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横森正樹 氏より (百姓)

このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
           

・生産のすべては健全な土づくりにあり

・作物は自分が成長するために、土から莫大なエネルギーを吸収する。

・丈夫な土は、たいがい触ってみるとやわらかくて「ほわぁん、ほわぁん」としているものだ。

・野菜は通常、農家が取引先まで運んだり送ったりするのが普通だが、私の場合、逆に、取引先に畑まで取りに来てもらっている。

・時間厳守と、仕事とプライベートを分けるアメリカ人
「終わり」と言われたら、彼らはたとえ途中であっても肥料袋を畑に置き去りにして、監督の元へ走っていく。「あと五分で終わるから」は時間の管理ができていない人

・飾る必要なんかないじゃないか。百姓なんだから百姓と言えばいい

・野菜か果樹かどちらにしようか迷ったが、「野菜なら、種蒔きから収穫まで半年間に集中している。(中略)」ということで野菜を選んだわけである。

・化学肥料のおかげで堆肥による土づくりをしなくなっていた。

・「がんこ村」という名前の由来は、炭、木酢といった天然の資源を利用し「がんこなまでに、ひたむきに食品づくりに取り組む生産者たち」ということだ。

・いま、生産者にとっていちばんの悩みは「どうやって売るか」であろう

・生産者はものをつくるだけではだめ。売ることも自ら行うべき

・群馬県は準高冷地、長野県は高冷地なので、味や日もとが良いということから、もともと、群馬県の野菜よりも長野県の野菜のほうが高値で取引されていた。そんなことから、長野県から群馬県の市場に持ち込んだ。

・市場を通さず取引するにあたって、私は漬け物業者との間で、お互いが損をしないように、上限および下限価格を決めた上で、市況に参考に価格を決めることにした。

・農業について知れば知るほど、私は中間流通に問題があることを感じるようになった。

・野菜は畑で渡す(中略)スーパーの店舗や物流センターまで運ばせるのが普通である。だから私のこの提案は、まさに型破りのものだった。

・組合員のための農協が作られた「原点」から離れてしまって、金融や共済だけに力を入れてしまっている。そんな農協は、いずれ崩壊してしまうのではないかと思っている。

・「肥料設計」とは、土の状態を確かめながら、次に作付けする作物のためにはどんな肥料、資材をどのくらいの割合で組み合わせて入れるかということを決めていく作業である。

・記録をつけることが経営の第一歩

・今後中国や東南アジア諸国が農業技術を発展させ、日本を追い上げてくるのは目に見えている。

・多くの農家と違い点があるとすれば、土づくりにこだわって農業を続けてきたということに尽きると思う。

・販売に関しても農協に任せっぱなしで、農協もそれをすすめてきたということもあって、農家は生産も販売も楽なほうへと行ってしまったのだと思う。

・農業経営をやって行こうとする人にとって、忘れてはならない三つの前提がある
1、農産物の値段はしばらく上がらない。
2、大規模経営は日本には向かない。最終的には「家族経営」が生き残る
3、「有機」、「ブランド」といって高く売れる時代は終わった。これからは、「いかに安く売って儲けるか」である。

・個性ある商品が求められている

・今後流通は大きく変わると思う。スーパー同士の競争も激しくなり、各スーパーとも、自分のところでしか扱っていないような商品を重視する時代になると思っている。

・土づくりに投資せよ。

・農業経営に最も大事なポイントは次の四つ
1、土づくりに投資をする
2、販売の努力をする
3、企業的感覚を養う
4、コスト削減の限界まで取り組む

・私たちが消費者の情報を欲しがるのと同じくらい、売る側は産地の情報を欲しがっている。野菜の作柄、天候、新しい品種など、「生産者しか知らない生きた情報」を求めているのである。

・相手の利益が何であるか把握して、まずは相手の利益を与える。こうした考えはいまに始まったことではないが、この原則は忘れずにやってきた。

・「作れるわけがない」というのは単なる思う込み、つまり自分自身への甘えである。そうした甘えが、それ以上の行動を起こさせないだけなのである。

・いかにおいしく、安全な農産物を作ることができるか考え、そのための豊かな土を作ることが百姓の原点である。

・いまの農産物流通の一番の問題点は、生産者は作りっぱなし、流通業者は売りっぱなし。お互いの協力もなければ、情報交換もない。それでいて「売れない。売れない」と悩んでいるのである。

・消費者がどんなことを望んでいるのか流通業者を通じて聞き、生産者は勉強をする。また生産現場のいろんな事情を流通業者に率直に伝えて、理解してもらう。

・息子の嫁さんになる○○○を私の「養女」として戸籍に入れた。(中略)「養女」にしたのは、私の子供たちと同じだけの財産を嫁さんにも分けたいち思ったから

・ここまでやってこれたのは、やはり農業が好きだったからである。

・日本の消費者は「曲がったキュウリ=よい野菜」というのが常に真実と限らないことにも気がつかないように見える。

・働く限り、そこにはきちんとした報酬が、利益がなければならない。

・現在の農協の柱はすでに金融と共済になっており、設立当初の目的である生産者の育成、援助は影も形もなくなっている。
           
              
●夢の百姓 「正しい野菜づくり」で大儲けした男 より
横森正樹 著
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白日社
2002年4月初版
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