このページは、書籍「私の歩んだ道~ノーベル化学賞の発想(白川 英樹 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・なぜアメリカはノーベル賞の受賞者が多くて、日本には少ないのか。
理由は、二つ、三つあると思います。
優秀な人材がアメリカに集まるための環境が整っていることが、一つ、
二つ目は、集まってきた人を正当に評価するシステムができていることにあると思います。
それから、三つ目は、一人ひとりの研究者が、自分の仕事をおもしろく、分かりやすく、整然と、他人に説明する習慣が確立していることです。
考えようによっては、「宣伝」です。これは、二番目に挙げた評価システムと、表裏一体だと思います。
・本人がおもしろいと思えば、自然と好奇心が芽生えるものです。
・昨年十月十日の夜、ある通信社からノーベル化学賞受賞の第一報を受けたとき、科学者のひとりとして最高の栄誉を受けるうれしさというより、これは困ったことになった、大変だぞ、という困惑が先に立った。
否応なしに大騒ぎになるのは目に見えることだし、大学教官を退官し、これからは静かな生活を楽しもうと思っていた矢先の私にとって、その渦中に巻き込まれるのは望むことではなかったからである。
一瞬ではあったが誤報であってほしいと思いや、頭の片隅で「辞退」という言葉も浮かんだ。
●書籍「私の歩んだ道~ノーベル化学賞の発想」より
白川 英樹 著
¥1,050(税込)
朝日新聞社 (2001年2月初版)
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