このページは、書籍『日本語が亡びるとき(水村 美苗 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・言葉には力の序列がある。
一番下には、その言葉を使う人の数が限られた、小さな部族の中でしか流通しない言葉がある。その上には、民族の中で通じる言葉、さらにその上には、国家の中で流通する言葉がある。そして、一番上には、広い地域にまたがった民族や国家のあいだで流通する言葉がある。
・今地球上に六千ぐらいの言葉があるといわれているが、そのうちの八割以上が今世紀の末までもは絶滅するであろうと予測されている。
・すべての言葉のさらに上にある、世界全域で流通する言葉が生まれたということである。
それが今〈普遍語〉となりつつある英語にほかならない。
・書くという行為は自慰行為ではありません。書くという行為は私たちの目のまえにある世界、私たちを取り巻く世界、今、ここにある世界の外へ外へと、私たちの言葉を届かせることです。
・今、世界で一番権威があるとされる百科事典『ブリタニカ』
・私は〈普遍語〉とは、〈書き言葉〉と〈話し言葉〉のちがいをもっと本質的に表すものだと思っている。
〈話し言葉〉は発せられたとたんに、その場で空中にあとかたもなく消えてしまう。それに対して〈書き言葉〉は残る。
・読むという行為と書くという行為は、本質的に、非対称なものである。ある言葉を読むことはできても、その言葉で書くのは容易なことではない。いくつもの言葉を読むことはできても、いくつもの言葉で書くのは、困難である。
●書籍『日本語が亡びるとき~英語の世紀の中で』より
水村 美苗 著
筑摩書房 (2008年11月初版)
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