立川 談四楼 氏 書籍『声に出して笑える日本語』(光文社 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『声に出して笑える日本語』(立川 談四楼 著、光文社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・映画関係者から聞いた話。某お嬢様女優は「曲者(くせもの)」を「マガリモノ」と読んだという。
・王監督の現役時代、ハンク・アーロンを抜く756号という記録を作った時の解説者がスゴかった。「これは立派なカネジトウです、大変なカネジトウです、世界一のカネジトウです」と、カネジトウの三連発であったのだ。(中略)
「金字塔」という漢字が浮かんだのだった。
・韓国のベスト4は立派なもの。ブラジルにハングリー精神があり、韓国にはハングル精神があった
・東京キー局の某女子アナが、関東近県への一泊旅行を何パターンか紹介した。さてエンディング、彼女がこう締めくくり、騒ぎに火がついた。
「週末はカップルでご夫婦で、ぜひ一発旅行をお楽しみ下さい」
・大蔵省印刷局(元国立印刷局」というところが印刷するというのだが、その中に誤植があったという話です。(中略)
あとがきにあった(中略)
「ーーーお礼を申し上げます」とすべきところが、「お札を申し上げます」となっていたのだ。版元が大蔵省(元財務省)だけに妙におかしい。造幣局だったらもっとウケるのだが……。
・「先立つ不幸」とも何度も書きました。もちろん「不孝」が正しいのですが、あら不思議、これが編集者や校正者をすり抜けて何度も活字になってしまったのです。
・「汚名挽回」と言う人も多い。汚名を取り返してどうするんだよとツッコミを入れたくなるが、かなりの人が言っちゃってますね、そうと気づく前の私のように。(中略)
汚名はやはり返上するものでしょう。
・「ふつつかな娘ですが」と言うべきところを、「ふしだらな娘ですが」とやって、家族から突き上げを食らった人もいる。
・早朝のTBS、女子アナのKさんが「ユイユイしい事態です」とおっしゃった。どうも由々しい事態と言いたかったらしい。
・ガッツ石松さんは油断がならない。(中略)
あなたの座右の銘は? という質問に対する答えが振るっていた。ガッツさんはすかさず「イッテンゴ」と答え(中略)
どうもガッツさん、「座右の銘」と「左右の目」を聞き間違えたらしい。
・落語界には、ダジャレを先輩に仕掛けてはならないという不文律がある。しかしそこは人情、浮かんだダジャレをどうしても言いたくて抑えのきかないこともある。雪の日に師匠が転んだのを見て、ユキダオレと言った弟子はクビになりかけたという。
・飲む、打つ、買う。これを俗に男の三道楽とい言います。(中略)
飲むは酒、打つは博打、買うは吉原を指すわけですが、道楽はだいたい若い時分に限るもの。しかし現代においては歳をとっても飲む、打つ、買うは続くそうですね。つまり薬を飲み、鍼を打ち、年金で宝くじを買うという……。
・「堀進(ほりすすむ)」という名の教師がいて、生徒がつけた渾名は「モグラ」だったという。上手い。
・「御長寿早押しクイズ」を見ていたら、「出世魚のハマチは大きくなったら何になる?」という問いが出て、某老人が「刺身」と大きな声で答えた。正解にしてやればいいのに。
・こだまにもひかりにも乗り遅れたらさァ、まだのぞみがあるだって
・後年、落語を聴くようになり、驚いた。落語では「先に生まれた」「先ず生きてる」に加え、「先に生えた」というオチがつくのだ。
●書籍『声に出して笑える日本語』より
立川 談四楼 (著)
出版社: 光文社 (2009年4月初版)
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