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武塙 修 氏より(書籍「流通データでみる出版界 1974‐1995」より)

このページは、書籍「流通データでみる出版界 1974‐1995(武塙 修 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・1977年
平均定価がここ2年間、引き続いて3%、2%とダウンしている。これは定価の値下がりによるものではなく、文庫ブームに端を発した低価格現象の結果である。


・1979年
書店の売れ行き伸び悩みに対処して、出版社がそれぞれ独自の新ルートを開発しようとする動きが活発になってきた。


・1987年

出版物の取引条件に関する実態報告書 (通産省)

1.正常ルート(書店ルート)  72.5%
2.割賦ルート         8.5%
3.教科書ルート        5.5%
4.生協ルート         5.5%
5.鉄道弘済会ルート      2.5%
6.新聞販売ルート       2.5%
7.直販ルート         2.0%
8.輸出ルート         1.0%
9.スタンド販売ルート(正常ルートに含む)
計              100%


・1992年
1993年(平成5)年2月4日付の「新文化」の一面トップ記事『セブンイレブンの雑誌販売額が1,000億円を越えて、紀伊國屋書店の売上額900億円を抜いてトップになった。(村上伸明氏記)』


・出版社年間売上総額(50社)


・1995(H7)年 都道府県別書籍・雑誌実販売額および1人当たり購入額(書店経由分)


・’96書店事情
八百一喜(やおかずのぶ)
(株)ニッテン専務取締役

1.書店を取り巻く環境の変化

この20年間、書店を取り巻く環境は時代ともに大きく変化してきた。とくに’85年から10年間の変化は急激で大きいものがある。
その特徴的なものは・・・・・
①立地の移り変わり
②競争の激化
③業際化
の3つがあげられる。


・書店の立地の変化

書店は新たな販路を求めてその立地を変化させてきた。それは大きく分けると4つの時代に分類することができる。

①商店街・繁華街の時代

大型店は繁華街に、中・小の店舗は商店街に立地

②ショッピングセンター(SC)の時代

70年代に出現したビックストアやSC内へのテナント出店。

③駅ビルの時代

旧国鉄・JRを中心とした駅ビルSC内への出店。

④郊外の時代

80年代に入って、都市と都市を結ぶ生活線上や、中心街から郊外へ向かうアーバンエッジに出店。駐車場完備、終夜営業、フリースタンディング(独立店舗)複合型書店も誕生。
このような①から④の立地の変化は書店の新しい販路を求めての市場開拓であった。さらに現在は新しい2つの立地のタイプがあらわれてきている。

⑤-1 新複合SCへの出店

これは商業、住宅、オフィス、コンベンション、ホテル、文化センターなど、いろいろな用途、目的の機能が複合したもので、最近に例では横浜のランドマークタワーや恵比寿のガーデンプレイスがその代表的なもの。

⑤-2 郊外型店舗の集積型商業施設への出店

これにはパワーセンター型とビレッジ型の2つのタイプがあり、パワーセンター型はカテゴリーキラーといわれる大型のディスカウントストアの集合体をいい、ビレッジ型とは地元店舗の集約型で、いずれも単独型の郊外店に比べ集客力が大きく、今後のロードサイドの開発パターンとして注目される。
     
             
●書籍「流通データでみる出版界 1974‐1995」より
武塙 修 著
出版ニュース社 (1997年4月初版)
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