このページは、経済産業研究所『出版産業に関する商慣行改善調査研究報告書』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・「本」の長所
ネットの場合相手を特定しないと課金できないが、本の場合は匿名の顧客に課金ができる。
・本研究会の考え方と狙い
この研究会は、未曾有の出版不況と言われる現状を改善するための方策を考えるために行われた。従って、この報告書は、世紀の変わり目の出版不況を打開するための副読本(けして教科書ではない!)となるべく書かれている。
・2001年2月に刊行した『本コロ』は、発売後半年で5 刷り、販売部数で5 万部に達した。「本」に関する本は、せいぜい売れても5000部どまりといわれるから、この部数自体が「事件」といってもいい。※ノンフィクションライター佐野眞一氏
・著者と読者をつなぐ「磁場」の構築
いま最も急務なのは、出版に携わる関係者すべてが、「読者」を含めて参加意識をもてる「磁場」を構築することである。※ノンフィクションライター佐野眞一氏
・委託販売制度の最大の効用は、出版物の露出機会を極大化することにあるのだ。
※電通総研四元正弘氏
・人文系書籍に強い岩波書店、晶文社、筑摩書房、白水社、平凡社、みすず書房などの出版社が大日本印刷と共同で運営するオン・デマンド出版サービス「リキエスタ」(http://www.honco.net/richiesta/)がオンデマンド出版の代表格。
※上記URLは、現在存在しないようです。“Not Found, Error 404”と表示されます。
・出版指標年報昭和60年版の出版概況にも、読者の低価格化志向が文庫本の増大を生んだとの記述があり、当時の出版構造の変動をもたらしたものとして文庫本をあげることができる。
※東京大学社会情報研究所 田中秀幸氏
・出版物にもレンタルがなかったわけではない。マンガ本を中心とした貸本屋は1950年代後半にかけて全国的な広がりを見せ、1950年代後半のピーク時には全国に2~3万軒の貸本屋が存在したと言われている(竹内オサム[1995]、69頁)すなわち、マンガ本はレンタルに適した特徴を有しているのである。
・書籍流通の改革の提言
既存の出版産業が、新古書店のような物的商品としての二次流通やマンガ喫茶のようなサービス業として体現するコンテンツ流通をその利益モデルに取り込むことである。これにより、書籍ビジネスにはには様々なビジネスモデルが生まれ、それによって書籍自体にもバリエーションが生まれ、ビジネスチャンスは拡大するはずである。
●経済産業研究所『出版産業に関する商慣行改善調査研究報告書』より
出版産業に関する商慣行改善調査研究会
独立行政法人経済産業研究所
http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/syuppansyoukanko0918.pdf
※↑経済産業省のサイトからPDFファイルが開きます。
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