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※書籍「定本ベストセラー昭和史(塩沢 実信 編集)」より
昭和の半世紀にわたる各年度のベストセラーをとりあげてきて、明らかになったことは、ベストセラーには、何種類かの型がある・・・あるいは、ベストセラー化しやすい内容があるということである。ベスト10の記録が残る戦後から、小説には触れないで、その型を抽出してみると、およそ次のようになるだろう。
(一)
「真相はこうだ!」もの。森正蔵の『旋風二十年』や、マーク・ゲインの『ニッポン日記』に見られる隠蔽された過去を暴いた内容。
(二)
セックスもの。V・D・ヴェルデの『完全なる結婚』、謝国権の『性生活の知恵』など、性生活のノウハウに切り込んだ医学書や告白もの。
(三)
人間の邂逅と別離ー愛と死に関するもの。永井隆の『この子を残して』、河野實・大島みち子の『愛と死をみつめて』など。
(四)
人生洞察もの。三木清の『人生論ノート』、大松博文の『おれについてこい!』、扇谷正造編の『私をささえた一言』など。
(五)
宗教もの。池田大作の『人間革命』、御木徳近の『愛』、高田好胤『心』など、巨大宗教団体の教祖、指導者の心の救いとなる著書。
(六)
実用もの。『日米會話手帳』、岩田一男の『英語に強くなる本』、林髞の『頭のよくなる本』、塩月弥栄子の『冠婚葬祭入門』など、日常生活の方便となるノウハウを説いた本。
(七)
占い、予言もの。黄小娥『易入門』、和泉宗章『算命占星学入門』、五島勉『ノストラダムスの大予言』、細木数子の『六占星術による運命の読み方』など。
(八)
タレントもの。森赫子『女優』、山口百恵の『蒼い時』、黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』、和田アキ子の『和田アキ子に文句あっか!』に代表される芸能タレントの内輪話。
●書籍「定本ベストセラー昭和史」より
塩沢 実信 編集
\2,310(税込)
展望社 (2002年7月初版)
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