このページは、書籍「ゲームニクスとは何か」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・「人を夢中にさせるにはどうしたらよいのか」というこのノウハウが、ゲームを超えて他のメディアやサービスにも応用が効くということも分かってくる
・日本ゲームは、説明書なしですぐに遊べることができるうえに、「集中してのめりこんでしまうノウハウ」が盛り込まれているのです。これこそが、世界で大ヒットした大きな理由のひとつなのです。
・人を夢中にさせるゲーム作りの要素として、「ストレス」は重要です。プレイヤーにある種のストレスを与えながらも、それを乗り越えた先に快感が待っていると感じてもらい、それを乗り越えたいと思わせるという「ストレスと快感のバランス」が、ゲームを作るのうえで一番大切なポイントになっているからです。
・ゲームを科学したという意味の「ゲームニクス」という言葉を作りました。
・マニュアルがなくても、直感的に、本能的に理解し、操作できるようにすること
・難しいことでも自然とできるようにする
・飽きずに進めさせる工夫(中略)「探索」と「戦闘」の繰り返しが、まさに先ほどの「はまる演出」に相当している
・「ドレクエⅠ」
プレイヤーが覚えやすいように、呪文の名称が体系づけられています。弱い回復呪文は「ホイミ」、中くらいの回復呪文は「ベホイミ」、強力な回復呪文は「ベホマ」という具合です。
・テレビゲームにおおてプレイヤーが求めているのは、現実そのままのリアル感ではありません。現実をうまく抽象化し、誇張するすることで、“現実よりもリアル”な「超リアル」感を演出できるということが、大きなポイントなのです。
・異例な大ヒットとなった背景に、DSが今までのゲーマー層(ゲーム好きな人たち)だけでない、新しい市場を開拓したことがあげられます。中でも40代から50代といったシニア層を開拓したことで一気に市場に広がりました。(中略)中でもキラーソフトとなったのが、知育ゲームの「脳トレ」「もっと脳トレ」でした。
・ニンテンドーDSが、シニア層を獲得できた理由
「勉強もしないで、ゲームばかりして」というマイナス印象の強いテレビゲームに対して、少しでも興味を持ってもらうこと。そして、最低でも“嫌われない”できればゲームファンになってもらえるような製品を造ること。この2つが、非常に重要だったはずです。
・まったくゲームを知らない人をハマらせた「脳トレ」のワザ
いきなり画面にたくさんのメニューを表示するのでなく、「簡単な選択を繰り返し続けてもらいながら、操作に慣れてもらう工夫」がなされています。
さらに「終了」ボタンを画面に表示して、常にユーザーが最初の画面に戻れるようにしています。
・「Wii」には、今までのゲーム機にはない、今までのゲーム機では成功させることができなかった、2つの特徴があるのです。
第1の特徴は、見ての通り、リモコン型コントローラーという斬新なスタイルです。(中略)
第2の特徴は、情報末端としての性質を最初から備えていることです。
・まったく新しい操作系は、それだけでユーザーの混乱や反発を招きます。
・子供は「ゲームだから」夢中になるわけではありません。夢中にしてしまう仕掛けがあって初めて、夢中になるのです。
・「お年寄りだからスピードを遅くする」等のことは「ゲームの面白さを変えてしまう」ことになってしまうのです。
・ユニバーサルデザインの七原則
1、どんな人でも公平に使えること
2、使う上で自由度が高いこと
3、使い方が簡単で、すぐに分かること
4、必要な情報がすぐに分かること
5、うっかりミスが危険につながらないこと
6、身体への負担(弱い力でも使えること)
7、接近や利用するための充分な大きさと空間を確保すること
・「1、どんな人でも公平に使えること」の例として、よく引き合いに出せれるのが、「右利きでも左利きでも同じように使えること」です。(中略)Wiiコントローラーは片手で操作するので、右利きでも左利きでも同じように遊べます。
・私が「ゲームに夢中になる秘密」を体系化していく過程で気がついたのは、このノウハウは「日本のもてなしの文化」が生んだものであるということでした。
●書籍「ゲームニクスとは何か」 より
サイトウ アキヒロ 著
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