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[ 出版業界のトピックス ]

オンライン書籍有料閲覧サービスへ新たな取組み

オンライン上の書籍閲覧に関して、アマゾン・ドッコ・コムとランダムハウスがそれぞれの取り組みを示し、業界の話題となっている。

アマゾン・ドット・コムは、オンライン上の書籍閲覧に関して、二つの新プログラムを発表した。「アマゾン・ページズ」は、オンライン上の書籍をページごとに有料提供するシステム。また「アマゾン・アップグレード」は、追加料金を支払った書籍の購入者に対し、作品のオンライン版を提供するシステムだ。

双方とも来年スタートの予定だが、特に注目を集めているのがペイ・パー・ビュー形式の前者である。書籍の閲覧料金について、アマゾンの会長ジェフ・ベゾス氏は、各出版社の決定に従うとしている。

一方、ランダムハウスも、アマゾンを含む各オンライン書店やメディアと個別契約を結び、書籍のオンライン閲覧化を有料で進める姿勢を見せている。一般のフィクションについては、本の5%までの無料閲覧を認め、それ以降は一ページ四セントを各ベンダーに課金する予定だという。

また、料理本のようなタイプの書籍については、無料閲覧枠・料金ともに別基準を設ける。同社はこのペイ・パー・ビュー形式をデジタル使用許諾と考え、収入を著者と等分するとしている。

ランダムハウス・コーポレイト・ディヴェロップメント・グループ社長のリチャード・サーノフ氏は、将来的にはあらゆる種類の本がオンラインで閲覧されるようになると考えており、そのためにも、出版社や著者が公正に報酬を得ることのできるシステムの構築が必要不可欠だと考えている。また、「しかるべき時」が来たら、ランダムハウス独自で有料閲覧サービスを行う可能性もあると語っている。

ペイ・パー・ビュー形式の閲覧について、出版社や作家協会の反応もおおむね好評のようだ。出版界で物議を醸しているグーグル・プリント・フォー・ライブラリーとは異なり、アマゾン・ページズは著作権を尊重している点が評価されている。しかし、料金の設定方法など未定の部分も多いため、各出版社は詳細を見極めた後、プログラムへの参加を決定する構えだ。(日本ユニ・エージェンシー提供)

2005年12月8日 出版業界唯一の新聞 新文化 より