このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
企業の戦略に欠かせない二つの視点は、自社商品の需要創造と需要開拓だ。
これまでにない商品や事業の場合は、需要創造の時間をどれだけ短縮できるかが勝負を決める。需要拡大は、既存商品からの買い替え促進のスピードと量が鍵を握る。
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ここから「上流顧客を満足させるプロフェッショナル・サービス」より抜粋
酒井光雄 (著) 日本能率協会マネジメントセンター刊
・お客様は、初めて会う人や訪れる人場所では、不安感や警戒心を抱くものです。ですから、まず安心し、心を開いてもらうことが前提条件となります。
・ザ リッツ カールトン大阪でこんなサービスがあった。モーニングコールを依頼したら「おはようございます。酒井様。今日は素晴らしいお天気です。どうか快適な一日をお過ごしください。 」とここまでは通常だが、「酒井様のお好きなフレーバーティを、お部屋の前にご用意させていただきました。どうぞお召し上がりください。」これこそ、高度なおもてなしである。
・広告や販促は企業からの一方的なメッセージに過ぎず、生活者は広告のメリットだけでなくデメリットも理解して情報を受け取っています。そこで大切な点は、広報活動である。なぜなら、広報はジャーナリストや専門家などの眼を通して紹介されるため、生活者の信頼度が違います。
・カタログハウスの実例。2005年9月初旬、局地的な集中豪雨が東京を襲いました。杉並区などの一部に地域では、家屋が浸水する被害が出ました。そんなとき、過去購入されたお客様に「購入された商品で浸水にあったものは、無償で修理または交換します」という手紙を送ったそうです。
そして、カタログハウスはこの活動を宣伝材料に一切使っていません。地道に取り組んできたことが、顧客を通じて記者の耳に入り、日本経済新聞にコラムとして紹介されたのです。
・多くの企業が顧客から収集している名前、職業、誕生日、住所、メールアドレス、電話番号、家族構成といったデータは、高度なサービスを提供する際にはほとんど役に立ちません。
なぜなら、データを入手する目的がサービスクオリティを高めるためでなく、DMやメルマガを送りつけるためにつくられた設問と対応になっているからです。
・ 東京ディズニーランドの実話です。
30代のカップルが園内にあるレストランを訪れ、二人分の食事に加え、子供用のメニューを注文しました。マニュアルでは子供用のメニューは大人には提供できないことになっているので、普通ならお断りするところなのですが、スタッフは機転を利かせて、その理由を二人に尋ねます。
そのカップル、実はご夫婦の語るところによると、お二人にはお子さんがいらして、東京ディズニーランドに家族で出掛けることを何よりも楽しみにしていたそうです。ところが、不幸なことに事故でお子さんを亡くしてしまいました。
生きているときに、お子さんを東京ディズニーランドに連れて行ってあげられなかったことが、お二人の傷として残りました。少しだけ傷が癒えたこの日は、ご夫婦二人で東京ディズニーランドを訪れ、亡くなったお子さんの餞をする機会だったのです。きっと、お二人の懐には、お子さんの写真が入っているに違いありません・・・・。
これを知ってこのキャストは、マニュアルを超えた対応を取ります。お二人に注文された子供用のメニューを、その場ですぐに用意したのです。亡くなったお子さんへの陰膳(旅に出た人の無事を祈って、留守宅に備える食膳のことです)だと理解できたからです。
・一流のサービスマインドを発揮する方法
<(株)ワコールのリマンマ事業を紹介したコラムの実例>
日経MJ 2004年8月26日掲載
「女性の心の傷癒し30年」
8人に1人が乳がんになると言われる米国で、乳がんの早期発見を啓もうする活動として1980年代に始まったのが、ピンクリボン運動だ。
日本では30人に1人と、発症率は下がるが、30~50歳の発生率が高いために進行がんのケースが多く、早期発見がことのほか重要。日本国内でもようやく同運動に対する理解が広まってきた。
しかし、ピンクリボン活動が始まるはるか以前の1974年から、乳がんに伴う乳房手術で心に傷を受けた女性たちと向き合ってきた企業がある。ワコールだ。
手術を受けた心の痛みに加え、従来の日常生活に対して受ける大きな制約を少しでも緩和するため、下着メーカーとして何ができるかを考えてきた真摯(しんし)な姿勢が、企業ブランドを支えている。
同社では乳がんの手術を受けた女性のために「リマンマ」と呼ばれる専用の商品群を作り、女性たちの社会復帰を地道に応援してきた。
手術後の女性の気持ちを大切にするため、予約の個人カウンセリングで、採寸・相談・試着を無料で行っている。
商品もブラジャーなど下着だけでなく、リハビリはもとより生活に潤いを与えてくれる日常着や水着も用意されている。
日本経済が高成長していた時代、企業の社会貢献活動が注目されたことはあったが、その活動の多くはバブルの崩壊とともに霧散してしまった。
そうした中で、自社の事業領域を通じて、顧客である女性たちを支える社会貢献を、30年間続けた意義と役割はとても大きい。
これがリーディング企業としてのワコールの考え方であり、企業姿勢と言えるだろう。「リマンマの需要がこちらから先も増えないことを、何よりも願っています」とワコールの関係者が口にした言葉に、30年間続けた社会貢献活動の重みを感じた。
「上流顧客を満足させるプロフェッショナル・サービス」より
酒井光雄 (著)
日本能率協会マネジメントセンター刊
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ここから「ブレインゲイト メールマガジン」より抜粋
・知識が豊富で有能な人が、ビジネスで成功できないのでしょうか。それは「知識」を「行動」に変換していないからです。
・書籍の内容をそのまま自社に置き換えて100%活用することを望む方が無理です。書き手の歩んだ道と、読者の歩んだ道は異なるからです。
・「知識」を『自分なりの知恵』に変換し、『行動を起こし』、最初は上手くいかなくても『諦めず』、『考えながら行動し続ける』こと。
ブレインゲイト メールマガジン “The Answer”より
Vol. 70◆2007年8月23日発行
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ここからは書籍「視聴率調査はなぜウチに来ないのか」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・現在、視聴率と呼ばれる世帯調査(ビデオリサーチという会社が行っています)のことで、個人視聴率ではありません。(中略)日本の全世帯数を5110万世帯とすると、世帯視聴率が30%の場合なら、1533万世帯が見たということです。
・お客さんの数を増やしたいなら、誰でも手が届く価格にして売る、逆に、限られたお客さんだけを相手にするなら、商品の数を絞って価格を高くして売る。
・同じジャンルの店舗が集まると、その場所はお客さんを集める力が強くなり、共存共栄できる場合があります。
・作家は自分の好きなことだけを書いていても、読者が面白いと思わない限り、本は売れません。売れる本を書くのが目的ではなく、ほかのヒトが興味や関心を持つテーマを見つけて書けることが、作家の力です。
・永遠に売れる4つのテーマ お金、健康、SEX、見た目
・新しい市場をつくる知恵
昔と同じ方法だけではメーカーの売上げは伸びませんから、知恵を絞ります。そこに登場したのが、「限定」という発想です。例えば地域限定商品です。明治製菓のマーブルチョコには北海道限定の夕張メロン風味
・「無印良品」は西部百貨店に入ってこそ成功した
「無印良品」があると、価格に対して品質とセンスが良いという特徴がお客さんに伝わったからです。
・ヒットを出せる企業ほど、大きな声で叫ばず、「あなただけにお知らせします」と囁いて、お客さんの関心をひきつけている
・南アフリカのヨハネスブルグに本社があるデ・ビアスというダイヤモンドの会社が、長期間にわたり「婚約指輪は、お給料の3か月分」と広告を行ったため、日本で定着したのです。
・お金では買えないサービスやもてなしが受けられる会員制度に、特に男性は関心を持ちます。
・新聞社は再販制度と呼ばれる“値引き販売を禁止している新聞の特殊指定”に守られ、明治以来のビジネスの仕組みでこれまで経営してきました。
・日本の新聞は、宅配する仕組みを考え出したお陰で多くの読者をつかみ、海外の新聞社と比較して発行部数が多いのが特徴です。
・祖父母は自分の子供以上に孫が可愛く、孫が喜ぶことなら喜んで消費も投資もします。
・一方通行の情報発信しかできない組織は置き去りにされ、お客さんと相互に情報を交換し、相互に学び合う組織は、サポーターを生み出していく。
・出発時に空港で預けたトランクは、到着した手荷物受け取り場でファーストクラスとビジネスクラス、そしてフリークエント、フライヤーの乗客から順番で出てくる仕組みになっています。(中略)“ドアサイド”と英文で表示されたタグがついていて、優先されて出てくる荷物の目印です。
・お客さんになる生活者の気持ちや行動を肌で理解するのが、ビジネスで成功する秘訣です。
●視聴率調査はなぜウチに来ないのか
酒井 光雄 著
\767(税込)
青春出版社 (20081年8月初版)
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