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オフライン書店とオンライン書店の相違点を一覧でご紹介したい。
リアル書店 |
ネット書店 |
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探索の軸 |
表紙で探す |
キーワードで探す |
探索の方向 |
自分の関心を広げていく (棚の隣にある本が見える) |
自分の関心を深めていく (検索結果を一覧) |
購買の心理 |
自分の決断で買う |
他人の勧めで買う場合もある |
購買後は |
直ぐに読み始めることが出来る |
翌日以降に届くことが多い |
長所と短所 |
○ 新刊が中心 ○ 大型店の品揃えの良さ ○ 衝動買い・関連買いが可能 × 書店に出向く時間が無い × 重い本・大きい本は持ち帰りが 面倒である × 書店員の知識能力が低下傾向 にある |
○ 既刊本を含めて網羅的在庫 ○ いつでも行ける (24時間アクセスが可能) ○ 注文した本が早く届く ○ 情報が正確で早い ○ 購入時間が少ない ○ CVSで受け取り可能 × 物としての質感が分かりにくい |
インターネット通販で購入した商品・サービスの第1位は書籍・雑誌の購入で57.8%あり圧倒的利用である。2009年の調査でネット書店は全国に71店存在するが上位7店で2,000億円を超え取次経由書籍販売額のシェア24.3%となった。取次経由しないアマゾンとの直接取引出版社が1140社あることにも注目したい。
ネット書店の利用年代は20歳代が1位。60歳代の利用率が低いが団塊の世代の退職(2007年以降)でお金を自由に使えなくなった事も一因と推測する。又ネット書店への注文時間帯はPM9:00~AM2:00が多い。サラリーマンが帰宅後自宅からの注文やリアル書店の閉店後から注文が多いと聞いている。
ネット書店利用の最大の理由は書名や著者で居ながらにして本の検索が出来ることと書店まで出向く必要がないことがアンケート調査で分かった。今後自宅や職場までの配送料無料の継続可能なネット書店が勝ち組となるだろう。
リアル書店の今後はその書店の規模によっても様々であるが大手書店以外はその利便性から言ってネット書店に歯が立たないことは明白であり、原点に戻り地域読者の要求に応えられるような施策が必要になってくるが書店員不足が致命的である。POSデータに依存していれば棚が荒れ、読者の支持も得られなくなるだろう。
電子書籍の話題が小さくなってきたが電子書籍販売サイトは出版社から見ると問題は多いが善戦はしているので一定の評価は出来るも紙の売上を補完するには至らず出版社によっては評価が分かれる。
電子書籍業界が何を言っても、当面活字ビジネスの主流はこれからも紙であることは間違いない。人口減少・メディアの多様化で出版物の流通量は少しずつ減っては行くが出版というパッケージメディアの信頼性はそう簡単には無くならず、これからは出版における情報の価値が試される正念場と見る。
寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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