このページは、書籍「書籍出版のマーケティング~いかに本を売るか(出版マーケティング研究会 編集)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・商品としての出版物の特性
1、商品価値の評価に関して個人差がきわめて大きく、価値の客観性と安定性が乏しいこと
2、出版物は1点ごとの相互に代替性の低い、独立した個別商品であること
3、読者の出版物に対する評価内容や、需要度の強さなどを把握しがたいこと
出版物は、あらかじめ存在している一定量の需要をみたしてゆくタイプの商品ではなく、新しい出版物はそれまで存在しなかった新しい需要を、創り出してゆく性格の強い商品であると考えられる。
4、同一個人による、反復行動や大量購入が期待できないこと
・出版物に対する需要はあらかじめ存在しているというより、その出版物の出現によって新たに創り出されるという性格が強い。
・企業理念に基づくいわゆる「良書」の出版が、営利面で経営に貢献するとは限らぬこと
・朝日新聞朝刊一面のいわゆるサンヤル広告は、書店とはじめ出版業界関係者の注目度がきわめて高い広告スペースとして衆知されている。
・出版社の組織編制の例
個人出版社 個人経営者
小規模出版社 個人経営者--編集、営業、管理
中規模 出版社 個人経営者--編集--企画、編集、製作
営業--販売(営業)、宣伝、広告、商品管理
管理--財務、総務、人事
・原価構成明細
製作原価 直接制作費 製版代 活版組版と紙型・オフセット原版・版下制作など 刷版制作(鉛版、オフセット刷版)
用紙・材料代
印刷代
製本代
印税 印税
翻訳権料
編集費 企画取材費・編集費(物件費)
原稿料・画料等
装丁料
経費 販売経費 販売費(人件費と物件費)
広告宣伝費(人件費と物件費)
在庫経費(人件費と物件費)
一般経費 製作原価および販売経費に該当しない全ての人件費、物件費
コストプラス方式では原価のうちの「製作原価」は単品別に算定
把握するものの、「経費」についてはあまり厳密に考えていないこと
・出版マーケティング研究会参加者リスト
生田 哲雄 (博報堂)
植村 昌機 (日本経済新聞社出版局)
榎本 敏彦 (白水社)
大川錠一郎 (誠文堂新光社)
工藤 美夫 (吉川弘文館)
坂井 真弥 (東京大学出版会)
坂本 幹雄 (大修館書店)
塩入 章夫 (研究社)
鈴木 正 (吉川弘文館)
瀧内 明 (オーム社)
田中 市三 (サクラクレパス)
田村 哲三 (誠文堂新光社)
中陣 隆夫 (東海大学出版会)
中山 隆司 (日本評論社)
福島 啓介 (博報堂)
堀内 元雄 (博報堂)
村崎 和也 (有斐閣)
森岡 正臣 (日刊工業新聞社出版局)
森沢 弘雅 (柴田書店)
山本 友行 (情報堂)
吉田 一秀 (日本教文社)
芳野 久雄 (文化出版局)
<五十音順、( )は入会時点に於ける所属>
●書籍「書籍出版のマーケティング~いかに本を売るか」より
出版マーケティング研究会 編集
¥3,000(税込)
出版ニュース社 (1991年6月初版)
amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.