このページは、書籍『( 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・出版という仕事は、つくづく複雑でやっかいな仕事だと思います。※岩波書店 編集部 岩崎勝海氏
・四つのシリーズは、その課題、テーマ、読者層に、それぞれの志向があるが、本づくりには共通したプリンシブルがある。
まず第一に、本をつくるばあい、その企画の発想において、科学、サイエンスの拠りどころを持つということ。(中略)
第二に、人間いかに生くべきか、とくに人生の愛情の問題は永遠に小説のテーマだが、しかし、この問題は小説だけのテーマではない。また哲学的な命題だけもでない。あらゆる理論、理屈をこえて、実際に体験したなまの人間記録の中にそれを発見すること。
第三に、どんな課題、テーマをとらえても、日本の風土性を尊重すること、読者は外国人ではなく、日本人である。
※光文社 取締役出版担当 加藤一夫氏
・週刊誌にはページ当たりの単価がある。
※講談社 学芸第二出版部副編集長
・日本の出版販売界に大きな遺産となって残されたのが、博文館の初代、大橋佐平が敷いた全国ネットによる、書籍、雑誌の販売ルートである。
※ポプラ社 専務取締役営業部長 田中治男氏
・書店が嫌いな出版社の出張員十二章
福島県・岩瀬書店の岩瀬専務さんが、「私の嫌いな出版社の出張員十二章」(雑誌「新風」77年10月号)に書いていますが、あれは参考になりますね。簡単に紹介しますと、
一、書店の営業内容を全然知らないで訪問をする出張員。訪問する時は取次と打ち合わせして、十分勉強してから来ること。
二、自分から名をなのることが出来ない出張員。
三、服装のいいかげんな出張員。
四、在庫調査、商品構成を調べに来ながら、ひとことのあいさつも出来ない出張員。
五、昼食時、夕方のいそがしい時、荷物が入荷した時に来る出張員。
六、注文した商品以外によけいなものをくっつけて送る出張員。
七、店長に断られて、こそこそと店員をくどく出張員。またこの逆の場合、あまったれもいいところ。過保護社員が多くなった。
八、支払条件や、送品月日の約束を守れない出張員と取次店。
九、同じ地域の同業者をいつも悪くいう出張員。
十、過大情報を流す出張員。
十一、名刺にやたらいつでも返品入帖しますとサインする出張員。
十二、「このセットを注文すれば、これだけのサービス品がつきます」という出張員。くれてやればよいというサービス品はもう時代遅れ。出版社のサービスとは一体何かよく考えて欲しい。
●書籍『職業としての出版人―現役たちの証言』より
鈴木 均 編集
中経出版 (1978年3月初版)
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