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大学生の1ヶ月書籍代を見る (寄稿:冬狐洞 隆也 氏)

第45回学生の消費生活に関する実態調査のうち大学生の1ヶ月の書籍購入費用調査結果は10年間で自宅通学生が年間7,080円減り、下宿生が6,480円減少し1980年から比較すると両方とも半分以下となっている。詳細を以下にご紹介する。
 

大学生 1ヶ月の書籍購入費

年数
自宅通学生
前年比
下宿生
前年比
1980年
4240円
-
5350円
-
1985年
3700円
▲12.7%
4460円
▲16.6%
1990年
3560円
▲3.8%
3990円
▲10.5%
1995年
2950円
▲17.1%
3640円
▲8.8%
2000年
2590円
▲12.2%
2910円
▲20.1%
2005年
2300円
▲11.1%
2490円
▲14.4%
2009年
2000円
▲13.1%
2370円
▲4.8%
※大学生協連合会調査 228大学より


大学生の書籍購入費、30年前と比較すると半減以下

2009年の大学進学者数が60万8730人(浪人含む)と大学進学率が5割を超える高学歴社会だが、その内の半数は推薦入学等で入学試験は殆んどしていない。推薦入学の結果が10月下旬頃には判明するので合格した生徒は殆んど勉強しない。


そして入学後の調査の結果が1ヶ月に全く本を読まない学生が4割、出版物を1冊も購入しない学生が4割~5割。雑誌は一冊も購入しない学生が50.8%もいるとの結果が出た。書籍購入費も30年前と比較すると半減以下となっている。


現在の大学生の半分は、アルバイトとサークル活動・ゲームが忙しく読書とは無縁の生活を送っているようだ。その結果が就職時の合否に関係してくるとは思わないのだろうか。卒業しても読まない習慣は続くと思う、こんな学生を採用した企業の将来を心配しても始まらないが小学・中学・高校と何処かの教育がねじれているのは間違いないところである。


「国民読書年」大人のフォーラムやシンポジウムより、学生対象のものを

読書の習慣を続けるよう出版業界上げて実践に努力しているが、それも小中学までで高校は殆んど野放し状態、それが大学まで続いている。今年は国民読書年だと言う、大人のフォーラムやシンポジウムの開催が散見されるが予算の使い方が間違っている。馬を水のみ場まで連れて行く人を教育しても馬がそっぽ向けばそれまでで、馬の教育が肝心ではないかと思うが如何なものか。


寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏

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