成毛 眞 氏 書籍『金のなる人~お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方』(ポプラ社 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『金のなる人~お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方』(成毛 眞 著、ポプラ社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・今も同窓会にはあまり足を運ばないが、行ったとしても、二次会には絶対に行かないと決めている。お酒がまわって、お金のことで絡まれたり、妬まれたりするのが面倒だからだ。付き合う友人は、数を絞ったほうがいいと思うくらいである。
・一番好きな食べ物は? と聞かれたら、冗談抜きに「レバニラ炒め」と答える。町中華を愛しているのだ。
・投資とは必ずしも金融機関経由の商品だけではない。自分や友人に金銭だけでなく経験という投資をすることも投資なのだ。そして知識などは自分に投資しながら得る時代である。
・私はインスパイアで投資事業をやってきたので、どんなビジネスに投資するのか、その基準は何かと、投資ポリシーについて聞かれたことがある。
自分自身の感覚としては、決して「逆張り」をしているわけではないし、お金の匂いを確実に嗅ぎ分けているというのも異なる。
それよりも、長い目で見て、投資先に自分が手をかけると伸びる、IPO (新規公開株式)まで持っていけるなというイメージが持てるかどうかで判断している。
・今すぐ稼ぎたい、明日儲けたい、などと思っていても、お金は生まれないし、そのお金に上手く働いてもらうことはできないし、どんどんと増えていくことは無い。
・「将来が不安だから少しでも多く稼ぎたい」とか「一生かかっても使い切れないほどのお金が欲しい」とか思っているならば、それは子供じみたほど臆病か、愚かしいほどの強欲だ。
・まず考えるべきなのはゴールなのだ。今後の人生でいくら稼ぐ必要があるのか。満足のいく暮らしにいくらの資産が必要なのか。そのゴールの感覚がなければ、いざ資産を作ろうという段になって、お金を増やすことにも、守ることにも失敗する。
・シンプルだが大事なのは、お金を無駄に減らさないことだ。
・ラグジュアリーブランドの服や鞄を持つのも、ステータスのためというならやめたほうがいい。自分以外の人間の価値観に踊らされて、むやみやたらと支出していては、資産はいつまでたっても増えない。
・いわゆる「高級店」に自分では行かないのだが、例外的に赤坂にある某小料理店には、もう何十年も通っている。それには理由がある。(中略)
つまり、普段とは異なる人々との出会いがあることを、その店に通う付加価値として見いだしているわけだ。
・お金の使い方が「面白い人」から学ぶ(中略)
派手な使い方という点では、ビル・ゲイツは本当に突き抜けていた。普段はまったく浪費家の印象がない彼だったが、ここぞというときはスケールの違う使い方をしていたのだ。
象徴的だったのが結婚式だ。彼の結婚式は1月1日にハワイのラナイ島で行われた。島にある二つのホテル全室押さえ、ヘリコプターとフェリーもすべてチャーターした。また、島民4000人以上を結婚式のために雇用し、海岸を警備させた。当日はゲストだけを迎え、マスコミを寄せ付けないためだった。ちなみに、マイクロソフト共同創業者のポール・レンは戦闘機で行ったそうだ。
・もし、あなたが「お金持ちになりたい」と思うのであれば、お金に対して距離感をもって接することだ。
・何といっても面白いのはベンチャー投資だ。投資会社のインスパイアを創業して20年ほど経つが、その間、10年以下の短期投資をしたことがない。長期投資しかしない
・「稼ぐ人」の思考法
いつのまに稼いでいたという感覚
・資産を作る方法には、お金を「稼ぐ」と「増やす」がある。二つの違いについて、私は経験から学んだので、少し書いてみる。(中略)
・たとえばだが、起業家のなかには「自分の事業が上手くいかなかったら、隕石が落ちてきて地球が滅ぶ」というようなレベルのことを、半ば本気で思っている人がいる。「そうなったら借金がチャラになるから、いくら借りても関係ない」くらいに思っているのだ。
・ビジネスで大成功を収めた人たちは、「物事を大きく考える」こと、つまり妄想が得意だ。逆にいうと、妄想癖があるからSFを好んだのかもしれない。
・「いつのまにか稼ぐ」という感覚(中略)
具体例をあげるなら、趣味として何かのコレクションをすることである。これは遊びながら稼ぐことの、実にわかりやすいモデルだ。(中略)
今から始めるとすれば、多肉植物やサボテンの収集が面白い。多肉植物のコレクターは世界中にいて、大きなものだと1鉢200万円ほどで取引されている。なかでも人気なのが「ハオルチア」と呼ばれる品種だ。(中略)
逆に、収集してもお金になるか難しいのは日本の書画骨董や焼き物だ。今、値段がどんどん落ちている。今後も下がり続けるだろう。コレクターが高齢化し、マーケットが広がる見込みもない。京都で一番、二番のプロが商売をやめようかと思うといっていたくらいだ。
・面白くない本を一度でも紹介すると、二度と私の書評は読まれなくなるだろう。
・家や車、豪華な食事などは、心から楽しんでの消費というよりも、ステータスでやっているように見える。それで肝心の手元にお金がないというのなら、今すぐに考え直したほうがいい。
・お金持ちは基本的にケチ臭い。見栄っ張りで、派手に使うのは、中途半端な小金持ちだろう。
・「稼ぐ種」はどこにでも転がっている
最近気になったユーチューブに「今日ヤバイ奴に会った」というシリーズがある。インド駐在の日本人が、屋台飯の調理過程を映しているだけなのだが、これがまた面白いのだ。チャンネル登録数は49万超、最高再生回数は300万を超える。
インド人が屋台で調理する様子は、お世辞にもきれいだとはいえないが、2~3本再生するうちにおいしそうに見え、よだれが出てくるだろう。食べたリアクションを移さないところや、テロップのセンスがいい。
・動画を作るときのポイントは、食べているところを映さないことだ。一口食べて、リアクションを撮るとテレビになってしまう。リアクションは古い。テレビがやる昔のフォーマットだ。今のフォーマットは作る姿を映すだけである。否定的なことはいわず、おいしそうと褒めるだけでいい。
・40歳で稼げないと思ったら地方都市へ(中略)多く稼ぐことができないなら、減らさない方向へ転換するべきだ。
・現時点における最大にして最高のチャンスは、20代の若者に投資することだ。自分の子供がいるなら、子供にお金をかけるのが一番の投資だろう。今の若者は、素直で人のアドバイスを真摯に聞く。その分、あらゆることを容易に吸収していく。
・高島屋のカードには秘密がある。普通のゴールドカードではなく、外商カードなのだ。知らない人が見れば、ただのゴールドカードにしか見えない。違いといえば、左下に小さく「P」と印字されているだけだ。(中略)
このカードを持っていると、外商専用のサロンに入れたり、すべての商品が割引になったりといくつか特典がある。資産運用のセカンドオピニオンサービスや医療機関のコンシェルジュサービスまである。また、担当の外商さんがつくのだが、国産車の輸入はディーラーに行くよりも、外商に頼んだほうが早い。
・国道16号の外ならば家を買ってもいい(中略)
今、16号の外が住む場所として見直されてきている。東洋経済新報社の2018年の「住みよさランキング」によると、1位は千葉県印西市、4位は茨城県守谷市、7位は茨城県つくば市、10位は千葉県成田市だった。(中略)11位 福津(福岡)
・16号の内側でどうしても家を買いたいというなら、「駅から徒歩7分以内」の物件でなければダメだ。この数字は絶対に譲ってはならない。
・値上がりを期待するなら、いっそのこと海外の物件を買ってしまうのも手だ。ちょっとした語学力と才覚があれば、急成長している都市で仕事を見つけ、そこで家を買うのだ。今なら、マレーシアやミャンマーが面白いだろう。これらの都市ならインフレ率が高いので、家を買っても確実に売り抜けられる。急成長しているといっても、日本円が優位なうちに不動産や現地の通過を買っておくのだ。
日本のインフレ率がこの10年、マイナスから1%をさまよっているのに対し、マレーシアは2~3%である。10年後、日本円へ変換したときに何倍になっているだろう。移住が難しいのなら、不動産を買って一人の貸しておけばいい。そうすれば、売却時の利益に加え、家賃収入も得られるのだ。
・才能のない人がピアノを何年続けてもプロのピアニストにはなれない。しかし、試しにピアノを弾かせてみなければ、才能の有無は判断できないのだ。
・1本5000円もする超高級レンコンをご存知だろうか? 野口憲一さんは、霞ヶ浦のレンコン農家の生まれだ。社会学で博士号を取得し、民俗学の研究者となり、二刀流で始めたレンコン作りで成功した。今ではパリやニューヨークのレストランでも使われているという。
・お金は借りるな、「恩」を借りろ(中略)
わざと「おごってください」といって縁を作っていたわけだ。おごられたほうはあまり覚えていないが、おごったほうは確実に覚えている。(中略)
お金は借りるべきではないが、恩はどんどん借りたほうがいい。そしてしっかりと返すのだ。
・2015年6月20日に発売されたライカQは、これさえあればほかのカメラはすべて手放してもいいと思えるくらい、完成している。
・「良いもの」を買うための審美眼(中略)
質感は見た目だけの話ではない。たとえばメルセデスベンツのC240は究極の質感を有していた。ドアを閉めるときの固さがアクセルを踏むときの重さ、キーの重さ、ウィンカーを上げ下げするときの重さまですべて統一されていたのだ。それぞれが異なる感覚にもかかわらず、統一していたのは、質感が求められることを知っていたのだろう。
・BSテレビ東の『ワタシが日本に住む理由』も面白い。日本在住10年を超えるような人が出演し、日本人が知らない日本の魅力について教えてくれる。佐賀のB級グルメにハマったフランス人、秋田の寺に嫁いだアメリカ人、新潟の古民家に暮らすニュージーランド人など
※参考:BSテレビ東の『ワタシが日本に住む理由』のホームページはこちら
・「そうだ京都、行こう」ではダメなわけ(中略)
行先は徹底的に調べてから訪れたほうが得るものが多く、何より旅行の楽しみの9割は、事前の下調べの時間だという研究もある。
・投資を学ぶならひふみ投信の一択(中略)
知識もない場合は、レオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」がおすすめだ。念のためいっておくが、私はひふみ投信の回し者ではない。(中略)
ひふみ投信の投資基準は明快だ。パートナーが自ら国内外へ出張し、企業規模を問わず、あらゆる経営の現場を見てきている。経営者と直接会い、話しぶりや表情の変化から生きた情報を得て、成長企業を発掘しているのだ。
それに対して、大型株を扱う一般的な投資信託は、日経平均に連動するだけである。
・移り変わりの激しい飲食業を10年も続けられている人は、下手な中小企業の社長より才覚がある(中略)
年齢の近い飲み屋の主人とは、稼ぐ力を学ぶためにも仲良くなっておいて損はない。
・今、投資したい会社(中略)
、ここからが本稿の目玉だ。今なら以下の会社に注目して投資するであろう。かれらの共通点は研究プラットフォーム開発と植物だ。投資の足の長い遺伝子治療スタートアップ(ハイリスク+ハイリターン+スローリターン= ロー投資益)はあえて含めていない。100万円をIPO即投資で10年持てば、いくらになるか楽しみだ。
※P.147参照
・経営者の場合、生命保険は間違いなく資産と考えている。たとえば中小企業の場合、利益が出た年は、節電のため団体保険や経営者保険などに入る。すべて費用ができるからである。つまり、節税したものはすべてキャッシュになっているのだ。
・私は成長企業に対して投資を行うベンチャーキャピタリストでもあるが、ITやキャッシュレスの分野だけには手を出してはいけないと思っている。
・決済手段は生物を同じだ。強いものだけが生き残るのはではない。環境の変化に柔軟に対応し、進化を続けた者だけが生き残ることができる。
・世界銀行の調べでは、従来の銀行や送金業者では、送金手数料は平均して送金額10%前後にのぼる。(中略)モバイル送金業者なら、送金手数料を3%程度に抑えることができる。
・為替ルートの変動に対して強くなるためには、ドルを持つべきだ。ドル以外の通貨は資産と考えなくてもいいくらいである。
・意外と狙い目なのは、ベトナムやマレーシアなど東南アジアの通貨だ。10年、20年単位で見ると、下がることはない。上がるだけだ。
・LCCで行ける東南アジアに不動産を持ち、現地の銀行に預けておいた現地通貨で滞在費を払えばいい。
・紙幣は金貨や銀貨と異なり、そのもの自体に価値はない。紙幣の価値は、政府の権力だけを裏付けとしていた。「朱印が捺された柔の樹皮はお金である」と、フビライ・ハンが宣言すればお金になったのだ。
●書籍『金のなる人~お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方』より
成毛 眞 (著)
出版社: ポプラ社 (2019年11月初版)
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