沖本 るり子 氏 書籍『「結局、何が言いたいの?」と言われない 一生使える「1分で伝わる」技術』(大和出版 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『「結局、何が言いたいの?」と言われない 一生使える「1分で伝わる」技術』(沖本 るり子 著、大和出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・「え? 結局、何が言いたいの?」
「話が長いねー」(中略)
一生懸命話せば話すほど「結局、何が言いたいの?」と言われるばかり。
・本書で紹介する方法なら、「伝えるスキル」が劇的に上がり、人間関係を円滑にし、仕事の成果を上げ、よい評価や報酬にもつなげることができます。
・ ●何を話すか最初に宣言すれば、相手をイライラさせない
●プライドの高い上司には、「偉人の言葉」を借用する
●ちょっと厚かましい「前提条件」を設ければ、断られない
・仕入れ先は卸業のためセット売りで、1セットは10台入りです。あれこれと長々話した挙句、「数量10セットでお願いします」なんて伝え方をしたとしたら、仕入れ先は10セットだと解釈しても不思議はありません。
・相手に話を聞いてもらい動いてほしいと思うならば、1分以内で、かつ必要最低限の要素を伝えることです。
・何が言いたいのかわからないようなだらだらした話は、聞く側にとって、途中を省いたり勘違いしたりして、都合のよいまとめ方になってしまいます。
・とっさに話さなくてはいけない場面でうまく伝えるには、一体どうしたらいいのでしょうか?
そんな時に頼りになるのが、「枠」なのです。(中略)
「2、3個法」。あれこれ、たくさん話したいことも、すっきり要点をまとめることができる方法です。(中略)
「両面法」。特に、やたらと反対してくる人の賛成を得たい場面で使う方法です。(中略)
「結果法」。相手のやる気を高めたい場面で使う方法です。(中略)
「なぜなら法」具体例で相手が効果的に想像しやすい方法です。
・伝え方ひとつで「値引き交渉」もうまくいく!(中略)
「この価格、もう少しなんとか…なりません…か?」と勇気をだして切り出したものの、あっさりと「できひん」と断られ、撃沈。(中略)
後ろに並んでいた男性の声が聞こえました。
「●●円以下なら買うで」……と。
え? と振り向くと、私は断られたのに、その方が交渉成立。値引きしてもらっていたのです!
・相手をイライラさせてしまう。
これから何を話すか、最初に宣言する
話がわからないと言われる人は、時系列でダラダラと思いつきで話をしてしてしまっていることが大半です。
・私が行っている研修の場で「話し手のどんな伝え方にストレスを感じるか」を聞くと、「何が言いたいのかわからないこと」と答える方が圧倒的に多いのです。
・「一番大事な話は何なのか」を最初に一文で宣言することで、聞き手は、それ以降の内容も宣言に関連した内容として聞いてくれます。
「課長! 料理の食材をお客様にもわかるようにしたく、提案があります」
・例えば、「山口です」と言われた場合、名前なのか住所なのか、出身なのか不明です。
そこで、「名前は、」と最初に伝えることで、「次に出てくる話の内容は、名前のことなんだな」と心構えができるのです。
「出身は、」と最初にされることで「次に出てくる話の内容は、出身のことなんだな」と出身の話題として話を聞こうとする心構えができます。
・「一番大事な話は何なのか」を最初に一文で宣言する(中略)
「お願いは、」「報告は、」「理由は、」「根拠は、」「サイズは、」……といったように、一文でも結論から伝えることです。
・「〜で」「〜ですが」「〜なので」「〜が」などの接続詞を一文にして連呼すると、聞き手は耳につく接続詞に意識がいってしまい、話の内容が頭に入りにくくなります。
・これまで見てきた中で、「話が長い」「何が言いたいのかわからない」と思う人に共通するのが、「接続詞の多用です」です。
・「〜で」を多用しそうになったら、「す」をつけていったん終わらせよう
・質問には、次のように大きく分けて2つの種類があります。
閉鎖型……あなたは、みかんが好きですか?
開放型……あなたの好きな果物はなんですか?
*他にも、「ミカンとメロン、どっちが好きですか?」といった「選択型」もあります。
・同じ物差しを使ってズレ防止! (中略)
「しばらくお待ちください」の「しばらく」という時間も、ある人は1分くらい、ある人は5分くらい、さらに、10日間や1ヶ月という場合もあるでしょう。つまり、自分と他の人の物差しが違うのです。(中略)
「●●に比べて縦横とも10cm長い」とか、「前回の使用数より3割少なめ」とか、「売り上げ額の30%の紹介料」、というように、誰もが同じ結果で測定できることが大事です。
・聞き手に話を整理整頓させるのではなく、話し手が、話したいことを整理整頓して聞き手に伝えましょう。(中略)
そこで、あらかじめ枠を用意しておき、その枠の中に、考えながら言葉を入れていくことをおすすめします。
その1つに、2、3個法という枠があります。次の3つのステップで使ってみましょう。
ステップ① 内容の数を最初に伝える(中略)
「今年度の個人目標は、3つあります」(中略)
ステップ② 単語で話して、単語で刺す(中略)
「1つめは、体。2つめは、英会話。3つめは、パワーポイントです」
なお、このときの単語は、あえて先の話の内容がよくわからないものにするのがコツです。(中略)
「体」とだけ言った場合、何だろう? どういう意味? とその先の話に興味が湧いて、前のめりで聞こうと意識が変わるのです。
さらに、短い単語のため、脳に刺さりやすく、記憶に残りやすいと言うのもポイントです。
ステップ③ 単語を1つずつ詳細説明
・言いたいことが複数ある場合、多くても3つまでにとどめるようにしましょう。
「この商品の特徴は、3つです」
「問題点は、3つです」
「今日の報告が、3つあります」
すると聞き手は、これから3つ聞けばいいんだなと、先が見えることで、安心して話を聞けるのです。
・最初と最後で同じ内容を2回伝える
「今年度の個人目標は、3つあります」(中略)
「今年度の個人目標といたしました」とまとめることで、聞き手に何の話をしたかを思い出させるのです。
・相手の「Yes」を引き出す伝え方(中略)
・お願いがいつも断られてしまう
✖️ あるあるやりがち例
後輩「先輩、来週の金曜日の朝10時からなんですが、●●会社へ同行営業していただけませんか?」
先輩「あ〜、ごめん。ちょっと忙しくて」(中略)
◯ おみごと参考例
後輩「先輩、●●会社への同行営業はいつがよろしいでしょうか?」
・「同行営業していただけませんか?」というのは閉鎖型質問ですので、聞き手は、同行営業「する」か「しない」かで考えます。(中略)
相手に断られやすい伝え方だということです。
・選択肢は「3つ」がいい(中略)
選択肢が1つだと、◯か✖️でどちらも50%ずつになってしまい、決断に時間がかかります。
2つの選択肢も同様、どちらも50%ずつで迷ってしまうため、3つ候補を出すとなんとか優先順位をつけて選びやすくなります。
・反対する人は、あなたの意見に対して反対する場合もありますし、あなただからと反対する人もいます。(中略)
そこで、自分で考えるより、下から目線で相手に助けを求めることをおすすめします。
なぜなら、反対されたことに対して解決策を出しても、また反対される確率も高く、それよりも、相手に解決策を考えてもらうのが最速だからです。(中略)
「私の意見が採用されるためには、どうすればいいのか、ぜひ教えてください」(中略)
「思いもつかないような考えができる◯◯さんに、ぜひ教えていただきたいです!」
・ ✖️ あるあるやりがち例
部下「ちょっとだけ、今お時間よろしいでしょうか?」(中略)
あなたにとって、「ちょっと」は具体的にどれぐらいの長さを指しますか? (中略)
1分くらいの人もいれば、1時間くらいの人もいます。ちなみに、会社の社長に呼ばれて12時間拘束されたこともありました……。(中略)
1分お時間いいですか?
・具体的な時間を伝えることで、相手は今話を聞くか、また別の日時で話を聞くか、判断しやすくなります。
・「両面法」で、プラス面・マイナス面を伝える(中略)
賛成を得やすい伝え方の枠の1つ、両面法(中略)
「私の提案は、お笑いライブの開催です」
提案したあと、賛成を得やすくするために最初に良い点を伝える事は大切です。
「よい点は、(中略)
最初から否定されることを考え、否定される前に自分で先によくない点を伝えてしまうのです。
つまり、突っ込まれる前に自分で突っ込んでおきましょうということです。
「よくない点は、(中略)
相手に安心感を抱かせ、策を講じて伝えるのです。
「策は、(中略)
相手からすれば、自らよくない点を言ってくるうえに、策まで考えてくる周到ぶりに驚き、たとえ否定しようとしていたとしても、何も言えなくなるのです。
・相手の意見は、賛否にかかわらず、認めましょう。(中略)
次に、よくない点を質問しましょう。
「あえて言うならば、アルバイトを2名採用すると、マイナス(よくない)点はどのようなことが考えられますか?」(中略)
「その策は、どうお考えですか?」
・共感って、結局どうやったらいいの? (中略)
こっちからの依頼は文句ばかり言ってなかなか対応しないくせに。頭にくるよ」(中略)
「先輩は、課長の行動に頭にきたんですね!」
・共感って、結局どうやったらいいの? (中略)
自分の気持ちを動かさなくていい(中略)
「同感」は、同じ気持ちになることですが、「共感」は、同じ気持ちにならなくてよい(中略)
結局、自分が「共感した」というのではなく、相手に「共感された」と感じてもらうことが大事
・怒りがいっぱいのとき、無意識にドアをバタンと激しく閉めたり、ドスンドスンと歩いたり、ものを蹴飛ばしたりする人もいることでしょう。 (中略)
つまり、感情と行動はつながっているということです。
・共感って、結局どうやったらいいの? (中略)
まずは、相手の話の中に「感情を表す言葉」が出てきていたら、それを受け止めます。もしそれがない場合には、「相手の行動」を受け止めましょう。
・雑談で気の利いた返事ができない(中略)
相手の「行動」を受け止める(中略)
・オウム返しは、聞いた音を繰り返しているだけです。適当なところで割って入って、同じ音を繰り返してるため、不快感を覚える人がいます。(中略)
「行動」を受け止めてみましょう。
・ついついバッサリ否定してしまう(中略)
否定する前に「思考」を受け止める(中略)
人は、自分の行動を否定されるよりも思考を否定されるほうがもっと嫌なのです。特に、女性より男性のほうが、思考を否定されるのを嫌がる傾向があります。(中略)
「思った」「考えた」に注目!
・愚痴を言われたときの切り返し方は? (中略)
慰めてほしいと思っているわけではなく、悲しい気持ちを理解してほしいのです。(中略)
「悲しい」という言葉を繰り返してあげるのが最適です。(中略)
参考例
先輩「悲しいんだね。私も悲しいよ」
・もし、あなたが相手を褒めたいのであれば、せめて、人に焦点を当てて褒めてみましょう。
*補足 物を褒めるではなく
参考例
店員「お客様! お洋服の選び方が素敵ですね!」
・先輩「なぜ、売り上げが目標に達していないの?」(中略)
「なぜ」から始まる質問は、質問された側にとっては、詰問と解釈しがちです。(中略)
というのも、「なぜ」で始まる質問は、過去についての質問で、ほぼマイナスの内容についてたからです。(中略)
そこで、過去について、ダメだったことではなく、うまくいったことを聞き出すのが最適です。
・「なるほど」は、上から目線の言葉(中略)
ということで、課長が部下に「なるほど」と言うのはよいですが、その逆、部下から課長に言うのは、上から目線になってしまいとっても失礼なことなのです。(中略)
ただし、九州地方では「なるほどですね」が、目上の人に使用する方言です。
そこで、代わりの言葉として「おっしゃる通りですね」「ごもっともですね」を使用するとよいです。
・「大変でしたね」というねぎらいの言葉は、同僚や目下の人に使う言葉なので、目上の人には使わないように気をつけましょう。(中略)
「大変そうに感じたのですが、体調は大丈夫なんですか?」と、私(I)メッセージで伝えましょう。
・自分には悪意がなく、むしろねぎらっているつもりでも、それは、自分の想像で相手はこうだと決めつけてしまっているに過ぎない
・多くの人はアドバイスを求めて愚痴を言っているわけではありませんから、「こうすればよかったのに!」なんて言うのは大きなお世話です。
・うまい断り方がわからない(中略)
そもそも、断ることは悪くはないので謝罪は不要です。(中略)
とにもかくにもお誘いを受けたら、お断りするしないに関わらず、まずは「ありがとう」の感謝が伝えましょう。
さらに、喜びのプラスの気持ちも伝えるとバッチリです。
・うまい断り方がわからない(中略)
謝罪は不要(中略)
誘われたら、「感謝」と「プラスの気持ち」だけでいい
・もっと商談の成功率を上げたい! (中略)
未来を想像させる「結果法」
何かしら人に商品を提案する場合、たいていは商品の機能説明だけになりがちです。
提案+結果+現状+理由+提案で構成されています。
・相手が動いてくれない(中略)
そもそも、どう動いてほしいのかを明確に伝えていないのです。(中略)
その伝えていない理由が、「言わなくてもわかるだろう」「空気をよめ」「気を利かせ」「お察しください」の4つでした。
・相手が動いてくれない(中略)
自分が伝えていないのが悪いのにも関わらず、相手を「空気がよめない人」「気が利かない人」「察することができない人」と決めつけるのです。
私たち人間は、
「伝えないとわかりません」
「空気はよめません」
「気を利かせることはできません」
「お察しすることはできません」
・相手が動いてくれない(中略)
「して欲しい行動」は、言葉で表す
・なぜかいつも意見がスルーされる(中略)
「思います」は、あなただけが思っていることで第三者の声ではないため、頼りない感じに聞こえ、信頼度がどんどん低くなってくるのです。(中略)
ただし、「思います」を使用してはいけないということではなく、責任をとれないことや、ただの自分の感想として語るのにはよいのです。
・なぜかいつも意見がスルーされる(中略)
「思います」が自信のなさに聞こえる
・短時間でスルッとと人を動かす伝え方(中略)
「締め切り」があるから優先される(中略)
締め切りの指定がないものは、相当にやりたいものでなければ後回しにされても仕方がありません。
・周りがギリギリまで動いてくれない(中略)
お願いするときは、必ず「期限」を添える
・いつも後回しにされてしまう(中略)
「お手すきの際に」と言われると、緊急性と重要性は感じられないため、後回しにされても仕方ないと考えておきましょう。(中略)
相手への思いやりのつもりで「お手すきの際に」と言っているとしても、相手にはいろいろなことがある中で、割り込むことには変わりはありません。
それならば、期限を明確に伝える方が、よほど相手への思いやりになります。
・「あなただけ」「あなたしか」この2つはしっかり記憶しておきましょう。(中略)
部下「所長! この資料、どこを直せばいいのかがわかるのは所長だけです。他の人はダメなんです。チェックしていただけませんか?」
・上司が何度言っても動いてくれない(中略)
「私は困っていて、あなたが頼りです」という姿勢で相談するのです。(中略)
悩みの元凶の相手が、どうすればいいか自ら考えて動いてくれるのですから、使わない手はないですね。
・多くの人は、指示命令されることを好みませんが、自分は好まないのに人に指示命令をする人は多いのです。
・あれしろ、これしろと言われると、反発が生じ、強制的にイヤイヤさせられている感じがします。
すると、気持ちがマイナスのままで行動をするから、高い成果は出にくいものです。
・ちゃんと指示したはずなのに、ミス連発……(中略)
「席を譲りなさい」よりも「席を譲ってもらえる?」
「銀行に行ってきなさい」よりも「銀行に行ってくれる?」(中略)
どうせ動いてもらうなら、相手に選択肢を与え、自己責任で自ら動いてくれる伝え方をして、よりよい成果につなげましょう。
・ちゃんと指示したはずなのに、ミス連発……(中略)
例えば、「このゴミをあのゴミ箱に捨ててもらえる?」
この言い方なら、断る選択肢があるので、イヤイヤではなく自ら責任をもって動いてくれるのです。
選択肢を出すと、相手に「責任感」が芽生える
・意見がいまひとつ相手に響かない。
まず、どうしてほしいか、どうすればよいかなどの要求や提案は「べき」を使わない謙虚さが必要です。
・コミュニケーションとは「相手軸で伝える」ということ
・最近、脱コロナ禍ということもあり、人との関わりが一気に増えました。そうした中で、円滑に対人応対できないことに悩み、コミュニケーション力を高めたいという相談を受けることが多くなりました。
・相手に伝えるためには、相手が聞きやすいか、相手がどう解釈するか、といった、相手軸で考えることが不可欠です。
・コミュニケーションとは「相手軸で伝える」ということ
●自分がされて嬉しいことが、相手が嬉しいことなのか?
●自分がされて嫌なことが、相手が嫌なことなのか?
●相手はどんなことをされたら、嬉しいと感じるだろうか?
●書籍『「結局、何が言いたいの?」と言われない 一生使える「1分で伝わる」技術』より
沖本 るり子 著
出版社 : 大和出版
発売日 : 2023/7/13
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