Tweet
スリップとは、書籍の中に挟んである短冊型、二つ折りの売上げカードのことです。
長さ13cm、幅4.5cm位で、引き抜きやすくするために上部に丸い切込みがあり、本から飛び出ています。切り込みは、丸いことから「ぼうず」とも呼ばれています、他にも、「ふんどし」と言うこともあります。
また、このスリップは出版社への追加注文伝票を兼ねていて「短冊(たんざく)」とも呼ばれています。
一つ目は、売れた本を補充するためのもの。
二つ目は、どのような本が売れたか、集計、分析するためのデータとして使うものです。
三つ目は、書店に対する売り上げ報奨金のために利用するものです。
売り上げ報奨金とは、このスリップをまとめて出版社に送り返すと報奨金をもらえるという制度です。出版社によってやっていて、通常は、スリップ一枚につき5円や10円程度を出しているところが多いようです。
ただ、各出版社多く本を売ってもらいたいことから破格の条件を提示している社もあるそうです。文庫本に対して1スリップ40円や1,300円程度の書籍に対して1スリップ50円を出している社もあります。
最近はオンラインで在庫管理や発注しているので売れた本のスリップは捨てるケースが増えてきました。しかし、このぼうずの部分に本が入荷した日付を書いたりしていて今でも欠かせない書店もあります。
また、書店にとっては返本する際に、このスリップのない本は古本とみなされて返品を受け付けてくれないケースがあることから大切なものとなっています。
1、番線印を押す箇所
2、注文冊数の記入欄
3、書名とサブタイトル
4、著者名
5、発行元名
6、価格+税率
7、ISBN
8、Cコード です。
※出版社によって書かれていることが多少異なります。
長い部分は、1200mm~1300mm位です。そのうち書店印を押す項目が30mm程度、タイトル、ISBNなど表示部分は、90mm以上になります。また、狭い部分は、45~50mm位です。
スリップの色は出版社によって異なります。全体的には白色が多いですが、その他、水色やグレーなど色々とあります。そして、スリップの色には意味がある出版社もあります。つまり、スリップの色によって意味を分けているところです。
例えば、朝日新聞出版です。赤色、緑色、青色と3色に分かれています。
赤色は通常の委託販売制のものです。要は、配本から3ヶ月までは返品可能ということです。
緑色は、いつでも返品可能なもの。フリー入帳と言われています。
青色は、期限付きの返品可能なものです。年鑑の類に多く一年などの期限に限って使われています。
他には文芸春秋も同じような意味を持ったスリップを利用しています。
本の各部の名称は、人間の体になぞられてつけられていることが多いです。たとえば、「あたま」や「背」「耳」「のど」「小口」などです。このスリップを最初に発明したのは、日本橋丸善の書店員で、大正時代は、「舌」と呼んでいたようです。出版社では岩波書店が、岩波文庫に使ったのが最初だと言われています。
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.