このページは、書籍『ひと月15万字書く私の方法(佐々木 俊尚 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・原稿作成は、以下の4段階によって流れ作業のように行われます。
①テーマ設定
②情報集約フレームワーク
③構造化フレームワーク
④物語フレームワーク
この流れ作業を、わかりやすい日本語で言い換えてみましょう。
「原稿のテーマを設定し、そのテーマをもとに情報を集め、集約した情報を構造化していく。そうして構造化された情報から物語を抽出し、原稿を完成させます」
・【情報集約フレームワーク】
(1)書籍、雑誌、新聞の活字情報をスキャンし、デジタル化する。
(2)テキストメモ、録音メモ、写真、各種ファイルなどのデジタルデータを集約する。
(3)ウェブサイトの情報を集約せず、ブックマークとしてリスト化する。
・【構造化フレームワーク】
(1)現状
(2)課題
(3)仮説
つまり情報全体を、最終的には「現状」「課題」「仮説」という3ジャンルに分類していくということです。
・【物語フレームワーク】
(1)現状
(2)現状の分析
(3)現状の課題は何か
(4)仮説
(5)仮説の分析
・作業効率をあげる5つの最強ツール(中略)
①Evernote(エバーノート)
②delicious(デリシャス)
③Mind42(マインド42)
④WZ EDITOR(ダブルゼット・エディター)
⑤ドキュメントスキャナ
・ドキュメントスキャナは、パソコンの周辺機器で、書籍や雑誌などの印刷されたページを、効率よくデジタル化できるものです。
・私のようにビジネス的に何の関係もない人間でも、「ぜひ多くの人に使ってほしい」と願わせるだけの能力を、このソフトは持っています。
※WZ EDITOR(ダブルゼット・エディター)のこと
・Evernoteはひとことで言えば、「いま見ているウェブサイト」「ケータイで撮影した写真」「ちょっと録音した音声のメモ」など、さまざまなメモを取って、それを1か所に集約して閲覧することのできるサービスです。
・deliciousは、チェックしておきたいニュース記事やブログのエントリーを見つけたとき、カンタンにブックマークしておける無料のサービスです。
・deliciousは、インターネット上のサーバーにブックマークが記録されるため、複数のパソコンからでも同時に使用できる。
・IEの「お気に入り」は数が増えてくるとだんだん整理整頓が難しくなり、どこに何の情報があるのかわからなくなってしまう。deliciousはタグが使えるため、整理整頓が容易。
・Mind42は、「マインドマップ」を作れるようになる無料のウェブサービスです。(中略)マインドマップはトニー・ブザンという人が編み出した表現テクニックで、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射線状にキーワードやイメージをつなげていくことで、発想を広げていくというものです。(中略)
・ドキュメントスキャナには、2種類の製品があります。
①フラットベッド型
●エプソン GT-D1000
●キャノン DR-1210C
②コンパクト縦置き型
●キャノン DR-2050C
●富士通 ScanSnap
●コクヨ NS-CA1W(中略)
②のコンパクト縦置き型ドキュメントスキャナには、致命的な欠点があります。それは、「書籍や雑誌はページをバラバラに断裁しないと、スキャンできない」という欠点です。(中略)
したがって私が自信と持ってお勧めするのは、①のフラットベッド型です。
・テーマの設定(中略)
これらのテーマを忘れないようにしておくために、自分用にカスタマイズしたポータルサイト「iGoogle」のトップページに、(中略)つねに表示しています。
・iGoogleには「タブ」という概念があり、いくつかのコンテンツを複数のタブに分類してまとめることができます。
・ブックマーク機能は、日常の業務で活用するけれども、しかしそれほど頻繁に使うわけではないサイトを登録します。
・Evernoteとdeliciousがきわめてすぐれている理由のひとつとして、このタグによる分類を採用していること
・タグを適切につけるスキームを、ここで解説しておきます。そのスキームは、実にカンタンなことです。
①ジャンルタグ
②テーマタグ
という2つの異なるタグをつけておくのです。ジャンルタグというのは、その記事や情報がどのような分野のものなのか説明するタグです。ジャンルをどの程度の範囲に絞ればよいのかわからない場合は、ジャンルタグを「広いジャンルタグ」と「細かいジャンルタグ」の2つに分けてつけるということも可能です。
・deliciousやEvernoteに集約されている情報をひとつひとつ読んでいって、それらの短い要約をWZ EDITORに記入していく
・物語フレームワークの要素(中略)
「物語フレームワーク」は「構造化フレームワーク」を発展させてもので、次の6つの要素から成り立っています。
①現状
②現状の分析
③課題は何か
④仮説
⑤仮説の分析
⑥これからの戦略
・原稿を書く上で最も大切なのは、
●ソース(情報源)
●ロジック(論理)
を両立させ、きちんとしたソースの上に、無理がなくロジックを組み立てていくことです。
・説得力のある原稿は、次のような要素から成り立っています。
①続きを読みたくなるインパクトのあるリード
②きちんと事実とその情報源が提示してあり、その原稿が「事実に基づいている」ということがわかる信頼感
③提示された事実から無理なくロジックを積み上げられた論考
④構造化され、全体の見通しがよい構成
⑤「では自分はどうするればいいだんろう」と読者に考えさせられる読者の余韻
●書籍『ひと月15万字書く私の方法』より
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