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2010年アルメディアの発表によると書店が14,059店と昨年より358店も少なくなっている。本社・外商部・事業所等商品を置いていない事業所を除くと12,740店となりこれが実店舗数と推測される。2000年は21,664店舗であったので、この10年間で7600店舗も消滅したことになる。
売場坪数 |
2009年店舗数 |
2010年店舗数 |
増減 |
占有率 |
500 坪以上 |
375 |
379 |
4 |
2.7 % |
499 坪~300 坪 |
959 |
968 |
9 |
6.9 % |
299 坪~100 坪 |
3,118 |
3,070 |
▲48 |
21.8 % |
99 坪~70 坪 |
1,215 |
1,183 |
▲32 |
8.4 % |
69 坪~40 坪 |
1,869 |
1,785 |
▲79 |
12.7 % |
19 坪~1 坪 |
2,958 |
2,840 |
▲118 |
20.2 % |
0 坪 |
1,309 |
1,319
| 10 |
9.4 % |
合計 |
14,417 |
14,059
| ▲358 |
100 % |
今から19年前の1991年12月にトイザラスは茨城県荒川沖に1号店を開設し現在までに148店舗展開中である。トイザらスが1店できると半径20キロ以内の玩具店は消えてなくなると豪語し展開を続けてきた。
全国を見渡すと出店してない県は島根県・徳島県で少子化の影響をもろに受けている県には出店していない。これは書店の出店計画にも当てはまるが少子化地域に出店しても書店の成長は無いと見る。地方経済の厳しさから子ども連れで県外流出している地方都市も多くなってきた。
大型書店(500坪以上)が1店できると半径5キロ以内の書店は転業か廃業の選択肢しか無くなって来た。今年も1,000坪以上の出店計画が散見されるが、近隣で50坪以下の書店はいずれ廃業の運命となるだろう。
現在の出店傾向は駅ビル又は6大都市の集客力のあるビル・政令指定都市近郷のショッピングタウンで、出版物だけで200坪の出店が一番効率の良い出店と聞いている。出店投資額の回収も早いし同業他店との競争力もあるようだ。
書店の営業形態も変化し出版物だけでは収益が上がらないことを見越して複合書店(CD・DVDレンタル)が主流を成していたが今年に入りレンタル料のダンピングで収益が上がらず、レンタル売り場の縮小も検討されているようだが、他の商材が見つからず苦労しているのが現状である。
100坪~499坪以下の書店数が多いが出版物の売場は坪数の3分の2と見ている。複合書店(5297店)が多いため売上だけで単純比較は出来ない。書店の経営形態は多数に上る。
・ 複合書店で急成長した書店
・ 地道に出版物だけを販売し競争に打勝ってきた書店
・ スーパーが自ら書店経営に乗り出した書店
・ 郊外のショッピングタウンへ出退転を繰り返して業績を上げてきた書店
・ 他業種から参入して成功している書店
・ ランチェスター戦略で中小零細書店を蹴散らして出店してきた大型書店等
日本は人口比からして書店数が多すぎる。適正は10,000店で十分と見ている。インターネット・ネット書店・中古本書店・レンタルコミック店・図書館と古書店・漫画喫茶と読者の選択肢は多種多様である。ここに電子書籍が加わると読者は苦労せずに出版物に接することが可能であることを新刊書店が理解していないだけのことである。
老人化率25%を超えてきた地方都市は少子化と人口流出で限界集落が市町村まで拡大し、消費人口が減ってきているので書店経営が更に厳しくなると予想する、書店数は10,000店まで減数が続くが、その中で生き残るのはどんな書店経営形態かは非常に興味がある。
但し、どんな書店経営形態であろうと地域読者のニーズに沿った本の仕入能力を備えている書店のみが生き残るのは確かであろう。
寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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