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書店員の声 「広告・記事掲載本の情報を」

出版業界紙の 「新文化」 2008年11月20日“レジから檄”から


「広告・記事掲載本の情報を」 岩立千賀子氏(千葉/浅野書店児童書担当)

 毎日読んでいる新聞の広告料はいくらぐらいかかるのでしょうか?お客様はよく新聞の切抜きを持って来られます。とてもありがたいことです。切抜きだと、どこの版元のものかすぐ分かるので探しやすいからです。


しかし、広告に載った本は昨日、今日、出版されたものばかりとは限りません。何ヶ月も前に刊行されたものを載せることも多いのです。


今朝の新聞に載っていたのだから、今日出た新刊だと思われるお客さまも多く、買いに来られて品物がなかったりすると、「何だ、この店は、今日出た新刊(と思っている)も置いてないなんて」と憤慨されて帰られる、もしくは他の店に行かれてしまうことが多いかと思います。


 また、品物がないならば、取り寄せしてくださいとおっしゃってくれる、ありがたい方もいて、それではと版元に在庫を確認すると、「その本は前から品切れていて、重版の予定はない」という返事。


在庫がないなら、なぜ新聞に広告を出すのでしょう?私は前からとても疑問に思っていました。広告を担当される方は、自分の会社の在庫を確認しないで広告を出しているのでしょうか?


それとも広告を出す本は何ヶ月も前から決まっていて、その間に売切れてしまうのでしょうか?そのような中でも、事前に「広告を出すので注文はどうですか」とファックスを流してくださる版元さんももちろんおります。


でも、新聞に載る二、三日前にファックスが送られてくると、注文が間に合わないことも多いのです。広告もそうですが、本の特集の記事なども分かった時点で事前に教えてもらうわけにはいかないでしょうか?


昨年、クリスマスの一週間くらい前に、「クリスマス おススメ児童書特集」が新聞一面に広告も兼ねて掲載されていました。


さっそく、お孫さんのプレゼントにと、お客さまが切抜きを持って来られましたが、品物がなくて売りそびれたという苦い経験をしました。この時期だと、発注も間に合わないので、事前に分かっていたら…と残念でなりません。


新刊はともかく、既刊本を広告や記事で載せるときには、できるだけ早め、早めに情報を流してほしいです。私たちはたくさん本を売りたいのですから。


※出版業界紙の 「新文化」 2008年11月20日より
http://www.shinbunka.co.jp/