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資生堂の名誉会長である福原義春さんは読書家として有名な方です。その福原さんが編集者の役目について、書籍『だから人は本を読む』の中でこう書いています。
------- 書籍『だから人は本を読む』(東洋経済新報社 刊)より ----------------
本来、編集者の役目というのは、書き手の意欲を十分に高め、その意欲を継続させ、読み手が喜ぶような本を作ることが目的であるはずだ。書き手と読者の間に立ちながら、求められる本にできる限り近づける俯瞰の視点を持たなくてはならない。そこに至らずに、自分が作りたい本を追い求めて編集者は自己実現をしてしまっては困るのである。
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また、出版界についてこうも書いています。
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私から出版界を見ていると、書き手、編集者、営業、販売部員から書店まですべての担当者が有機化、一体化していないと思える。みんな、自分の仕事だけしかせず、本が書き手から読者に渡るまでの流れに思いをはせていない。
※書籍『だから人は本を読む』より
福原 義春 著
東洋経済新報社 (2009年9月初版)
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参考までに、作家の山口瞳さんは編集者について以下のように書かれています。
--------- 書籍『わたしの読書作法』より ---------------------------------------
私は、編集者というのは「他人のファインプレーを探す職業」だと書いたことがある。また、編集者の仕事は「作家を激励すること」だと思っている。(中略)二十年以上も物を書く仕事をしていると、作家を激励するのではなく萎縮させてしまう編集者がいかに多いかということに驚かされる。その点で、私は、まことに幸運だった。
●書籍『わたしの読書作法』より
山口 瞳 著
河出書房新社 (2004年9月初版)
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