桜花学園高校(当時は名古屋短期大学附属高校)のコーチに就任、同年のインターハイでいきなり優勝を果たす。これまでチームを、インターハイ23回、国体19回、ウィンターカップ(春の選抜大会含む) 21回、計63回の全国優勝に導く(2018年9月現在)。


●書籍『日本最高峰のバスケ学~桜花流・上達論』より
井上 眞一 (著)
三上 太 (構成)
出版社: 東邦出版 (2018年9月初版)
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