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石井 彦澄 氏 書籍『限りなき「出版統計」の道を求めて~出版科研の舞台裏』(三笠書房 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『限りなき「出版統計」の道を求めて~出版科研の舞台裏』(石井 彦澄 著、三笠書房 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・出版科学研究所は昭和三十一年の二月に、東販の五ヶ年計画の一環として設立されました。その趣旨は出版物をより広く普及させるために出版物の科学的な調査を行い、その資料を関係業界に提供して、出版業界全体の向上発展に寄与することでありました。


・東販の創立二十周年に当たりましたが、社団法人全国出版協会と話し合いの上、この機会に出版科学研究所の事業を全国出版協会に移管することにいたしました。このことは、出版科学研究所の性格からして一企業である東販がその運営に当るよりは全国出版協会の事業とした方がより適当であるとの判断からではあります。


・過去においても筑摩書房のマーク・ゲイン『ニッポン日記』(昭和二十六年・B6判上下(各二〇〇円)がベストセラーになり、売れに売れた時期があったが、最後の重版が失敗だったという話もあって、ベストセラーの打ち切り時期というか、重版姿勢の見きわめが重要なポイントであることを物語っている。


・ 日配なき後に作られた幾つかの新会社創立に際しても、この二つの出版協会ーーー全国出版協会と日本出版協会の対抗が底流をなしていたので、大同団結して会社を作る案などは、もともと成立の可能性に薄いものであることは、心ある者の予め察知するところであった。


・五六年の出版界はきわめて不振な状態を示し、販売額の伸び率も戦後最低の状況で、書籍が二・一%増、月刊誌二・五%増、週刊誌が横這いで、総合では前年比がわずか一・九%の伸びでしかなかった。


・得てしてサラリーマンは理屈屋が多くて実践派が少ないと言われているが、口と手が合致する人は甚だ少ないようだ。


・ベストセラー図書(中略)

文庫類を含めていないが、その理由としてかなりロング性の強いものであるため、累積すると膨大な部数になることから除いたようである(聖書や辞書類も同様)。


・出版科研の事業内容は、次の三項目である。

①調査資料の刊行。毎月の発行点数・発行部数・実売部数・平均定価などの出版データをまとめた『出版月報』、毎月の主要出版関係記事項目を収めた『ニュースの索引』、『出版月報』を基に出版データを多角的にまとめた『出版指標・年報』を定期刊行する。時宣に応じて、ジャンル別・テーマ別の出版情報を収めた『解説シリーズ』や、講演会の内容を収録した小冊子も刊行する。

②講演会・教養講座の開催。何回か東販大ホールで出版関係者・出版研究者・他業界関係者を講師に、講演会や講座を開催する。

③レファレンス。出版社、書店、報道関係、図書館、一般読者からの出版情報・資料について問い合わせに応じる。


・取次を通らない出版物は、把握が難しく、ごく一部を除くとデータには入っていない。あくまでも取次ルートを主体とした統計なのである。


・“書籍の返品率を高めている要因“として、


1、外部的要因=自店の意思と関係なく送品されるもの

イ、自店の販売能力以上の送本(量的過剰)
ロ、自店にむかない送本(質的不適合)
ハ、過大な長期委託・延勘の一方的送本
ニ、重版のタイミングのズレ(時期はずれの送本)


2、内部的要因=書店自身の仕入・販売上の問題

イ、自主仕入体制の欠如
ロ、商品群構成が顧客にあっていない
ハ、単品管理の不備
ニ、過大な新刊書の事前発注、追加発注
オ、仕入窓口が一本化されていない、担当者間の連絡不足
ヘ、版元との馴れ合い仕入
ト、版元・取次企画ものの取り過ぎ
チ、安易なフェアの実施
リ、常備寄託、長期委託、延勘の過大申し込み
ヌ、複数取次からの重複仕入
ル、定期刊行物の定期改正の不徹底
オ、平台陳列の積み過ぎ
ワ、在庫の過大


・戦後のベストセラーズ(昭和21〜60年)


●書籍『限りなき「出版統計」の道を求めて~出版科研の舞台裏』より
石井 彦澄 (著)
出版社: 三笠書房 (1986年11月初版)
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