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[ 出版業界の専門用語 ]

委託制度とは

委託制度とは、売れなかったら仕入値で返品できる制度のことです。出版社が取次や書店に対し配本し、販売を委託します。そこで、書店は委託された出版物を一定期間販売します。書籍の委託には、3つあります。

              【返品期間】
   1、新刊委託   約 3ヶ月
   2、長期委託   4ヶ月 ~ 6ヶ月間
   3、常備委託   1年間     


ちなみに雑誌の委託期間は、

 週刊誌は 45日間
 月刊誌は 60日間
 コミック・ムックは 60日間となっています。


委託期間の過ぎた商品は、売れ残っても返品できないことになっています。但し、その商品を「委託」にするかどうかは出版社の判断です。ですので、原則的には委託で販売している出版社でも美術書などの豪華本は買切りにする事が多いです。また、返品だからお金の支払いは一切ないかというと仕入れた商品の代金は取次(問屋)へ支払う必要があります。


また補足になりますが、明治時代や大正時代には委託ということを書店人は嫌っていたいう意見もあったようです。書籍『出版販売用語の始まり(松本 昇平 著)』よりご紹介いたします。


-------- 書籍『出版販売用語の始まり(松本 昇平 著)』より ------------------------

・委託

「委託」という用語をいまは新刊、長期などにいとも軽々しく乱用しているが、明治、大正の買切注文時代には避けて通るように嫌っていた。注文した本は買切って責任を以て売るものと頑なな融通の利かない根性で叩きあげられてきた書店人は、万一残本となっても返品という安易は手段以前に自腹を切って割賦販売でその責任を果たしていたのである。


●書籍『出版販売用語の始まり』より
松本 昇平 著
ビーエヌエヌ (1992年3月初版)
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