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羽生 善治 氏、今北 純一 氏(書籍『定跡からビジョンへ』より)

このページは、書籍『定跡からビジョンへ』(羽生 善治 著、今北 純一 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・世間体を優先して生きていくと、いつかツケを払うことになる


・今北:羽生さんは周りの人たちから好かれたいという気持ちをお持ちですか。

羽生:嫌われたいと思ってはいませんが、よく思われたいとも考えていません。だからといって、人を踏み台にして自分の好き勝手をやるというのは、最もやりたくないこです。


・羽生:対局を積み重ねてくると、「この人はこういう考え方をしているのだな。こういう人なのか」と、しゃべらなくても、お互いにだんだんとわかり合えるところがあります。逆に言うと、初めて対戦する人とはそういうことがまったく見えないまま対戦しているという感じです。


・羽生マジックは常識の思考である。しかし、周りからは非常識に見える(中略)

羽生:私は自分としては変わった手をやっているという意識はまったくないのです。


・羽生:ミスは日常茶飯事でよく起こることなのです。(中略)私は逆に、相手は基本的にはミスはしないという前提で考えています。


・羽生:本当に集中している状態というのは、雑念が一切消え去って、澄み切った深い海の中の沈黙の世界にいる感じなのです。あと一つは、集中する時には、ぱっと、すぐに深く集中できるのではなく、海に潜っていくようにちょっとずつ、ちょっとずつ潜っていかないと深く集中できないし、長く続かない、そういう感じでもあるのです。


・羽生:将棋を指していると、「これってきっと終わりはないうだろな」と思うことがあるのです。どんなものでもいずれはなくなりますよね。しかし、将棋という、なくならないものを見つけたという感じです。


・今北:プロの棋士は、指し手をどのように読むのですか。

羽生:一つの局面でだいたい百通りほどの可能性があるのですが、その局面で二、三通りの手を直感によって選びます。残りの九〇パーセント以上は読まないで捨ててしまうわけです。

今北:思考を省略するわけですね。


・将棋の場合は、部分が全部よくなることはなかなかありません。こっちがよくなればこっちが悪くなるという性質があるのです。そこで最終的にバランスを取るとか見切りをつけるということが大事なのです。


・ブロードバンドは手段であって目的ではないのに、それ自身が目的かのように錯覚してわけですね。


・羽生:織田信長の人の使い方とか徳川家康に学ぶ企業経営といった類のビジネス書をたくさん見かけますね(笑)。しかし、そういうところから安直に学ぶではなく、自分の生き方や仕事、まさにミッションに基づいて、自分自身が歴史の中から探し出すことが大切でしょうね。将棋の勉強でもそうですが、問題意識を持って見るかどうかで身につくものは違いますから。


・地位や肩書きを目指すと、間違った人生レースに入ってしまう。不幸の始まりである(中略)

羽生:何段になりたいとか、名人、竜王になりたいと、何かの地位につきたいと思って将棋を指したことはこれまでもないです。それを目標にしてしまうと、そうなったらその後どうするんだって・・・・・・(笑)。


・羽生:読書は、考えを巡らすには一番身近なものですね。というのも、本には、自分で想像ができる面白さがあります。(中略)読み続けていると、本の内容に「こうなるのじゃないか」「ああなるのじゃないか」「どうしてだろう」と、「自分はこう思うのだが」と考えたりしながら、思い巡らす面白さがあることがわかってきます。


・羽生:才能の定義(中略)同じ情熱、同じ気力、同じモチベーションで持続することができる人が、一番才能がある人じゃないかと思っているのです。


・直感力の元になるのは感性ですが、感性はどの部分からプラスに働くというのではなく、読書をしたり、音楽を聴いたり、将棋界以外の人と話をしたり・・・・・・というさまざまな刺激により総合的に研ぎ澄まされていくのではないかと思っています。


●書籍『定跡からビジョンへ』より
羽生 善治 著
今北 純一 著
文藝春秋 (2004年7月初版)
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