野口 悠紀雄 氏 書籍『話すだけで書ける究極の文章法~人工知能が助けてくれる!』(講談社 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『話すだけで書ける究極の文章法~人工知能が助けてくれる!』(野口 悠紀雄 著、講談社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・人工知能技術の多くは、軍や大企業が使うものです。しかし、中には、普通の人が日常生活でごく簡単に使えるものもあります。その代表例が音声認識機能なのです。
・文章を書くことが仕事の中で重要な位置を占めている人の場合、この技術によって、仕事の進め方に革命的な変化が生じるでしょう(私自身がその例です)。
・文章を書く作業が非常に「楽になる」ことが分かりました。
・スマートフォン操作のほとんどの面において、キーボード入力よりは音声入力のほうが簡単で便利になっています。
・作家の創作ノートというものがあります。多くの作家も、メモから原稿の執筆を始めたのでしょう。文章は、通常はメモから出発し、メモを積み上げてゆくことによって書き進めます
・レオナルドの鏡面文字メモ
レオナルド・ダ・ヴィンチのメモは、「鏡面文字」(左右が逆転した文字。鏡に映してはじめて読める)で書かれていました。彼が左利きだったためこうなったと言われていますが、実際には両手を使って文字を左右に非常に速いスピードで書いたとも言われています。
・簡単に使えるメモのシステムとしては、つぎのようなものがあります。
1.スマートフォンにデフォルトでついているメモ帳を利用する
2.Googleドキュメントを用いる
3.Gmailを用いる
4.スケジュール表のメモ欄を利用する
・メモシステムに要求される特性としては、つぎのことがあります。
a.メモ記入画面を簡単に開けること。
b.つねに最新版に同期されていること。
c.後から目的のメモを安易に見つけだせること。
・メモを取る目的としては、つぎのものがあります。
(1)アイディアメモ
(2)文章の作成
(3)備忘録としてのメモ
(4)作業メモ
(5)メールの下書き
(6)日記
(7)ToDoメモ
・ニュートンは、「なぜリンゴが地上に落ちるか?」と疑問に思ったのではなく、「リンゴが落ちるのに、月が落ちないのはなぜか?」と考えたのです。実は、月も地球に向かって落ち続けています
・ ロダンの彫像「考える人」は、下を見ているのですが、本当に考えているのでしょうか? 私は、つねづね疑問に思っています。ただ思いあぐねているようにしか、私には思えないのです。
・音声入力機能を使うと、頭の中にある漠然とした考えを、目に見える形にできます。それによって、頭の状態を「診断」することができます。これは、プレゼンテーションの能力を向上させるのに、大変役立ちます。
・考えを表現することをいつも求められている
とくに組織の中で働くことになれば、この類いの能力はきわめて重要です。しかもあなたは、考えを表現することをいつも求められています。
・明日プレゼンテーションがあるなら、音声入力でメモを作ろう(中略)
これは、忘れないためのメモ(備忘メモ)ではありません(もちろんその役割も果たしますが)。それより重要なのは、考えていることを目に見える形で表すことにより、それが説明的なものかどうかを判断できることです。
・私は週に3本の連載原稿を書いています。その作業をどのように行っているのか? 舞台裏を以下に紹介します(中略)
テーマを決め、思いついたことをiPhoneに音声入力します。この作業を私はGoogleドキュメントを用いて行なっています。
・テキストエディタを用いるのは、次のような利点があるからです。
(1)画面の背景を暗い色にして、文字を明るい色にすることができる。そうすると長時間画面を見ていても、あまり疲れません。
(2)文字数を正確にカウントできる。(中略)
(3)文中の任意の箇所へのジャンプが必要とされることもあります。長い文章を編集する際にはこの操作を頻繁に行いますが、このためにもテキストエディタが必要です。
(4)テキストエディタを用いると、複数のファイルを高速で検索するgrew機能が使えます。
・文章作成で難しいのはスタートすること(中略)
文章を書く際に最も困難なのは、「書き始める」ことです。そして、その過程を音声入力によって終了するのです。
・テーマをどのようにして見つけるか
本当はあってはならない問いだ……(中略)
この問いは、本来はあってはならないものです。なぜなら、文章とは、書きたくてたまらない内容がまず最初にあり、それを他者に伝える手段だからです。つまり、どうしても人に伝えたい内容がまずあり、すでに存在しているはずなのです。
・なお、私は、テレビのニュースを見ていません。右の目的のためには非効率的な手段だと考えているからです。(中略)
世の中の大多数の人の要求に合うように情報を押し出してくるのであって、私の要請に応えてくれるわけではありません。
・ここで重要なのは、「どのような角度から取り上げるか」です。テーマは同じであっても、取り上げ方が違えば、論述は斬新なものになるでしょう。
・雑誌連載記事ができるまで
① iPhone
最初のメモiPhoneのGoogleドキュメントに音声入力
② iPad
iPadでGoogleドキュメント編集
③iPhone
追加メモをiPhoneに音声入力
④PC
PCでテキストエディタを用いて編集
⑤紙
紙にプリントアウトして編集
⑥雑誌紙面
・頭の中にあったあまり整理されていないさまざまな考えを、そのまま並べていくだけでは、まとまった主張になりません。自分が最も主張したいのはどれかをはっきりさせ不要なものは捨てる。そして、主要な論点を補強するための材料を揃えることが必要です。
・文章を書く要点は、どれだけ捨てるかだ
・編集作業が図表4-1の④まで進んだ段階で発生しうる最も恐ろしい事故は、私が「ドッペンゲンガ・シンドローム」と呼んでいるものです。これは「正本が複数できてしまう」という事故です
・音声入力によって、これまでとは桁違いのスピードで文章を書けるようになりました。しかし、速さより重要なのは、文章を書く作業が格段に楽になったことです。
・ディジタル手帳であるからこそできることは、いくつもあります。
●目的の番地を入力しておけば、地図が自動的に表示されます。
●電話番号、メールアドレス、URLなどを入力しておけば、そのまま使えます。
●定例会議や講義のスケジュールなど、定期的に繰り返すスケジュールの入力が簡単にできます。
●予定を事前に知らせてくれます
・人工知能とは、自動学習能力を持つコンピューターである
・ iPhoneの音声認識機能であるSiriは、もともとは米国防総省のプロジェクトとして開発されたものです。
・ 45年頃に「シンギュラリティ」という現象が生じ、人工知能が人間のコントロールを超えてしまうというのです
・人工知能によって代替される職業(中略)
例えば自動運転が可能になれば、自動車メーカーだけでなく、タクシー業界や運送業界に根本的な影響もたらします。タクシーの運転手やトラックの運転手が不要になってしまうからです。
・漢字が書けなくても読めれば良い(中略)
私は、「漢字を書くことに、それほどこだわる必要はない」と考えています。(中略)
PCの普及に伴って、だいぶ前から「読めれば良い」状態になっているにもかかわらず、漢字を制限しているのは、時代錯誤です。
・音声入力は、コンピューターの「パタン認識技術」が進歩したために利用可能になってきた機能です。これは、「ディープ・ラーニング(機械学習)」という手法によって人工知能の能力を向上していることによります。
●書籍『話すだけで書ける究極の文章法~人工知能が助けてくれる!』より
野口 悠紀雄 (著)
出版社: 講談社 (2016年5月初版)
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