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「読書とは、他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分で考える力を失ってゆく。」
「読書について」 著:ショウペンハウエル 岩波文庫
「読書とは、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。習字を練習する生徒が、先生の鉛筆書きを線でペンをたどるようなものである。だから、読書の際には、ものを考える苦労はほとんどない。自分で思索する仕事をやめて読書に移るとき、ほっとした気持ちになるのも、そのためである。だが、読書にいそしむかぎり、じつは我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない。
そのために、時にはぼんやりと時間をつぶすことがあっても、ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分で考える力を失っていく。
食物は食べることによってではなく、消化によって我々を養うのである。それとは逆に、絶えず読むだけで、読んだことをあとでさらに考えてみなければ、精神の中に根をおろすこともなく、多くは失われてしまう。」
よく、世間的に成功者と呼ばれる方の多くも本を読むだけではなく実践しなくて意味がないといいます。世間的な学者と呼ばれる方でも、このように読むことで満足して終わってしまうことが多いのだと改めて考えさせられる一冊であった。
インプットをしたらアウトプット。
入口があれば出口がある。
この一冊は本を読むのが好きな方、書くのを仕事にされている方、出版業界の方には是非、オススメしたい一冊です。
発行は、1960年4月
2004年4月までに「60刷り目」の名著である。
良い本は時代を変えても残っていくものですね。
「読書について」 著:ショウペンハウエル 岩波文庫
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