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[ 出版業界の専門用語 ]

「落丁・乱丁本」ってなんで“丁”なの?

書籍の奥付には、よく「落丁・乱丁本はお取替えします」と入っていることが多いです。が、なぜ、本なのに“丁”という字が使われているのでしょうか?


“落丁”とは、その名の通りページの一部が抜け落ちていることですから“落頁”として、“乱丁”とは、頁の順番が乱れることですから、“乱頁”とするほうがわかりやすいのではないでしょうか。


なぜ、「落丁・乱丁」と使われているかその理由を、書籍『本の周辺(布川 角左衛門 著)』から学びたいと思います。
 

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こんにち、たいがいの書籍の奥付に、「落丁・乱丁本はお取替えします」と書いてあるが、その「丁」である。いうまでもなく、表裏二ページから成る一枚のことであるが、これは和本からの転用である。


つまり、和本は、片面しか刷れない和紙を使うために、袋綴(ふくろとじ)である。その袋になる一枚を「一丁」と呼び、折目の部分に、いわゆる「丁づけ」をつけるのが普通であった。


ページという概念や数え方は、文明開花の明治時代になり、両面の印刷のできる洋紙が使われるようになってからのこと。


丁には、もともと偶数の意味がある。結局、二ページ分のa leafと同じになるところから、洋装本でも、和本の「丁」がそのまま定着したものと解されるであろう。

             
●書籍「本の周辺」より
布川 角左衛門 著
日本エディタースクール出版部 (1979年1月初版)
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