Tweet
書籍『だれが「本」を殺すのか』(佐野 眞一著)に、その仕組みが紹介されています。一部抜粋してご紹介いたします。
---------------------------------------------------
隔週ごとにの水曜日の午後7時、書評委員が築地の朝日新聞東京本社、新館4階の会議室に集まってくる。先ずは廊下を挟んだ別室に入り、大きなテーブルの上に並べられた約120冊の本の点検に入る。
これらの本は、各版元から送られてきた献本、銀座の特約書店が本屋の目で選んでとりおきしておいたもの、9名の読書面スタッフがそれぞれ買ってきた本、書評委員が事前に推薦したものなど約400冊から、前日読書面のスタッフが粗選びしたものである。
書評委員には120冊の本に対応して書名、著者名、版元名が書かれたリストが事前に配布されており、現物との点検作業をしながら、リスト名に「これはどうしても書きたい )本に◎。「これも書きたい」本に○をつけていく。○には冊数制限はないが、◎は原則1人3冊までである。
その作業が終わると向かいの会議室に場所を移していよいよ本番である。リストを集めた司会担当が者が「何番の本に◎がいくつ」と発表していく。
当然、書評委員同士で「書きたい」本がぶつかるケースがあり、その場合は、推薦した理由を各自がスピーチし、そこで誰が書くかが決定となる。途中、3千円くらいの仕出し弁当が出て、帰りは車が用意されている。
◎同士が激しくぶつかってお互い譲りあわない場合、最後はジャンケンで決めることも?!
実際に書評が出る前に、取次からごく内々のかたちでラインアップだけでも教えてくれないか、そうすれば書店にその情報を流す、という要望が入ることがある。
教えれば新聞書評の影響力が倍加し、実証することにもつながり、読者のためにもいいことだとは思うが、新聞の公共性を鑑(かんが)みると、読者の目にさらされていない情報をそういう形で事前に流すことに対しては、まだかなりのためらいがあるという。
書籍『だれが「本」を殺すのか』
佐野 眞一著より作成
※amazonで詳細を見る
---------------------------------------------------
その他、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞のどう書評欄が作られ、選書がどのようにしているのかは書籍『出版広告必携』(出版マーケティング研究会 編集、日本エディタースクール出版部)が役立ちます。以下のウェブサイトで抜粋して紹介してあります。※全国新聞の「書評」の仕組み
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.