このページは、書籍「ベストセラー作法」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・著者の書名を変える
著者がつけた書名をかえて成功した例に、草場栄の「ノロ高地」がある。
・あやかり型書名
あやかり型とは、ベストセラーになった書名をまねる手である。
・あまりにも当たり前すぎる話である。宣伝のないところに、ベストセラーはおろか、ほとんど売れないのは必定。どんなものが出ているか知らないでは、買いようがないからである。
・ポプラ社の屋上で 社長の久保田忠夫さん
「ポプラの木って、弱そうに見えて実に丈夫なんですね。土蔵のかたわらに植えたときには手に中にはいるほど小さかったが、今ではこんな大木になりましたよ。強い雨や風にもさからわず、ゆさゆさ揺れるが、めったに折れません。たとえ折れても、地面についたそこからまた、新しい芽が吹き出る強靭さで、決して枯れるようなことがありません。そんなところから思い出のポプラに因んでつけました・・・」
・光文社といえば、ベストセラーという言葉が連鎖反応を起こすほど、出版界の名物となり、神吉晴夫の株もすっかり上がってしまった。
・光文社といえば、ベストセラーという言葉が連鎖反応を起こすほど、出版界の名物となり、神吉晴夫の株もすっかり上がってしまった。
すなわち、波多野勤子の『少年期』が二十六年度ベストセラーの第一位を占めて以来、次のようなものがベスト・テンにはいっている。
波多野勤子 『少年期』 45万 26年度
壺井 栄 『二十四の瞳』 36万 27年度
安田徳太郎 『人間の歴史』 40万 28年度
ローゼンバーグ 『愛は死をこえて』 45万 29年度
望月 衛 『欲望』 45万 30年度
三笠宮崇仁 『帝王と墓と民衆』 20万 31年度
田宮虎彦・千代 『愛のかたみ』 45万 32年度
坂本 藤良 『経営学入門』 26万 33年度
安本 末子 『にあんちゃん』 62万 34年度
松本 清張 『ゼロの焦点』 27万 35年度
林 髞 『頭のよくなる本』 63万 36年度
まだこのほかにも二十万以上のものを挙げれば、伊藤整『火の鳥』、同『文学入門』、渡辺一夫『うらなり抄』、正木ひろし『裁判官』、岡倉古志郎『財閥』、松本清張『点と線』、林髞『頭脳』、日高孝次・艶子『エチケット』、藤本正雄『催眠術入門』、南博『記憶術』と目白押しに並んでいる。
そしてついにカッパ・ブックス創刊(昭和二十九年十月)以来、六年にして一五七点・総発行部数一、五〇〇万部の金字塔を打ち樹てた。
・ベストセラーほど恐いものはない。もうけ放しだったら、これほどいいものはないが、一度誤ると、今までのもうけを全部はき出すばかりか、いのち取りになるからだ。
どうしてそんなことになるのだろう?一言でいえば刷り過ぎである。見込み違いといってもいいだろう。(中略)
もうかったところでピタリと止められばいいだろうと、思うかもしれぬ。そのとおりである。ところが人間の悲しさ(欲にきりがない)というか、組織の手枷足枷というか、わかっていながらずるずると恐るべき深淵へはまりこんでしまうのだ。
・ベストセラーの条件
エイティックなもの・・・性(セックス)に関係があるもの
セントメンタルなもの・・・純愛もの
プラスになるもの
・わるいものはベストセラーにはならない。いいものもベストセラーにはならない。
●書籍「ベストセラー作法」より
山崎 安雄 著
白凰社 (1961年9月初版)
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