FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 佐々木 千賀子 氏(書籍『立花隆秘書日記』より)

佐々木 千賀子 氏(書籍『立花隆秘書日記』より)

このページは、書籍『立花隆秘書日記(佐々木 千賀子 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・壁面に大きな猫の顔が描かれていることから「ネコビル」と呼ばれる


・じつは、締め切りにもいろいろあって、編集者はたいていサバを読んでいる。


・(※立花隆さんが新聞にアシスタントの募集をした際の広告分)

立花隆のアシスタント
◇一般秘書業務、資料整理・集め
◇年齢学歴不明 能力・人柄重視
整理能力(要若干英語・科学常識)広範旺盛な知的好奇心ある方
◇固20万円(応能力)賞与・昇給有
週休二日 勤務時間自由 主婦可
◇履歴書・スナップ写真数枚・自己紹介文(ワープロ)急送面接通知

1993年4月27日(火)朝日新聞朝刊より


・立花さんは大の講演嫌いで、極力引き受けないようにしている


・資格や特技を書く欄がある市販の履歴書は、何の資格も持たない自分には不利だと思ったので、オリジナルの履歴書を作成することから始めた。つまり、不利な項目は削除して、独自に新たな項目をつけ足したのだった。


・「秘書は地味な仕事です。ここに集まってくださった皆さんの中には大変な能力を持った人が多数おられるので、とても仕事内容に満足されないのはないかと心配しております。また、あまりに美人だと、こっちの気持ちがときめきすぎて困るので、そういう人もふさわしくありません。スナップ写真を送ってもらったのは、必要以上に女性を強調した印象の人をチェックするためです。ですから、もし試験に落ちたら、自分が能力がありすぎて、美人すぎるのだと思ってください」立花さんはこう前置きをして、自分が必要としているアシスタントの条件を以下のように述べられた。
1、第一の仕事はスケジュール管理(中略)
2、電話の対応がきちんとできること。(中略)
3、パニックを起こさない(中略)
4、断り上手(中略)
5、お願い上手(中略)
6、資料管理(中略)
7、資料作成(中略)
8、郵便物の管理(中略)
9、価値観の共有(中略)
10、やりたいという意思のある人


・今度は、学識や知識ではなく、個性や感性が試されるらしい。質問は次の通りである。
●よく見るTV番組
●最近良いTV番組と思ったもの
●いま二時間と二万円が与えられたらどう使うか
●よく笑うか
●最近腹の底から笑ったこと
●最近真剣に怒ったこと
●最近泣いたこと
●これまでの人生で最大の失敗


・「書類を送ってきた人は五百名以上でした。それを強引に二十名に絞ったんです」
※立花隆氏


・立花さんから以下のような話があった。
第一に、自分をあまり尊敬しすぎないでほしい。自分は人から尊敬される種類の人間ではない。あなたは尊敬しすぎる。
第二に、先生と呼ばないこと。先生と呼ばれるのは好きじゃない。
第三に、自分はつねに不機嫌に見える。不機嫌でない時もそう見えるらしい。もちろん本当に不機嫌な時もあるけれど。うまく見分けて、怖がらずにわからないことは聞いてほしい。わからないまま処理されるのは一番困る。
第四に、パニックを起こさないこと。


・ネコビルは文京区●●●にある。


・なぜ壁にネコが描かれたかというと、立花さんが無類のネコ好きだという単純な理由からだ。


・本は時々配置換えされるが、基本的には入り口付近の本棚を宇宙関係の本がかなり広い面積を占めている。


・地下室もある。そこは比較的古い資料を保管する書庫になっている。(中略)地下二階は、一階よりさらに古い資料の収納庫だった。


・二つの扉に鍵をかけることを忘れ手はならない、こんなトイレはそうそうどこにもあるものではない


・立花さんは、要不要に関わらず。貧欲といえるほど集められる限りの資料を集める。


・「パン買ってきてください、いつもの」
「いつもの」とは、近所のスーパーマーケットの前にあるパン屋さんのカレーパンとピザパンのことである。


・「ロッキード事件は好きで手がけたわけではない。むしろ関心はなかった。食っていくためにやむなく引き受けた仕事だったし、継続して追っかけるつもりはなかった。それが二十年にわたって関わることになるとは夢にも思わなかった。この間、何か他のことに使っていればどれほど有意義に過ごせたかわからない」


・立花さんの遅筆は編集者の間で有名で、同じくその名を馳せる井上ひさし氏とよく比べられる。


・絶体絶命の絶壁まで自分で自分を追い詰めていく。そこでようやく書き始める体勢が整うだ。


・知る人ぞ知る、立花さんはワイン通である。


・立花さんはワープロを使わない。モンブランやペリカンの太字の万年筆で原稿を書く


・ある日、記事をハサミで切り抜いていると、
「ウチではこれを使うんだよ」
と、大工さんが使う曲尺を渡された。


・いったん書店に出かけると、一度に三万円から五万円分の本をまとめ買いする。とくに、「週刊文春」で「私の読書日記」という書評の連載をしているので、その締め切りの前には自ら書店に出向いて面白そうな本を選ぶ。


・立花さんご用達書店の筆頭は神田神保町の「東京堂書店」だ。(中略)硬派の品揃えと落ち着いた雰囲気が好きだと言っている。


・立花さんは、いったんテーマが決まると、その関連の本を床から一メートルくらい買って片っ端から読みなさいと言っている。人はお金をかけると本気になるものだ、だから本を買うお金はケチらないほうがよいと。さらに、多読の利点は、偏った解釈でまちがったことを覚え込む危険を免れることにある。


・立花さんぶ接する際にやってはいけない五つのこと、それは何かというと・・・・・・
一 知らないと言ってはいけない。一応話を聞いておいて、知らないことは後で調べる。
二 できないと言ってはいけない。立花さんはやる前からできないという人間が嫌いだ。とにかくやってみる。
三 世間話をしてはいけない。とたんに機嫌が悪くなる。用件が終わればさっさと引き上げる。
四 資料を指示されたら、手に入らないと言ってはいけない。
五 苦労して手に入れた資料が使われなくても文句を言ってはいけない。資料はすべて使われるとは限らない。


・悪いことをすれば罰が当たる、よいことをすれば報われる、これは誰もが無意識に持っている共通の認識。


・ベートーヴェンの生涯を描いた『不滅の恋』


・「NTT出版はいい本出しているよ。ウチには何冊かあるよ。つまりね、本体(NTT株式会社)が大きいから別に売れなくていいんだよ。だからいい本が出せるんだよ」と、立花さんは言った。


・立花さんには、なぜか、知的なものは新潮社という思う込みがある。


・既存の文献や資料を加工する技術にかけては、ノンフィクション界に一つのスタイルを確立したといったもいいくらいの卓越性を発揮されました。


●書籍『立花隆秘書日記』より
佐々木 千賀子 著
ポプラ社 (2003年3月初版)
※amazonで詳細を見る