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出版社は、出版物の宣伝費や広告費はいくら位使うものなのでしょうか?9つの書籍から検証してみたいと思います。
●出版物はふつう定価×発行部数の一割程度しか宣伝費をかけられない。
※『読書人の周辺』(紀田 順一郎 著)より
●ふつう、本でも広告費は本の定価の一〇%以内というのが常識
※『当世出版事情』(林 邦夫 著)より
●鈴木敏夫氏によれば、従来から出版界では「発行額の三分の一は直接生産費、一割が宣伝費・・・・・これが造本常識だ」とされてきた、とある。『基本・本づくり』(一九六七年・印刷学会出版部)二七六頁
※『現代出版学』(清水 英夫 著)より
●出版物は 定価×制作部数×10%=宣伝費 となっている。
※『本づくり必携』(小林 一博 著)より
●Encyclopaedia britannicaによれば、アメリカの出版者にとっては、広告費は生産費の一〇%にあたるという。イギリスでは六%、ドイツでは三%である。
※『文学の社会学』(ロベール・エスカルピ 著)より
●広告費は企業の種類によって異なるが、出版社はどれほど広告費をかけているのだろうか。だいたい売上げ高の十パーセントというのが常識であろう。(中略)それでは、諸外国ではどうなのか。ヨーロッパではドイツ、イギリスが売上げ額の五パーセントを広告費にあてている。フランス、イタリアなどはこれを幾分下回るといわれている。
※書籍『アメリカのベストセラー』(武田 勝彦 著)より
●(※宣伝費は)少ないところで、それこそ四、五パーセント。多いところは、あるいは、ここぞと勝負をかける時なんかは、一五パーセントぐらい投入することもある。平均的には、八~一〇パーセント当たりが多いんじゃないかな。
※書籍『しろうとでも一冊本が出せる24の方法』(横田 濱夫 著)より
●出版広告の場合、広告費をどのくらいにみるかは定説のようなものがあって、だいたい定価総額の一〇%であるといわれている。
※書籍『出版広告の話』(村崎和也著)より
●「広告宣伝費」があります。出版社によっていろいろですが、書籍の場合には生産高の六%くらいが基準ではないでしょうか。たとえば、五〇〇〇部で二〇〇〇円の本の場合、生産高は一〇〇〇万円ですね。この六%ですから、宣伝費は六〇万円までということになります。
※書籍『編集者になる!~編集者になるためのスピリッツ&実践ガイド』(CWS 編、メタローグ)より
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つまり、大体、定価×発行部数の10%前後というのが多い意見のようです。例えば、1,500円の書籍で5000部が初版であれば、75万円程度が宣伝費や広告費に使われるということになります。
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・書籍 『 読書人の周辺 』
紀田 順一郎 著
実業之日本社 (1979年11月初版)
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・書籍 『 当世出版事情 』
林 邦夫 著
草思社 (1984年1月初版)
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・書籍 『 現代出版学 』
清水 英夫 著
竹内書店 (1972年12月初版)
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・書籍 『 本づくり必携 』より
小林 一博 著
にっかん書房 (1983年1月初版)
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・書籍 『 文学の社会学 』より
ロベール・エスカルピ 著
大塚 幸男 翻訳(1959年3月初版)
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・書籍 『 アメリカのベストセラー 』より
武田 勝彦 著
研究社出版 (1967年1月初版)
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・書籍 『 しろうとでも一冊本が出せる24の方法 』より
横田 濱夫 著
祥伝社 (2001年9月初版)
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・書籍 『 出版広告の話 』より
村崎 和也 著
日本エディタースクール出版部 (1978年3月初版)
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・書籍 『 編集者になる!~編集者になるためのスピリッツ&実践ガイド 』より
CWS 編
メタローグ (1996年3月初版)
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