このページは、書籍『図で読み解く!ドラッカー理論(久恒 啓一 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・「著者はこう言っている」ではなく、「私はこの本をこう理解した」という読書法でいいのです。図読の真の目的は、客観的かつ正確に本の内容を理解することにはありません。「自分の関心や目的意識を中心に読んだら、この本の内容はこうとらえることができた」と割り切って考えればいいのです。
・図にするメリットはいろいろありますが、とくに強調したいのは、
①理解が深まる
②思考がクリアになる
この2点です。
・「左図右書」という中国のことわざがあります。「図は左側に、文章を右側に置く」という意味です。どういうことかというと、左の目(正確には左視野)で図を見て、右の目で文章を読むことによって、きわめて効率的に学習できることを説いているのです。
では、どうして「左図右書」を実践すると効率的に学習できるのでしょうか。それは、左目は右脳とつながっており、右目は左脳とつながっているため、脳を本来の機能に沿って動かすことができるからです。
・チャップリンは、「あなたの最高傑作はどれですか?」と聞かれて、「ネクストワン」と答えたそうですが、現状に満足しないあくなき探究心が、成果を得るには何よりも大事なのです。
・ドラッカーは成果を上げる人間のタイプなど存在しない。有能な人たちは性格や能力の傾向、知識の量や仕事の方法など、みんな千差万別であり、ただなすべきことをなす能力だけが共通していると述べています。そして、成し遂げる能力の本質は習慣的な力であるとも指摘しています。
・全員一致なら決定しない
× 全員一致 → 選択肢がない → 自動的に決定 → リスクが高い
○ 意見不一致 → 選択肢がある → 十分な検討(理解が深まる) → リスクが低い
・「できない」ことより「できる」ことに着目する(中略)
人事においては、人の弱みを最小限に抑えるよりも、人の強みを最大限に発揮させなければならないと言っています。
・ドラッカーは、この自分の能力を最大限に引き出す仕事の方法には、おもに2つの側面があると言っています。
ひとつは自分が「読む人間」か「聞く人間」かを知るということです。(中略)読む人は文字情報を自分なりに整理する中から理解が深まっていくタイプであり、聞く人は他人の持っている生きた情報を聞く中から情報の本質をつかむタイプです。(中略)
もうひとつは、人と組んだほうがいい仕事ができるのか、それともひとりのほうがやりやすいか、大きな組織のほうがあっているか、小さな組織のほうが自分の力を発揮できるのか、リーダーとしてやるほうが力を発揮できるタイプか、それとも補佐役タイプかといった、外とのつながりで自分の得意なやり方を把握しておこうと指摘しています。
・まず聞く人がいないとコミュニケーションは成立しないとして、コミュニケーションの主体は情報の発信者と思われがちだが、実が逆で、すぐれたコミュニケーションとは情報の受信者が主人公なのだと指摘しています。
・事業を定義する3つの要素(中略)
①環境------社会や市場、顧客や競争相手などの動きや変化
②目的・使命------何を最大の目的とし、どう社会に貢献するか
③強み------目的・使命を達成するのにどんな強みを持っているか
・事業を有効に機能されるための4つの条件
1 3つの要素が現実に動きや変化と合致すること
環境
目的・使命
強み
↓
2 3つの要素が合致すること
↓
3 事業の定義が組織全体に周知徹底されていること
+
4 定義を絶えず検証していくこと
事業の定義の陳腐化を防ぐ
体系的廃棄 ノンカスマター動向調査
・ベンチャー企業成功の条件
常に市場中心に考える
財務上のプランをしっかり持つ
複数幹部によるトップマネジメントの仕組みをつくる
・起業家がとるべき4つの戦略
●総力戦略
総力を挙げて首位を狙う 失敗のリスクは大きい
●ゲリラ戦略
既成市場に継続参入する 二番手の特権をフルに生かす
●顧客創造戦略
サービスは既存のままで使い勝手を変え、新しい価値を提供
●ニッチ戦略
限られた小さな分野で首位を狙う 代替のきかない存在になる
いくつかを組み合わせて、最良の戦略を編み出せ!
・総力戦略
起業家が最初にとる戦略ではない(中略)総力戦略は強者に有利な戦略
・強者の戦略=新興企業がとってはいけない戦略!
・ドラッカーは顧客を創造する方法を4つに分類しています(中略)
①効用戦略
販売法やサービス法を変えて顧客に対して製品の効用を高める方法。(中略)
②価格戦略
単に価格を下げるのではなく、価格設定の対象と方法を変えて顧客の消費意欲を刺激する戦略。(中略)
③事情戦略
顧客の事情をニーズととらえ、それにすみやかに対応することで市場を獲得するやり方です。(中略)
④価値戦略
事情戦略の延長線上にある戦略で、製品の価格を超えた価値、いわゆる付加価値を提供する方法です。
・ポスト資本主義社会とは知識社会のことであるとドラッカーは言っています。ここでいう知識とは、簡単に言うと、高度で専門的でありながら、誰にでも教えることができ、学ぶことのできる普遍性を持った「社会に役立つ知識」のことです。
・未来予測(中略)
未来予測は不確実性とリスクが大きすぎて不可能であるとドラッカーは言っています。だから私たちすべきことは、明日のために今日何をすべきかを考えることではなく、「すでに今日に含まれている明日を探すこと」「いま発生していることの未来への影響を見通す」ことです。すなわちドラッカーの有名なフレーズですが、すでに起こった未来を探すことが大事なのです。
・ドラッカーの言うイノベーションとはどんなものなのか。それは明確な目的意識、よく練られた方法論、精密な分析などによる凡人の地道な努力から生まれてくるものであり、画期的であるより継続的であり、独創的であるよりは体系的な性質を持つものであるとしています。
●書籍『図で読み解く!ドラッカー理論』より
久恒 啓一 著
かんき出版 (2004年8月初版)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.