このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・新書ブーム、文庫ブームはなぜ繰り返されるのか。戦後の出版史を振り返ると、新書ブームや文庫ブームがなんども起きている。
・ウワサによると、数百社の出版社がブックオフに本を持ち込んでいるという。その影には、出版社の過剰在庫という問題がある。
・ベストセラーは時代の鏡だ。ただし、そこには錯覚もある。ベストセラーは「読まれた」本ではない。「買われた」本なのだ。買った人が必ずその本を読み返し、あるいは内容に共感したとは限らない。
ベストセラーが時代を映すのは、「買う気」にさせる、「読む気」にさせる、その一瞬においてである。したがって、ベストセラーから時代を読もうとするとき、あまり内容にとらわれては見誤る。なぜ「買う気」「読む気」を喚起されるのか、消費のその表象にのみ時代は宿っているのだ。正しく言うと、ベストセラーの上っ面に、その時代と社会は映っている。
・毎日200点から300点もの新刊が出ているというのに、日本にはそれをリアルタイムで網羅したデータベースもなし、出版予定をきちんと載せた出版情報誌もない。
書店向けに発行している「トーハン日報」や「日販速報」というものがあるが、これも、載っているのは新刊のごく一部でしかない。
・人々の関心が一部のベストセラーに集中し、それ以外の本があまりかえりみられない。あたかもベストセラーだけが本であるような傾向はますます強くなっているのではないか。
だからこそ大きな声で言いたい。ベストセラーだけが本じゃない。
●ベストセラーだけが本である
永江朗 著
筑摩書房 (2003/3)
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