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池上彰 氏より (フリージャーナリスト)

このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
      

・新聞の朝刊には、ざっと20万字ほどの文字が印刷されています。これは、書籍にすれば、新書2冊分に相当します。つまり、新聞を毎日読み続けていけば、あなたは、知らず知らずのうちに、大変な情報量を接していることになるのです。
  

・新聞はただ読むだけではもったないと思っています。たとえば、関心のある記事を切り抜く、新聞記事をヒントに企画を考える。思わず引く込まれる文章を熟読することで自分の文章力を高める。評論家や学者の分析、論説の鋭さを学ぶ。
   

・東京や大阪などの大都市に住んでいる人は、「新聞」というと読売、朝日、毎日、産経などの全国紙を思い浮かべる場合が多いのですが、地方に住んでいる人にとっては、「遠い東京の記事よりも、地元で何が起っているかのほうが大事」なのです。だから全国紙は二の次、まずは地元紙を読むというケースが目立ちます。
  
 
・全国紙は、東京や大阪などの大都市にいる人を念頭に編集していきます。ですが、全国紙といえどもブロック紙の集合体のようなものなので、全国ニュースがすべて網羅されているとは言えません。

朝日新聞、読売新聞といった同じ題字の新聞でも、東京本社発行と大阪本社発行のものでは、まったく違う新聞と思える場合さえあります。


たとえば、東京には巨人ファンが多いので、巨人がいくら弱くても「腐っても鯛」のような書き方をします。しかし大阪版を見ると、阪神タイガース快進撃のニュースで埋め尽くされています。


関西には圧倒的に阪神ファンが多いので、彼らが喜ぶ記事を書くのが新聞の拡販につながるからです。巨人の親会社の読売新聞でさえ、関西では阪神の扱いが大きくなります。
   
・1段の行数や改行の記号にも、新聞ごとのこだわりがある。朝日、毎日、日経は1行が11文字です。読売は12文字です。
  
・新聞記事には「事実」と「意見」がある。つまり、どこまでが事実なのか?どこからが意見なのか?とマーカーを引きながら丹念にチェックする習慣をつけると新聞の読み方が変わってくる。
  

・阪神淡路大震災をきっかけに国立国語研究所などが始めた研究で、やさしい日本語で説明したら、一般の言葉よりはるかに理解度が高かったという結果も出ています。つまり、わかりにくい外来語を日本語に言い換える提案をしましょうということ。例えば、アカンタビリティーを説明責任、イニシアチブを主導・発議とは、セーフガードを緊急輸入制限などです。
   
・新聞広告で、これから伸びる企業を探す。日経の広告に注目して、どんな企業がどんな広告を出しているかをチェックする習慣をつけることが大切。その企業の広告がどんなアピールの仕方をしているかを読み取れば、意外なビジネスチャンスが生まれるはずです。
  

・書籍、雑誌広告は宝の山。本は世の中のニーズや考え方を映す鏡なのです。
   
・新聞には、「広告掲載基準」があります。新聞社はどこも、日本新聞協会が定めた「新聞広告掲載基準」や各種の法令に基づいて、広告を掲載するか否かを決定しています。
   

・インターネットの価値は速報性にありますから、これは「いま世界で何が起こっているのか」を把握するには役立ちます。しかし、情報を取得選択して並べたものではないので、これを鵜呑みにするのは危険です。
  

・新聞を軸に情報収集する方法。

 1、まず気になったテレビニュースで主なニュース項目を確認。
 2、気になったニュースを新聞記事で熟読。
 3、ニュースの速報はネットでチェック。過去の記事は記事検索で拾い出す。
 4、もっと詳しく知りたいもの、理解を深めたいものは、遅れて取り上げられる週刊誌や月刊誌、専門の経済誌で勉強。
  

・新聞の編集局には、「論説委員」と「編集委員」という人たちがいます。社説を書く人たちは、「論説委員」と呼ばれいます。長年、記者経験を積んだ人たちがこのポストに就きます。「編集委員」とは、特定の持ち場を持たず、自由に取材して自由に原稿を書くことをできる人たちのことです。こちらもベテラン記者が就任し、若手記者のとってあこがれの存在となります。
  

・通信社とは、独自に取材し記事や写真を新聞社や放送局に提供する会社のことです。日本では、共同通信社と時事通信社があります。
   

・特ダネには2種類ある。ひとつめは、「いづれ発表されることをいち早く伝える。」2つめは、「報道されなければ決して明るみに出なかったことを報道する。」ことです。
  

・新聞の良さ。「アナログ」だからこそ発見できることがある。自分でも気づかない自分自身の関心は、デジタルでは決して発見できないのです。新聞をスクラップするために必要な記事を探していると、その横に思いもよらないような記事を発見することがあります。


こんなとき、まったく関係ない記事同士が結びついて、いままでにない発想が生まれることがありました。スクラップは、「新たな発見」の喜びを与えてくれるのです。
  

・新聞は「起承転結」ではなく「逆起承転結」。コラム以外の記事では、原則として最初に結論から始めるものです。新聞の読者には忙しい人が多いので、結論までじっくり文面を追っていくという余裕がないからです。


だから新聞は一番伝えたいことを最初に書き、2番目に大切なことを書き、そしてじっくり読む人のために「背景」を書くというスタンスになっています。最初に、見出し、リード、そして本文という順番。その記事の大事な部分は、見出しとリードの中に含まれていると考えていいと思います。
   
   
    
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・伝えること。話す、書く、そして聞く、この行為は、まさにコミュニケーションです。

・伝えるために大事なこと。それはまず自分自身がしっかり理解することです。自分がわかっていないと、相手に伝わるはずがないからです。

・聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。自分は何も知らないことを知り、他者から謙虚に学ぶこと。この姿勢さえ持ち続けていれば、コミュニケーション能力は確実に向上していきます。

・相手の「へぇー」を増やす。企画やプレゼンテーション、日常の会話で相手がどんなときに「へぇー」という反応を見せたか、注意して見てみましょう。そのときに内容を覚えておいて、別の人に話す。

・叱るのは1対1が大原則。

・NHKでは、番組の企画を提案する場合、提案書をまとめます。番組の規模に関係なく、10分程度の短時間番組も一時間半のスペシャル番組も同様に、A4の用紙一枚に書きます。内容は、仮タイトル、ねらい、構成要素、結論などです。

・文章力をアップさせる。
1、プリンアウトして読み返す。取引先や顧客にメールを送るとき、見直しをしてから送っていますか。見直すことの効果は、多くのことに気づくからです。誤字や脱字、表現の不適切さ、幼稚さ、難解さ、論理展開が未熟など。
2、寝かせてから見直す。
3、音読する。
4、上司や先輩に読んでもらう。

・「ところで」、「さて」は使いすぎない。


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