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絵本作家の育成に力を入れる学芸員、松岡希代子さん
「どんな大家にも新人時代」
絵本作家への登竜門で、39年の歴史がある「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」。入選作の巡回展が、東京・板橋区立美術館を手始めに来年1月まで兵庫、三重など5都県で開かれている。
今年は、59の国・地域から2500人以上が応募、うち日本人はイタリアに次ぐ591人で、年々増えている。入選者も92人中27人と、これまでで最多だ。「なかなか本にならないと、悩みながら制作している人が多い中で、入選は大きな励みになります」
海外の一流絵本作家や編集者を招いてセミナーを開いたり、世界中の出版社が集まる見本市「ボローニャ児童図書展」をホームページで紹介したりし、新人の実力アップと売り込みのための情報提供に力を入れている。絵本作家を目指す人が増えているのは、こうした地道な取り組みの成果とも言える。
しかし、「国内では新人の受け皿が少なく、絵本だけで生活していくことは難しい」。朗報といえば、海外でデビューする日本人が目立ってきていること。昨年の見本市で、前年に入選したある原画が、イタリアの出版社のブースで絵本として並んでいるのを見たときは、思わずカメラのシャッターを押した。
「どんな大家にも新人時代があったことを忘れないでほしい」。デビューを支える意気込みとぬくもりが伝わってきた。
読売新聞 総合欄 2006年9月20日
文化部記者 鳥居晴海氏より
小さいとき親に読んでもらった絵本。不思議と大人になってもボンヤリと覚えているものです。そして自分が読んでもらった本を子供に伝えていく。そんな絵本がこれからも多く普及してもらいたいものです。
絵本作家のデビューを支える影の立役者に感謝。
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