このページは、書籍『アメーバ経営(稲盛 和夫 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・アメーバ経営では、各アメーバのリーダーが中心となって計画を立て、全員の知恵と努力により目標を達成していく。そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加型経営」を実現している。
・会社を始めるにあたって、当時、宮木電機の専務をしておられた西枝一江さんに一方ならぬお世話になった。
・若手社員に対して真剣勝負を挑んだ。
「会社を辞める勇気があるなら、なぜ私を信じる勇気を持たないのか。私は命をかけてみんなのためにこの会社を守っていく。もし、わたしが私利私欲のために会社を経営するようなことがあったら、私を刺し殺しても構わない」
話し合いは三日三晩に及んだが、ようやくみんなが納得し、会社に残ってくれることになった。
・アメーバ経営には、大きく分けると次の三つの目的がある。これらについて、順を追って述べていきたい。
第一の目的 市場に直結した部門別採算制度の確立
第二の目的 経営者意識を持つ人材の育成
第三の目的 全員参加型の実現
・判断基準は「人間として何が正しいか」
・売上を最大に、経費を最小にする
・切り分けるアメーバが独立採算型として成り立つために、「明確な収入が存在し、かつ、その収入を得るために要した費用を算出できること」
・アメーバ経営では自分の組織を守るという思いが人一倍強くなるために、部門間の争いが激しくなり、会社全体の調和が乱れやすいのである。
・京セラでは、製造、営業、研究開発、管理のそれぞれの基本的な役割を次のように位置づけている。
●製造 お客様を満足させるものづくりを通して付加価値を創出する
●営業 販売活動(受注から入金まで)を通して付加価値を創出し、同時にお客様の満足度を高める
●研究開発 市場ニーズにもとづいた新製品、新技術を開発する
●管理 各アメーバの事業活動を支援し、会社全体の円滑な運営を促進する
・社内ルールのあるべき姿については、次にあげる項目を参照してほしい。
会社としての基本的な考え方・価値観と合致する(中略)
経営の視点でとらえる(中略)
経営の実態をありのままに伝える(中略)
一貫性がある(中略)
会社の公平である
・全従業員の採算意識を高めるために(中略)
私は経営や会計の素養がなかったために、経営というものを難しく考えるのではなく、できるかぎりシンプルにとらえようとした。その結果、経営においては「売上を最大にし、経費を最小にすれば、結果としてその差である利益が最大になる」という原理原則を見出し、それに従って今日まで会社を経営してきた。
・営業部門 時間当りの採算表の例(中略)
このようにして「時間当り」を算出することにより、各アメーバは、自らが一時当りに生み出す付加価値を正しく認識す、経営活動に反映させていいる。
・原価を積み上げて製品の売値を決めていくのではなく、まず市場価値ありきと考え、その価格で十分な利益があがるように徹底的にコストダウンするようにしてきた。つまり、「原価+利益=売値」という考え方ではなく、「売値-原価=利益」であると考えて、売上最大、経費最小に徹するよう経営してきた。
・アメーバのあいだをモノが流れていくときには、いわゆる原価ベースではなく、自らの付加価値を含めた社内売買価格での受け渡しがおこなわれる。こうした流れに従いアメーバは独立採算により経営をおこなっている。
・原料、成形、焼成などの工程ごとに積算電力量計を付け、電機の使用量に応じた経費を割り振り、各アメーバがどれだけ電気代を使ったかを明確にする。
・営業の使命とは、『この値段なら結構です』とお客さんが喜んで買ってくれる最高の値段を見抜くことである。これより安ければ、いくらでも注文が取れる。これより高ければ注文が逃げてしまう。そのぎりぎりの一点を射止めなければならない
・時間当り採算制度では、採算を表す指標である「時間当り」に着目してしまいがちだが、「時間当り」さえよければ、それで経営がうまくいくわけではない。(中略)したがって、未来にわたって従業員の雇用を守っていくという視点から考えると、「時間当り」を高めるだけなく、「差引売上比率」も高めていかなければならないということを、リーダーは肝に銘じておく必要がある。
●書籍『アメーバ経営~ひとりひとりの社員が主役』より
稲盛 和夫 著
日本経済新聞社 (2006年9月初版)
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