このページは、書籍「ママが子どもを地震から守るための本」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・ 「鼓動」 浅田志津子
家の中で遊んでいたら
突然 床がぐらりとゆれて
その瞬間に お母さんが
ものすごいこわい顔をして
ぼくの上におおいかぶさった
ものすごく地面がゆれて
ものすごく大きな音がして
いろんなものがたおれた
ぼくは うつぶせになったまま
お母さんの悲鳴を聞いた
ものすごい重さにたえて
お母さんの下で かたくなっていた
ようやく地面がゆれなくなって
うそみたいに静かになった
「重たいよ、お母さん」
そう言ったけど 返事がなかった
何度もさけんだのに
ぼくの上にかぶさっている
お母さんは 動かなかった
なんだかすごく怖くなって
涙がボロボロこぼれた
しばらくのあいだ
そうしていた
ありったけの力をだして
お母さんの下からでようと
何度もがんばったけど
うつぶせのぼくの上には
太ったお母さんがいて
お母さんの上には
たくさんのものが
重なっているみたいで
どうしてもだめだった
いつのまにか
疲れてねむってしまった
トク トク トク トク・・・
ぼくの背中がなにかをきいた
トク トク トク トク
ぼくの上におおいかぶさった
お母さんの心臓の音が
お母さんの鼓動が
ぼくの背中をつうじて
ぼくの体にひびいていた
体じゅうから涙があふれて
ぼくはありったけの力をこめて
ものすごく大きな声でさけんだ
「ウワァーッ!!!」
「うちのなかでさけばないの。
ご近所迷惑でしょう」
いつも
そうぼくをしかったお母さんは
今度はしからなかった
静かなお母さんを背おって
ぼくはさけびつづけた
さけびつかれると 少し休んで
そして また
さけびつづけた
長い 長い 時間がすぎて
知らないおじさんたちが
ぼくをたすけだしてくれた
「坊主、ひとりでよくがんばったなぁ」
おじさんがぼくの頭をなでて言った
「・・・ぼく、ひとりじゃなかったよ」
おじさんはなにも言わずに
ぼくの頭をもう一度なでた
トク トク トク トク・・・
あのとき お母さんの鼓動は
とちゅうから
そっと ぼくの鼓動にかさなった
そして
お母さんはぼくのなかにはいってきた
だから
ぼくはひとりじゃなかったし
これからも ずっと
ひとりじゃないんだ
そうだよね
お母さん
そうよ
ゆうちゃん
詩集「最後のだっこ」(本の森)より
・自分が下敷きになったら ポイント
1、体を動かさない
2、人に知らせる
3、体力を温存させる
4、大小便はかまわずしてします。
5、希望を捨てない
・家族が下敷きになったら ポイント
1、救助を呼ぶ
2、119番に電話をする、してもらう
3、家族が近くにいる(励ます)
・連絡が取れなくなった時に落ち合う場所を決めておく。電話なら災害用伝言ダイヤルで
災害用伝言ダイヤル 忘れてイナイ(171)
伝言を録音 171+1+被災者の電話番号
伝言を再生 171+2+被災者の電話番号
・テーブルの裏に懐中電灯、脚にすべり止めをつける
・シェルターポールは、テーブル板の裏の中央位置と床との間に設置する、いわば5本めの超強力な脚です。
・背の高い家具の店頭防止 食器棚、本棚、タンスなど
タンスと天井の間に発砲スチロール製のブロックを置きます。間をピッタリさせるには、ブロックを削って、高さの微調整をします。
・非常用持ち出しリュックにつめるもの 大人用
水 家族1日分、乾パン、ビスケット、レトルト、缶詰、ラジオ、現金(小銭)、住所録、通帳、番号等のコピー、懐中電灯、乾電池、衣類、下着、タオル、歯みがき、ハブラシ、筆記用具(メモ、鉛筆)、薬袋、トイレットペーパー、ウェットウィッシュ、清浄面、生理用品など
・避難所生活で、役立つ遊びアイテム
折り畳みの双六とサイコロ、トランプ、空気でふくらますビニールボールなどは、みんあで遊べ、しかもかさばらないのでおすすめです。(中略)子どもの笑顔があれば、大人の復興への意欲につながっていくでしょう。
・荷物を感じさせる方法
リュックの上より下のほうを軽くすると、背負った時に軽く感じます。
・運転免許証や保険証、数冊の通帳の表紙口座番号が入っている部分、カード番号、生命保険証の番号、アドレス帳のコピー、紛失時の緊急連絡先などもメモに取っておくと、なおいいでしょう。
・処方されている薬の名前や量をメモする
●書籍「ママが子どもを地震から守るための本」より
ママが地震災害から子どもを守るプロジェクト 著
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メイツ出版 (2007年8月初版)
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